トップアイドルで、作家で、人気番組のMC。華やかな肩書を得ても、いたって謙虚で誠実。剣道一筋の生活から一転、夢を叶えた高山一実さんがアイドルになって9年間で見てきた世界とは。

アイドルとして輝くすべを模索してきたけど深く考えるの、もうやめました。

Talent

ここ数年、アイドルの枠を超えた活躍を見せる高山一実さん。穏やかでちょっとおとぼけ、かつ凛とした輝きを放つ“かずみん”に迫ります。

――今年はコロナ禍の影響が大きかったと思いますが、ご自身のなかで変化や気づきはありましたか。

高山:26歳という自分の年齢を俯瞰して、今後を考えるきっかけになりました。今の状況でこれをするためには何が必要かとか、毎日あれこれシミュレーションして。乃木坂46に入って9年なのですが、年々居心地が良くなってきていて、無意識のうちに挑戦やリスクを避けていたなあとも気づきました。

――そういう意味では、『Qさま!!』のMCになったのはいいタイミングだったかもしれませんね。半年ほど経ちましたが、感想を聞かせてください。

高山:もともと私はクイズが大好きで『Qさま!!』は憧れの番組だったんです。だから最初の収録がもう、本当に感動して。出演者のみなさんの空気感、スタッフさんの熱量、作問システム、リハーサル風景…、すべてが想像以上でした。でも問題は2回目から。いろいろ考えすぎるようになってしまったんです。私のクイズに関するコメントはクイズファンからしたら「知ったかぶり」になるかもとか。各チームや対戦の見どころを伝える時は、たくさん出演者の方がいるなかで、どなたかに絞って話すのは失礼かなとか…。年上の方がほとんどなので、上から目線にならない言葉選びも難しくて詰まってしまうことがあって。

――MCの立ち位置もですし、「好き」ゆえの難しさがありそうです。

高山:もう純粋に「好き」だけじゃない気持ちです。クイズの世界は本当に奥が深くて、知れば知るほど魅力を感じます。まだ反省ばかりだけど、チャレンジしながら成長していけたらと思っています。あと『Qさま!!』をやらせていただいて気づいたことがあって。クイズに関わる人はクイズに詳しいほど、そしてそれを語るほどレジェンドになるんです。でも、アイドルはそうじゃないなあと。

――どういうことでしょう。

高山:たとえば、求められる要素を知り尽くしているアイドルがいても、その人が人気が出るとは限らないし、詳しいと語るほど「でも自分は売れてないよね?」みたいに突っ込まれると思うんです。知っていることが必ずしも武器にならないというか。

――なるほど。では高山さんは「こうしたら人気が出る」みたいなことはあまり分析しない? 

高山:アイドルとして輝くには何をしたらいいか、ずっと考えながらやってきたので、ある程度はわかっています。でもわかったところで「自分にこれはできない」というのが結局出てきてしまうから、深く考えるのはやめました(笑)。昭和のアイドルは設定が細かく練られて好きな色まで決まっていたと聞いて、その時代がうらやましいと思ったこともあるんです。でもよくよく考えると、私は演技ができないし、本音が言葉にも態度にも出ちゃうから、キャラ設定を守れないだろうな、とか。

――キャラといえば、高山さんはオーディションからかなり目立っていたと聞きました。巧みなトークで笑いをとったり、急に俳句を詠んで驚かせたり…。

高山:あはは。私は変わったことをするのが昔から好きで。本当は、山口百恵さんや道重さゆみさんのようなアイドルに憧れていたんですけど、大人数のグループを考えた時、自分は王道でいっても無理かなというのもあって。オーディションの時は、周りと違うことをしようとしか考えていなかったですね。「この中の誰かがアイドルになるんだ!」と思ったら、ミーハー心がうずいて、みんなが自己PRの練習をしているなか話しかけに行って写メを撮ったり。ひとりだけおかしかったと思います(笑)。

――その気負いのなさもよかったのかもしれませんね。

高山:でも最初はそういうことを好きでやっていたのに、過剰になってしまった時期があって。本当はやりたくないのに、目立つために不本意だけどやる、みたいな。その時期は全然楽しくなかったし、うまくいかなかったですね。

――今は素に近いですか?

高山:そう思います。でも素に近いからこそ、振る舞いを批判するようなコメントを目にすると、けっこう傷つきます。キャラを演じていない分、本来の自分にダメ出しされた気になって落ち込んでしまうんですよね。

たかやま・かずみ 1994年2月8日生まれ。千葉県出身。1期生。最新の25thシングルまで、通算選抜回数トップを誇る乃木坂46の中心メンバー。2018年に『トラペジウム』で小説家デビューし20万部を記録。番組で乃木坂一のやさしい人に選ばれ、また滑舌の悪さをいじられる愛されキャラでも。今春からクイズ番組『Qさま!!』のMCに就任。

レイヤードワンピース[WEBストア限定]¥24,000(ラグナムーン/ラグナムーン ルミネ新宿 TEL:03・3344・3223) 左耳イヤカフ¥20,000 右耳イヤカフ¥13,000(共にe.m./e.m.表参道店 TEL:03・5785・0760)

※『anan』2020年11月11日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・高垣鮎美(LOVABLE)ヘア&メイク・江原理乃 インタビュー、文・熊坂麻美

(by anan編集部)

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