スイッチが入ったらとことん掃除しないと気が済まない!(笑)
「この号が暮らしについての特集だと聞いて、すぐに出たいです! とお返事させてもらいました。僕、雑貨やインテリアが大好きで、じつは掃除も得意なんですよ」
そう言いながら、楽しそうにモップを床に滑らせる中川大志さん。窓拭きも、高い位置にある電球の交換もなんなくこなしてしまう。
「お掃除ロボットを使っていたこともあったんですが、一生懸命動き回って掃除をしてくれるんだけどそれでも気になってしまって、結局最後は自分で床を拭いたりして仕上げるような性格なんです。一昨年の年末の大掃除中には、掃除機の吸引力に物足りなさを感じて掃除の途中で家電量販店に走って、吸引力抜群の掃除機に買い替えました(笑)。一度スイッチが入るととことんやらないと気が済まないんですよね。これってキレイ好きな母親譲りだと思う。水回りや水道の蛇口を使うたびに拭いていた母の姿を見て育ったので、家だけではなくこういうスタジオに来てもトイレを使ったあとは洗面台などの水はねをティッシュで拭き取ってから出るようになりました。日頃からこまめに掃除をしておけば、あとあと楽ですから」
写真や釣りなど、趣味が多いという中川さん。基本的にアウトドア派だが、実は建築やインテリアにも興味があり、日頃から情報収集を欠かさないという。
「昔から建築家に憧れていて、建築の勉強がしたかったんです。将来住む家を自分でデザインして建てたいという夢もあるので、SNSではインテリアや建築関連のアカウントをよくチェックしています。インテリアの選び方や家具の配置、生活に役立つ洗剤などの雑貨まで、おしゃれな暮らしが探せばたくさん出てくるので、見ているだけでもワクワクしますね」
家の中でいまお気に入りの空間は、新しくつくった作業部屋。
「使っていなかった部屋に机を入れて、ノートパソコンをデスクトップに替えて、写真や動画の編集をしたり、曲を作ってみたり。台本を持ち込んでセリフを覚えることも。普段オフィスワークをするわけではないから、ちょっとした作業場ができたことですごく新鮮な気分になりました。役者をする上で、自分自身のコンディションはとても大事です。演じる役柄によっては、生活も荒みがちになってしまうこともあるので、家の環境はなるべく充実させておきたいですね。撮影を終えて家に帰った時に、うわっ! ってなるのがイヤだから、朝起きたら絶対にベッドをきちんと整えてから家を出ると決めたりもしています」
家選びにもこだわりがある。
「面積を占める床とドアは明るい色であることが条件。黒やブラウンの暗い色ではなく、白やベージュだとそれだけで気持ちが前向きになれます。部屋の雰囲気は絶好バランスだといわれている3色にまとめていて、基本的に白と淡い木目調でソファだけはグレーを選びました。北欧テイストに近いかな。とはいえ、部屋が完成することはないですね。新しいインテリアを見つけると買い替えたくなることもあるし、生活をしながらアップデートしていく感じ。そうそう、家に人を呼びたいというのが家づくりのモチベーションにもなっていて、友達が来た時に最新技術で驚かせたり盛り上がってほしいという目線で家電を選ぶことも。だから電動でフタが開くゴミ箱や、スマホ操作でカーテンが自動開閉するシステムなど、いろんなしかけもあるんです。遊びに来てくれた人に『これ、超ヤバくない?』って見せてます(笑)」
そんな中川さんが一緒に暮らしているのが、2歳のフレンチブルドッグ。話を振ると、さらに目尻が下がった。
「部屋中のコードにいたずら防止のカバーをつけるなど生活スタイルは変わったけど、僕が家にいる時は常に僕のあとをついてきて、めちゃくちゃ可愛いんですよ。ペット用のカメラを設置していて、撮影がある日は現場の合間によくスマホで部屋をのぞいています。最近は落ち着いてきたけど、赤ちゃんの頃はかなりやんちゃで。専用のベッドを買ってあげたら、家に帰ったら噛みちぎられていて部屋中が綿だらけだったことも…(笑)。だから本当は高いラグとか欲しいんだけど我慢してます。僕がもっと若い頃は、ペットなんて飼う自信も余裕も全然なかったけど、仕事のペースがだんだんつかめてきて、自分の生活のリズムができてくるとペットとの暮らしが楽しめるようになりました。セリフを覚えなくちゃいけない時は、部屋の中を歩き回ってブツブツ言ってるし、急に大きな声を出したりするもんだから最初はびっくりしてたみたいだけど(笑)、最近はすっかり慣れた様子。また一人で喋ってるな、って感じの顔で見守ってくれています。そんな愛犬に、自粛期間中はかなり癒されました。誰にも会えず、家でも一人だったらもっと孤独な気持ちになっていたんだろうなと思うと、すごくその存在に助けられています」
LIFE STYLE 1:とにかく日当たり重視。毎日の天気が一目でわかる部屋が理想です。
日当たりがいい部屋が好き。照明も暗いものではなく明るめのものを選んでいて、一日中ポジティブな気持ちでいたいんです。起きてすぐに窓の外の天気がわかるような抜け感も必要で、そういう意味では近くに高い建物がないなどの景観も重視しています。
LIFE STYLE 2:人を呼びたくなる家、人が集まる家であることは欠かせない条件。
学生時代から実家に友達がしょっちゅう遊びに来ていたので、一人暮らしの今も、友達を呼びたくなる家づくりというのがコンセプトにあります。だからインテリアも僕一人で完結するような家具は選ばないし、お皿やコップはセットで買うことも。
LIFE STYLE 3:家にはスピーカーがたくさん。Bluetoothにそれぞれ名前をつけてます。
リビングの天井やお風呂場、キッチン、作業部屋にも。常に音楽やラジオを聴きたいので、家の各所にスピーカーを設置しています。“朝に聴きたいジャズ”とか“お酒を飲みながら聴きたいクラシック”などストリーミングサービスのプレイリストが活躍。
なかがわ・たいし 1998年6月14日生まれ、東京都出身。主演映画『砕け散るところを見せてあげる』(イオンエンターテイメント)が4月9日に、主演映画『FUNNY BUNNY』が4月29日に公開。映画『犬部!』が公開待機。
写真1~3枚目・トップス¥98,000 パンツ¥82,000 シューズ¥68,000(以上Maison Margiela/Maison Margiela Tokyo TEL:03・5725・2414) その他はスタイリスト私物
カーディガン¥155,000 シャツ 参考価格¥470,000 パンツ¥77,000 ベルト参考価格¥42,000 ブレスレット¥45,000 シューズ¥100,000(以上Saint Laurent by Anthony Vaccarello/サンローラン クライアントサービス TEL:0120・95・2746)
※『anan』2021年3月17日号より。写真・今城 純 スタイリスト・山本隆司 ヘア&メイク・池上 豪 取材、文・若山あや
(by anan編集部)