3大栄養素の摂取が、免疫力アップのカギに。
気温が低く、空気が乾燥する冬は、一年で最も免疫力が低下する季節。だからこそ、いつも以上に栄養バランスのとれた食事を心がけたいけれど、なかなか難しいもの。「ビタミンD、マグネシウム、亜鉛、この3つの栄養素は、特に意識的に摂ってほしい」とは、満尾クリニック院長の満尾正先生。
「現代人に圧倒的に足りていない栄養素のトップ3で、これらの欠乏はあらゆる病気を招く要因になります。でも、現代の医学では即座に病気に繋がるものではないと考えられ、健康診断でも数値を調べないため、不足していることに気づきにくいのが現状です。しかし、今何かしらの心身の不調を感じている人は、この3つの栄養素不足が関係している可能性があります」
さらに、Withコロナ時代を生き抜くのにも、この3つの栄養素が肝になるそう。
「その理由は、これらが免疫力を高めるために重要だからです。新型コロナウイルスやインフルエンザなど感染症の発症・悪化の予防に効果的であると、世界的に注目を集めています」
今こそ免疫力を高めて、病気に負けないカラダ作りを!
POINT1:どうして、この3つが大事なの?
「体内で多くの役割を担い、免疫機能の維持とも深く関係しているからです。ビタミンDは炎症を抑制し、あらゆる病気を予防。マグネシウムは細胞のエネルギー源である“ATP”(アデノシン三リン酸)を作り出す補酵素として不可欠。亜鉛は免疫力を司るリンパ球の一種を増やす働きがあり、どれも積極的に摂りたい栄養素です」
POINT2:足りていないのは、なぜ?
「現代の食生活からは十分な量を摂取するのが難しいのがこの3つなのです。ファストフードや加工食品、精製された穀物にはほとんど含まれませんし、あまり魚を食べないこともその要因。またビタミンDは、紫外線を浴びることで作られるため、日焼けを気にする女性や巣ごもり生活が続いている人は、圧倒的に足りていません」
POINT3:どうしたら補える? 食事のほかに方法は?
「食事が基本なので、各栄養素を多く含む食べ物を把握して、毎日の食事に取り入れましょう。食べ物を選ぶ際は、成分表示が可食部100gあたりの含有量であることが多いので、実際は1食分でどれだけ補給できるかどうかも考慮して。ただ、食事だけでは必要量を摂れていないのが現状なので、サプリメントを利用してください」
POINT4:不足しないように、冬だからより注意することは?
「ビタミンDは紫外線を浴びることで作られますが、冬は日照時間が短く、血液中のビタミンD濃度は12~2月あたりが一年のうちで最も低くなります。なので欠乏状態に陥りやすく、感染症のリスクを高めてしまうので注意が必要です。マグネシウムと亜鉛は、加齢とともに吸収率が低下するので、季節問わず気をつけたいですね」
満尾 正先生 アンチエイジング専門病院「満尾クリニック」院長。米国先端医療学会理事。『世界最新の医療データが示す最強の食事術』(小学館)、『医者が教える「最高の栄養」』(KADOKAWA)など、著書多数。
※『anan』2021年2月3日号より。写真・中島慶子 イラスト・サヲリブラウン 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)