箱を開けると彩りに歓声が起こり、やがてその料理を囲んで会話が盛り上がる。噂のケータリングの作り手、田中美奈子さん初となるレシピブック『ケータリング気分のBox Food』が出版された。雑誌撮影の現場やブランドの展示会で大人気、そしてアンアンでもたびたびお世話に…。そんな“予約の取れない料理家”がケータリングを始めたのは、カフェを切り盛りしていた5年前のこと。
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「もともとこの世界に興味があってお店に来る編集者さんに相談したところ、『できるよ!』と背中を押されたんです。クチコミで受注を始めたらそこから一気にオーダーが…」

人気の秘密を尋ねると、「特別なことは何も」と笑う田中さん。

「でも毎回、モデルさんやタレントさんの好きな食べ物を調べてメニューに取り入れるように心がけています。あと、できる限り品数を増やしたいので、時間がギリギリでも『もう一品いける』と思ったら作る。喜んでもらいたいから“ほどほど”で済ませるわけにはいきません」

そんな食べる人を思う“心意気”は、本書のレシピの中にも。

「見た目だけでなく味でも少し驚いてもらいたいから、安心できる味の中にも新鮮さを意識しています。例えば、アボカドはごま和えに、きんぴらはサンドイッチに。和風、洋風といった型にはめ込まず、定番から少しずらしてみるとか」

そして、ファンの多い特大スコーンのレシピも本邦初公開。

「私自身スコーン好きなんですが、なかなかしっくりくる味に出合えなくて。でも、自分で作ってみたら簡単で、以来20年は作ってます(笑)。外はサクッ、中はふんわり。その食感を求めると自然とこのサイズに」

彩り豊かで、目にも舌にも驚きがある。そんなケータリングの技は、ホームパーティに、お弁当に…と、さまざまな場面で活躍しそう。何より、どの料理も身近な食材で作れて、手順も驚くほどシンプル。

「あまりに簡単で『うそ!』って驚かれますけど、全部そのままです。巻末の食材別インデックスは、冷蔵庫にある食材で一品作りたいという時にも便利。これを見れば、ほんとにどこでも手に入る素材しか使ってないことがわかります。実際、発売してすぐ『作りました』という声が届いて…。つくづく簡単なんだなあ、と実感しているところです(笑)」

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カフェ時代からファンの多い定番「じゃがいものオムレツ」の作り方も掲載。photo by Masahiro Tamura

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インスタでも話題になったスコーンを盛り込んだホームパーティレシピ。photo by Masahiro Tamura

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たなか・みなこ 料理家、カフェディレクター。東京・北参道にあった『LIFE KITASANDO』オーナーシェフとバリスタを経て料理家に。ケータリングが評判。life-kitasando.com

『ケータリング気分のBox Food』 田中さんが実際のケータリングで作っているレシピ123品を、お弁当仕立てに組み合わせて公開。「この一冊があれば、誰でもケータリング屋さんが始められるんじゃないかな(笑)」。文化出版局 1500円

※『anan』2020年7月8日号より。写真・小笠原真紀 インタビュー、文・大澤千穂

(by anan編集部)

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