ジャルジャル福徳秀介 プロポーズはLINEで…結婚きっかけは芸人仲間の一言

2020.12.8
「コントではふざけてばかりいるんで、ふざけた本かと思われてしまうかもしれないですけど。めっちゃ真剣に書きました」

『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』は、お笑い芸人ジャルジャルの福徳秀介さんが、4年かけてこつこつと書き上げた、正真正銘真面目な恋愛小説です。

自分をさらけ出して書いた恋愛小説。かなり“恥ずい”です(笑)。

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「何度も何度も書き直しました。13万字ぐらいの原稿を編集の方に6万字削られて“没収”されてしまったことがあって、さすがにその時はヤバいって頭を抱えましたけど」

最初はラブコメディのような作品だったのが、やがて、「実は僕、明るい人間ではないんです」という福徳さんの深い内面をさらけ出すような作品になっていきました。

主人公は、友達ができず孤独な大学生活を送る青年・小西。ひとりで行動する女子学生・花と出会い、惹かれていきますが、彼女は父を亡くした哀しみを抱え、互いに心を開くことができません。つたない恋が行きつ戻りつする中、ある事件をきっかけにふたりの人生は大きく変わり―という展開。ひりつくような青春模様が丁寧に描かれています。

「主人公はメンタル落ち込みすぎの可愛いヤツなんで(笑)、僕と似てないとは思いますけど。でも僕も友達のいないふがいない大学生でしたし。孤独系の人を好きになることが多かったり、近い部分はあるかなぁ」

福徳さん自身、高校時代に父を事故で失うという経験をし、その思いはヒロインの花に託しました。

「僕自身は当時、ラグビー部の部活があったり、初めての彼女ができたり、逃げ道があったんで、荒れはしなかったですけど。ただ、自分はこんな嘘みたいなハプニングにあう系なんやなって思いはありましたね」

恋愛に不器用な登場人物たちにも、自分の思いをぶつけているとか。現実世界の福徳さんは今年9月、同い年の女性と結婚。『キングオブコント』決勝直前の大事な時期に発表し、周囲を驚かせました。

「自分は『結婚せぇへん』って思ってたんですけどね。ロバートの山本博さんと、NON STYLEの石田明さんと楽屋で一緒に喋ってた時に、ふたりが『結婚って本当にいいよ』と言ったことがあって、それが新鮮やったんですよ。『結婚は地獄や』みたいに言う人がまわりに多かったんですけど。そこから僕の意識がガラッと変わって、その日の帰り道に結婚しようって決めたんです」

2週間後には本当にプロポーズ!

「今日は言おうと思って、食事に誘ったんですけど、恥ずくて、言えなくて。結局、ごちそうさましてから、相手が目の前にいるのに、LINEで伝えました(笑)。『いいけど』って、『けど』入りの返事でしたね。実は、その人に(結婚相手をまだそんな他人行儀な言い方をする福徳さん)それまで『つきあってください』と言ったこともなかったんです。7年前ぐらいからずっと友達で。ただ、一緒に食事を唯一する異性で、仲は良かったし、オモロいんで、結婚するならこの人かなぁって」

新郎・福徳さんが初めて書き上げた恋愛小説に、新婦の彼女はどんな感想だったのでしょうか?

「こんなに自分をさらけ出したんは初めてやから、知り合いに読まれるのは、めっちゃ“恥ずい”。だから、本も渡してません(笑)」

と照れましたが、知り合い以外には多くの人に読んでほしいとのこと。

「映画に出演した時お世話になった井筒和幸監督が『平気で“好き”と歌うようなラブソングは、単なる日記や。直接言葉で言うのが恥ずかしいから、遠回しの言葉で、相手に気づかせるのが、ホンマのラブソングや』と言ってたのを、さすがの意見やなぁと思って覚えていたので。その影響もあって、作品のラストを決めました。読んだ人がどんな感想を持たれるのか、楽しみです」

『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』 福徳秀介さんの小説デビュー作。暗いキャンパスライフを送る青年。気になる女子学生。淡い想い。喫茶店の名物犬。亡くなった父の言葉。そして運命が変わってしまう事件……。不器用な恋と孤独を描いた、切ない青春恋愛小説。小学館 1500円

ふくとく・しゅうすけ 1983年生まれ、兵庫県出身。高校時代ラグビー部の仲間だった後藤淳平と2003年、お笑いコンビ「ジャルジャル」を結成。キングオブコント2020優勝。YouTubeチャンネルに毎日ネタを投稿している。

※『anan』2020年12月9日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・伊藤愛子

(by anan編集部)

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