将棋を指せない私でも、棋士の想いに触れたくて。
「将棋会館で撮影ができて、本当に幸せ。家宝にします!」
モデルの前田エマさんは、2年前から将棋の世界に夢中だ。
「漫画『3月のライオン』を読んで興味を持っていたのですが、弟が『本物の将棋の世界はもっとすごいよ』って。それから、将棋番組を見たり専門誌を読んだりして、棋士にハマっていきました」
都内にある「将棋会館」は、前田さんにとって神聖な場所。
「1階のグッズ売り場によく行くのですが、4階の対局室では、憧れの先生方が今まさに将棋を指しているんだなぁと思うとワクワクが止まらなくて。盤を挟み相手と共に壮大な旅をし、ひとつの冒険記を後世に残していくような感覚に心が震えます」
この日は“西の王子”と呼ばれる期待の若手、斎藤慎太郎王座の写真入りクリアファイルを購入。そわそわしはじめたかと思うと、「わあ! 森下卓九段を見かけました」と大興奮!
山形県天童市の「天童市将棋資料館」へもたびたび訪れる。お目当ては、過去の対局について書かれた新聞記事を読むこと。
「対局の感想や昇段の喜びを語る棋士の言葉って美しくて魅力的。個性豊かな対局時のファッションも楽しみです!」
将棋と聞けば東へ西へ。
「関西将棋会館」には、棋士たちが出前をとることで有名なレストランがある。藤井聡太七段の影響で注目の集まる“将棋めし”。前田さんも豚の天ぷら「珍豚美人(ちんとんしゃん)」を食べたそう。
会館の近くには、病と闘いながら人生を将棋にかけた伝説の棋士・故村山聖(さとし)九段が暮らしたアパートや通った定食屋も。
ちなみに前田さんは「観る将」。将棋を観て楽しむファンのことだ。
「将棋を指せなくても師弟愛や幼い頃からのライバル関係、憧れのスターとの対決、若手の成長など、日々更新されていく棋士の物語に触れられることが楽しくて仕方ないんです!」
さすが将棋の街。街歩きも楽しい!
【天童市将棋資料館】
将棋駒の生産日本一の山形県天童市。資料館では将棋の歴史や、駒工人の作品などを展示。●山形県天童市本町1-1-1 TEL:023・653・1690 9:00~18:00(最終入館17:30) 第3月曜休(祝日の場合は開館、翌日休)
西日本で活躍する棋士を知るなら。
【関西将棋会館】
大阪にある将棋会館。販売や対局室、棋士も利用するレストランがある。●大阪府大阪市福島区福島6-3-11 TEL:06・6451・7272(事務所) ※レストランは11:30~14:00 、17:00~22:00、木曜休
まえだ・えま 1992 年、神奈川県生まれ。モデル、エッセイスト、アーティストとして幅広く活動。インスタグラムや雑誌などで、将棋愛を発信中。
Semi Sircle collar¥12,000(Nesessaire TEL:03・5458・1791)
※『anan』2019年1月16日号より。写真・土佐麻理子 取材、文・ 神武春菜 野村紀沙枝 保手濱奈美
(by anan編集部)
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