意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「5G」です。
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生活はますます便利に。データの預け先が問題。

「5G」とは「第五世代移動通信システム」のことで、2020年春から導入される予定です。Gはgenerationの略。通信システムは技術の進歩とともに計算速度が上がり、5Gになると現在の4Gよりも通信速度が20~100倍速くなり、高精細動画や大容量の情報をリアルタイムに送ることが可能に。2時間の映画が3秒でダウンロードできるといわれています。

5Gの導入により、車の自動運転の精度が上がります。障害物の検知および処理にかかっていた時間が短縮されるので、スムーズな運転ができるようになるでしょう。また、スポーツ中継なども、複数台のカメラで同時に撮ったものを立体映像としてVRで見せる、目の前にホログラム化して見せることなどが可能になります。さらに、体温や触感など、「感触」を加えることも研究されています。

また、モノとインターネットをつなぐIoTも進みます。商品とメーカーが通信でつながっているため、家庭に常備している食料品などがなくなれば、わざわざ注文をしなくても、自動的に補充されるようになります。

ただ、問題は5Gをどこが牽引するのかということです。2018年通年のスマホの世界市場で、最もシェアが高かったのはサムスンで、約2割を占めていました。2位が14.9%のアップル。中国企業のファーウェイは3位で14.7%でした。翌年にもファーウェイが世界1位になるとみられていたのですが、トランプ大統領が、中国製の携帯電話は個人情報、アメリカの機密情報を盗みとると断定し、アメリカ企業とファーウェイとの取引を禁止させました。日本もパナソニックがファーウェイとの取引から退きました。しかし、中国はグーグルのアンドロイドを使わない独自のOSを開発中です。国内に13億人の市場を持ち、一帯一路構想により、アジア、アフリカ、ヨーロッパまで中国の通信網が敷かれると、逆にアメリカと日本の通信網が孤立する可能性も。5Gにより、日常生活のすべてがインターネットに接続され、消費行動や生活水準もデータ化されます。大切な情報を預ける先は中国かアメリカか、選択を迫られています。

Hori

ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN

※『anan』2019年6月26日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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