場数を踏むと、緊張との向き合い方がわかるもの。
私は単独ライブの前になると、すごく緊張してしまうんです。“何でやることにしたんだろう”と今更なことを考えるし、他の職業の人を見て“あの人はライブがないんだ、いいな…”と思うくらい嫌になります。でも、終わった後には絶対にやってよかったという気持ちになり、“終わった…!”という解放感や達成感が得られる。こんなレベルの緊張が毎日続くのは体によくないかもしれないけど、適度な緊張は人生に必要なものだと思うんです。ダラダラと生活するより刺激があったほうがいいし、そういう経験のほうが記憶に残りますよね。たとえば結婚式のスピーチや、大勢の前でしゃべらなきゃいけない場面がくると、話す内容はもちろん、服装や立ち居振る舞いまでを考えるじゃないですか。そういう、我が身を見直すきっかけになる、自分のお立ち台を作ることは大切だと思うんです。
習い事を始めるなど、やったことのないものに挑戦するだけでも、ほどよい緊張が体験できますよね。また、その時に“自分、緊張しているな”と意識をすることも大事な気がします。新たな緊張するシーンに遭遇した時に“あの時よりはマシだな”と思えて気が楽になることもあるだろうし、自分が緊張した時にどうなるかがわかるので、対処もできるはず。私の場合は、学生時代の卓球の大会が何よりも人生の緊張したピークだと思っていて、どんな収録や舞台の前よりもその時のほうが勝っていると思うし、そう思うことで落ち着けます。ライブでは、間が怖くて早口になり、何を言っているのかわからないことがあったので、大きな声でゆっくりしゃべることを心がけるようになりました。緊張をする状況は嫌だけど、場数を踏むと向き合い方が見えてくるもの。怖がらずに頑張りましょう!
よこさわ・なつこ 芸人。『バイキング』(フジテレビ系)や『王様のブランチ』(TBS系)など、数多くのバラエティ番組にレギュラー出演している。著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。
※『anan』2019年7月17日号より。写真・中島慶子 イラスト・別府麻衣 文・重信 綾
(by anan編集部)
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