
新たな世界遺産が登録され、話題を集めている奈良には、国宝の社寺建築だけでなく、明治以降に建てられたロマン溢れる建造物が点在。静寂とエモーショナルが調和する、気品を纏った古都の近代建築を巡る旅へ。
旧奈良監獄
竣工1908(明治41)年、司法省技師の山下啓次郎氏が設計した赤レンガ造りの建築物。日本の近代化の一環として築かれた明治五大監獄のひとつで、唯一全貌が現存する国の重要文化財。2017年3月まで使用され、歴史的建造物の保存と活用を目的に、2026年に「星のや奈良監獄」と「奈良監獄ミュージアム」が開業。
"美しき監獄からの問いかけ"をコンセプトに、監獄に関わる展示や学びを通して、当たり前の日常を揺さぶる「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」。佐藤卓さんがアートディレクター、アドリアン・ガルデールさんがミュージオ・グラフィースーパーバイザーを担当し、重要文化財を舞台に、デザインやアートを織り交ぜながら監獄という特殊なテーマを深く掘り下げている。
まずは明治時代の監獄建築の素晴らしさを体感するために赤レンガ造りを外側から見学。放射状に5つの舎房が延びる形状、イギリス積みの赤レンガ壁は、まさに日本の近代化を象徴する荘厳さ。そこから当時の姿で残されている全96室の独居房が連なる「第三寮」では、実際に独居房の中に入れる貴重な体験も。
展示エリアは、旧奈良監獄や日本の行刑の歩みをたどる「歴史と建築」、受刑者の日常に触れる「規律とくらし」、5組のアーティストと受刑者たちの作品が飾られる「監獄とアート」の棟からなる。どの展示も直感的に理解できる内容ばかりで、様々な問いかけに感情を揺さぶられる。

放射状の建築様式「ハヴィランド・システム」を取り入れた旧奈良監獄の全貌がわかる1/420スケールの再現模型

歴史的建造物の保存と、その建築美や価値を未来へと継承する拠点として誕生

受刑者が制作した書や絵画の展示も

刑務所内での衛生ルールをグラフィカルに紹介

本当の自由とは何かを考えさせられる展示内容

ミュージアムカフェで味わえる「レンガカレーパン」¥650、「富有柿サイダー」¥600

受刑者が残した詩を刻んだ刺繍作品も圧巻

最後の締めくくりに、見学して感じたことをカードに記して、自分の中に生まれた変化を振り返る時間を

ミュージアムショップではオリジナルアイテムのほか、全国の刑務所作業製品を紹介するギャラリーも

奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート
明治五大監獄の中で最後に完成した旧奈良監獄は、日本の近代化の集大成ともいえる建物。天窓が複数設けられた吹き抜けの舎房は、監獄とは思えないほど明るい雰囲気で、人権への配慮がうかがえる。
- 2026年12月4日(金)〜2027年1月31日(日)はナイトミュージアムが開催予定
- 奈良市般若寺町18
- 9:00〜17:00(最終入館16:00)
- 入館料 大人¥2,500〜 ※公式サイトより事前予約推奨
- JR奈良駅、近鉄奈良駅から直通バスが運行


























