元号が変わり、2020年という節目の年を迎える今、心がもやもやしている人も多いと思います。今、多くの人が悩んでいる「心の傷を引きずっている」というお悩みについて、しいたけ.さんにそっと聞いてみました。

傷つくことが多く、引きずってしまう人へ

Fortune

こんな人はぜひ!

  • 知らない人から、暴言を吐かれたことがある。
  • 過去の嫌な経験が小さいことでも忘れられない。
  • いじめの標的にされやすい。

少し前に、サイコパスに関する本を読んで「なるほど」と思ったのですが、世の中には他人を平気で傷つける人というのが、人口に対して一定の割合で存在するそうです。普通の心の持ち主であれば、「こう言ったら相手が傷つくだろうな」とか「あんなこと言って悪かったな」と思うところを、その感覚がない人というのが。

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だから僕は、驚く間もなく自分を攻撃してきたり、人格否定してくる人を「サイコパスかもなぁ」と思うようにしているのですが、実は根が真面目な人ほど、こういう相手に正面から向き合ってしまう傾向にあるんです。「他人を傷つけて自分の支配下に入れられるなら、そっちのほうが得だ」と思っている相手に対して、「一体なんでそんなことをするのか」と真剣に理解しようとする。「スルーできない」というのは、それはそれで人としての美点だとも思うのですが、受けるダメージはできれば最小限に抑えたいもの。

最近はただでさえ、壮絶なパワハラやセクハラ、DVなど、痛ましい事件のニュースを目にする機会も多いです。そこで、ここからは「今の時代の身の守り方」について、みなさんに少しお話しできればと思っています。お付き合いください。

日頃から「危機意識」を発動

純粋に人間も動物なので、「身を守る力」というのは、もともと備わっているものだと思うんですね。ただ、それってわりと意識しないと発動しないものでもあるから、まずは日頃から「危機意識」を発動するイメージを持ってほしいのです。簡単なことでいうと、場所でも人でも「落ち着かなさ」を感じたら、一刻も早くそこから立ち去ること。たとえば電車に乗っていて、「この車両の人たち、なんとなく嫌だな…」と感じることがあると思うのですが、そういう時にすぐ車両を移動するっていうのは、ぜひやってもらいたくて。

「身を守る方法」って、とにかく自分が攻撃される前に「ああ、やっぱりね」と思うことなんです。だから人に対しても、「この人は警戒しておいたほうがいい」と思ったら、少し浅めに椅子に座っておくとかも大事です。「落ち着かない」という姿勢を自分で持っておくと、ダメージも少なくて済むし、いざという時に「じゃ、お疲れさまでした」って、すぐに立ち上がることができる。

ただ、そういう場面で邪魔になるのが、「悪いな」と思う気持ちです。「この人を怪しんでしまって、申し訳ない」という。でも、たとえその勘が外れていたとしても、5回の間違いの中に1回の正解が含まれていたら、十分身を守れているということになりませんか? 「まさかそんなことはないはずだ」と思った時がすでに危ない時だ、くらいに思っていてほしいです。

相手のせいにして大丈夫

他人の心を傷つける人にとって、「標的は誰でもいい」んです。だから100%相手のせいにして大丈夫です。ただ、いじめられやすいループにハマっている人は「なんで私、こんなに人に嫌われやすいんだろう。どこか、悪いところがあるんだ…」と、つい自分のせいにしてしまう。そういう人にぜひ試してもらいたいのが、朝起きた時に「いや、お前に言われたくないですけどね」と鏡に向かって言う練習。「目には目を」じゃないですが、「嫌みに対して嫌みで返す」。そういうのも、大事な身を守る方法なんです。たとえば「あなたみたいな人、私は好きじゃない」と言われた時に、「私、○○さんみたいな人には好かれないんですよね~。ありがたいことに」とか、そういうトレーニングを日頃からしておくと、いざ自分が何かを言われた時に、その場では言い返せなくても精神的ショックを減らすことができます。

標的にはならないという意思表示

それからもう一つ。めったにないとは思うのですが、たとえば職場など、大勢の人の前であなたを叱りつけたり、恥をかかせようとする人がいたとします。自分の理解を超えることをされた時には頭の中が一瞬真っ白になると思うのですが、ここは「少しだけ大きな声で返す」というのも一つの手だて。相手が少し引く声で「すみませんでしたー!」と謝ってみるとか。明確な悪意に対しては、「絶対にお前の標的にはならないぞ」という強い意思表示をすることも必要です。

「よくよく考えたら、あの時、私ひどいこと言われてたかも…」と、後になって気づくパターンもあると思います。攻撃を受けた人って、どうして攻撃を受けたか自分ではわからないからこそ、理解不能のまま抱えてしまう。それが、攻撃する人の目的でもあるんです。自分で判断できない時は、絶対に人に相談してください。「それ攻撃されてるよ。かわいそうに」と言ってもらえるだけで、変なもやもやからは解放されます。

愛を知っている人は暴力に敏感

最後に、前半の「危機意識を持つ」という話に戻るのですが、「愛情を受けて育っている人は、悪人を見抜く勘が鋭い」というのは僕の持論です。なぜなら、彼女/彼らは愛の反対が暴力や支配であることを知っているから。愛を受けてきた人って、自分が大切に育てられた記憶があるからこそ、「お前ごときの人間が私にこのような扱いをすることは許せん」という、自分を守る気持ちを強く持っているんです。だからこそ、「あの人はアドバイスをくれているようで、私のことを否定している」とか「あの人はいつも自慢ばかりしてくるけど、全然幸せそうじゃない」ということも、冷静に判断することができるわけです。

僕はそういう「幸せそうじゃない」人の話って、いっさい耳を貸す必要がないと思っているのですが、「幸せがどういうことか」ってことがわかるには、多少は自分が幸せじゃないといけませんよね。愛を知っている人が暴力に敏感に気づけるのと同じです。たとえば「週に1回大好物を食べる日をつくる」とか「幸せ」って言葉を口にするだけでもいいと思います。そうすると、自分の中でセンサーがちゃんと働くようになって、正しい判断ができるようになるから。

こう考えると、「自分の身を守ること」って、結局は「自分を大切にすること」がスタートになるわけです。小さなことでもいいので、日常生活で実践してみてください。

しいたけ.さん 占い師。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究する傍ら占いを学問として勉強する。著書に『しいたけ占い 12星座でわかるどんな人ともうまくいく方法』(小社刊)、『しいたけ.の12星座占い 過去から読むあなたの運勢』(KADOKAWA)など。しいたけ.公式サイトhttps://shiitakeofficial.com/

※『anan』2019年11月27日号より。イラスト・100%ORANGE 文・瀬尾麻美

(by anan編集部)

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