雨が苦手です。低気圧で頭も痛くなるし、肩も凝るので制作にも影響が出ます。ずっと家の中で作業をする日々なので、疲れた時、晴れていれば気分転換に散歩がてら近くのコンビニまで飲み物を買いに行くこともできますが、雨だとそれもできません。太陽の光を浴びる、外の匂いをかぐだけでリフレッシュできますが、雨だとなんかずっと家で、じとじとじめじめしてしまいます。でも、それがいいというミュージシャンの方もいると思います。雨のほうが、しっとりとして情緒ある曲が書けるとか、集中できるとか…。天気や気温、気候は確実に音楽制作に影響しますよね。音楽制作は、室内にこもる作業とはいえ、やっぱり夏の暑い日と冬の寒い日では作る曲に差が出ると思います。
これが、ライブとなるともっと明確に雨がイヤです。今でこそ、レコード会社に車移動させていただいていますが、インディーズ時代やデビュー当初は、基本電車移動でした。僕は、機材をキャリーケースで持ち運んでいます。雨だと駅からライブハウスまで歩いて行かないといけない。機材を濡らすわけにはいきませんから、自分は雨ざらしでびちゃびちゃになりながら、傘で機材を守って歩くのは、本当にストレスが溜まる。会場に着くころには気分は最悪になっています。雨のライブは憂鬱です。デビューから1年間くらい、なぜかライブを開催すると雨になることが多かったんです。ライブ当日が75%くらいの確率で雨。その頃はちょっとしんどかったですね。だから、もし僕がフェスを主催するとしたら、絶対に屋内フェスにします。雨だと本当にテンションがだだ下がりになるので、主催者としてみなさんをお迎えする気分にはとてもなれない。それは避けないといけないので、やるとしたらきっと屋内フェスでしょう。
とはいえ、僕は「雨女」とか「晴れ男」みたいな考え方は採用していません。どんな天気に恵まれるかは、これ、単純な運ですから。ときどき「俺が行ったら、晴れるから大丈夫」的なことを自信満々に言う方がいますが、お前どの目線で話しとんねん、と正直思います。気軽に、天気を操ってる側に立つなよ、と。僕は、さきほど話した雨が多かったデビュー1年目以降は、ライブは好天に恵まれがち。でも、それを自分が「晴れ男」だからとは申しません。晴れの日がたまたま多いだけです。
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※『anan』2020年9月2日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・村田真弓 文・梅原加奈
(by anan編集部)