阪本奨悟、海外ミュージカルに初挑戦 「うかうかしていたら…」27歳の思い
いま、世界が最も注目する劇作家で作曲家でもあるリン=マニュエル・ミランダ。『イン・ザ・ハイツ』は、リンを一躍スターダムにのし上げた出世作であり、ヒップホップやラテン音楽を使い、ミュージカル界に大きな影響を及ぼした作品だ。
「ラップやラテンのリズムとセリフとがキレイに繋がって続いていて、気持ちいい作品なんです。僕も初挑戦のジャンルだし、観た方もきっと新鮮なんじゃないかなと思います」
そう話すのは、シンガーソングライターで、ミュージカル『刀剣乱舞』などで俳優としても活動する阪本さん。自身の音楽性とは違うジャンルゆえ、「いま稽古場でDef TechのMicroさんを見ながらグルーヴ感を勉強している」最中。
「Microさんのラップは言葉ひとつひとつが全部リズムになっていて、聴いていても楽しいんです。ただビートを刻むだけじゃなく、+αで自分のリズムをのせてみたり、時に敢えて外してみたり。そこがとても演劇的な表現に繋がる気がしていて。今まで僕があまり掘り下げてこなかったジャンルの楽曲ですが、だからこそ新しい扉を開かせてもらっているような気持ちです」
NYで移民たちが暮らすワシントンハイツを舞台に、雑貨店を営むウスナビら移民たちの姿を描いた群像劇。阪本さんが演じるのは、ウスナビの従弟で共に店を手伝うソニー。
「ソニーは生意気で憎たらしい口はきくけれど、ウスナビのことが大好きな可愛い弟キャラです。そんな彼の愛あふれるところをちゃんと伝えられたらいいなと思っています。ペルーで生まれ育った共演者のエリック・フクサキさんの話を聞くと、ここで描かれているようなラテン系の人たちと僕らでは、人と人とのコミュニケーションのとり方も、恋愛のアプローチの仕方も全然違うんだそうです。今の日本人的な価値観を一回リセットして、ラテンの人たちの生き方や考え方をインプットした上で、演じたいと思っています」
阪本さんにとっては、これが初めての海外ミュージカル作品への挑戦。
「この作品に出てくる移民の人たちと同じように、僕も今を抜け出して、大きな夢を掴みたいと思って上京したひとり。今の自分に満足して、何もせずに現状維持でいるのは嫌なんです。いま27歳。うかうかしていたらあっという間に30ですよね。時代に置いていかれないよう、いろんな現場でいい刺激を受け、自分がやるべきことは何かを見つけたいです」
『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』 プレビュー公演・3月27日(土)~28日(日) 鎌倉芸術館 大ホール 東京公演・4月17日(土)~28日(水) TBS赤坂ACTシアター 原案・作詞・作曲/リン=マニュエル・ミランダ 脚本/キアラ・アレグリア・ウデス 演出・振付/TETSUHARU 出演/Micro/平間壮一(Wキャスト)、林翔太/東啓介(Wキャスト)、田村芽実、石田ニコル、阪本奨悟、エリアンナ、青野紗穂、エリック・フクサキ、山野光、戸井勝海、未来優希、田中利花ほか S席1万2000円ほか(税込み) 公演事務局(平日10:00~18:00) information2@pia.co.jp https://intheheights.jp/ 大阪、名古屋公演あり
さかもと・しょうご 1993年6月13日生まれ、兵庫県出身。昨年リリースした2ndアルバム『=+』が現在好評発売中。俳優としては、ミュージカル『刀剣乱舞』堀川国広役で高い人気を誇る。
ジャケット¥57,000(アンバー/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575) ニット¥48,000(チルドレン オブ ザ ディスコーダンス/スタジオ ファブワーク) Tシャツ¥12,000(ジョン メイソン スミス/ヘムト PR TEL:03・6721・0882)
※『anan』2021年3月31日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・森田晃嘉 ヘア&メイク・永瀬多壱(VANITES) インタビュー、文・望月リサ
(by anan編集部)