古舘寛治が“レンタルおやじ”に? 滝藤賢一とのW主演ドラマ「誕生秘話」

エンタメ
2020.01.28
一度見たら忘れられない強烈な存在感と、時に凄みすら感じさせる演技で、ここ数年、ドラマに映画にと活躍している古舘寛治さん。なんと2020年は、滝藤賢一さんとのW主演ドラマ『コタキ兄弟と四苦八苦』で幕開け。放送前には「これはきっとドッキリに違いない」とコメントしていたけれど、無事に放送されておりますよ~。
furutachi

――今回のドラマは、もともと滝藤さんとW主演でドラマを作ろうとお二人の間で話が持ち上がって、実現に至ったとか。まずはそのあたりの経緯を伺えますか。

珍しいスタートの仕方ですよね。特にいまの日本では。滝藤くんとは、昔、現場でご一緒していたんですが、そこからしばらく間が空いて、お互いに別の作品で同じスタジオで撮影があった時に、今度何か一緒にやろうという話になったんです。じゃあどうしようかと考えた時、それぞれがお世話になったことのあるテレビ東京のプロデューサー、濱谷(晃一)さんが浮かんで。ただ、この業界って俳優発信の企画が実現することが稀なので、本当に成立するとは思ってなかったです。その前に脚本家の野木(亜紀子)さんとも知り合っていて、野木さんに書いてほしいとお願いしたところ、スケジュールが空いていたらいいよって言ってくれたのが大きかったと思います。なにせ、いまや超売れっ子の野木亜紀子ですからね。

――映画や演劇ではなく、ドラマという場所を選んだのには理由があるんでしょうか。

ドラマを選んだというより、たまたま二人が思い浮かんだ人がテレ東の濱谷さんだったっていう…。それが映画のプロデューサーなら、映画だったと思います。しかし…企画が進んでいくなかで、ふと立ち止まって考えると「これはいったいなんなんだ?」って気持ちになるわけですよ。これまで、僕の主演ドラマが実現するだなんて思ってもみずに生きてきましたからね。しかも監督が山下敦弘さん。こんな布陣でやれるなんてうまくいきすぎで、気持ち悪ささえ感じています(笑)。

――でも、すでに全話撮影し終わっているわけですよね。

最終話が放送されるまでは気が抜けませんよ。今日もここまで電車で来ましたけれど、痴漢に間違われないよう、一生懸命両手を上げて気をつけていました(笑)。

furutachi

――ちなみに、お二人から何か要望された部分はありますか?

僕と滝藤くんが兄弟という設定でどうだろうというのは、最初に話していたんですけれど、そこからどんな物語にするかは野木さんにお任せしよう、と。俳優が制作に関わると進めづらいこともあるでしょうし。ただ、いまドラマを作る価値ってなんだろうって話をしたのは覚えています。いま日本という国が、難しい問題を結構いっぱい抱えている状態にあると思うんです。そういう複雑な社会情勢や現代の社会問題を入れられないかとは言ったと思います。

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――社会問題をなにげない日常に織り込みながら視聴者に考えさせる余白があるのが野木さんの脚本の魅力だと思うのですが、今回のドラマの見どころは…。

じつはまだ、できあがりを観られていないんです。どういう作品になったのか、自分の仕事がどんなふうに映っているのか、まだわからなくて…。でも、脚本の上での見どころを言葉にするならば、僕と滝藤さんが“レンタルおやじ”として、いろんな依頼主の依頼を受けていく話で、他にはないテレビドラマになっているとは思います。依頼人として面白い人間が描かれていて、僕たちも彼らに翻弄されるなかで人間がひん剥かれていきます。あとセリフが大量にあるので、俳優の演技が見どころになっているし、そういう脚本を書いてもらっていると思います。映画とかテレビのような映像のフィクションにおいては、ストーリーが背骨のように重要ではあると思っていますけれど、とはいえストーリーがいいだけではダメで、細部…ワンシーン、ワンカットが面白くないと本当に面白いものはできないと思うんです。そこを担うのが、演出であったり演技であって、僕らも面白いものにするために1か月半必死で頑張りましたから、その細部が見どころになっていればいいですね。ただ、最高にすばらしい才能が集まってはいますけれど、現場は過密スケジュールなわけです。1日…長いと15時間くらい撮影して、それが何日も続くと、みんな寝てないし、どんどん疲れてくる。どんなに才能があっても、そんな状況じゃすべてを発揮できませんよね。本当にいい作品…さらにいいものにしていくためには、日本のエンタメ界では当たり前になっているこのシステムをどうにか変えていかないとなとは思っているんです。…って言いながら、結局は自分も他力本願な日本人なんですけど。

ふるたち・かんじ 大阪府出身。ニューヨークで演技を学び、帰国後に青年団に入団。舞台をベースに数々の映画やドラマに出演し、名バイプレイヤーとして活躍中。おもな出演作品に映画『淵に立つ』、大河ドラマ『いだてん』などがある。出演映画『子供はわかってあげない』(沖田修一監督)が6月より公開予定。衣装協力・45R(フォーティーファイブアールピーエムスタジオ TEL:03・3498・2245)

古舘さんが滝藤賢一さんとW主演するドラマ『コタキ兄弟と四苦八苦』は、毎週金曜24時12分~テレビ東京系にて放送中。プロデューサーは、ドラマ『下北沢ダイハード』や『黒い十人の秋山』を手掛けた濱谷晃一さん。脚本はドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の野木亜紀子さん。監督はドラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』の山下敦弘さん。共演には芳根京子さんらが名を連ねる。

※『anan』2020年1月29日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・馬場恭子 ヘア&メイク・有路涼子 インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)

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