「結婚したい」8割、でも「婚活中」3割 “ガチ勢”と“棚ぼた”の違い
今回の取材で目を引いたのが、結婚したいのに行動しない女性たち。日々充実していて、「自分らしく無理せず結婚できたらラッキー」と“棚ぼた”感覚が強め。それでも「いつかは結婚を」とこだわる理由には、世間体や親など第三者の目線があるよう。一方、「結婚=自分の幸せ」と捉える女性は、確実に結果を出すべく“ガチ”で婚活に励んでいる。ここでは、棚ぼた派とガチ勢の実態を深ボリ。実際の声や婚活のプロの見解を知ることは、自分の婚活意識を見直すきっかけになるはず。
25~35歳の独身女性300人に調査を実施!
Q:結婚したいですか?
YES 83%
NO 17%
Q:婚活してますか?
YES 32%
NO 68%
結婚を望む声が圧倒的なのに対し実際に婚活している女性は3割と、思考と行動にかなりのギャップが。
9つの事例を見てみましょう!
ケース1:計画的な最短婚活で“20代出産”を死守!
職場の女性はほぼ既婚。ここで社会的な信頼を得るには結婚が必須と認識。どうせなら体力のある20代で産み、子育て後に好きなことをしようと計画しています。ムダが嫌いなので、結婚向きじゃない相手は3か月で見切りをつけるのがモットー。現在は同期の彼と同棲中ですが、出産のタイミングから逆算して私から結婚を切り出しました。実は、別れた時のために次の候補も目星をつけてます。
ケース2:合コンはもう限界! 婚活アプリで新境地を狙う。
32 歳を迎えて合コンに限界を感じ、婚活アプリに移行! “お坊ちゃま”が好きで歴代の彼は由緒正しい家柄。今さらハードルを下げられなくて。私は受け身で、入り口が狭くて中に入ると長く付き合う“ツボ型”。条件がマッチする人を絶賛リサーチ中です。
ケース3:彼氏ができたって婚活行脚はまだ続く。
週1で婚活を続けて4年ぶりにできた彼氏は、収入が不安定な職業。条件が全てではないけれど、結婚するには不安。「いい教育を子供に与えるには、世帯年収は1000万円必要」と親から言われ続けてきたこともあり、なんとか彼の収入を上げる方法を考えています。と言いつつ、保険をかけるために出会いの場には積極的に参加。結果的に彼の良さを再確認しているので、罪悪感は特にありません。
ケース4:金額=結婚への意思。真剣な出会いは有料で探す。
30 歳前後の結婚ブームに焦りを感じ、32 歳で結婚相談所に入会。登録金は親が誕生日プレゼントとして出してくれました。そこで感じたのは、非効率的な合コンやバーは出会いの場に入らないということ。無料で探しているうちは、本気とはいえない気がします。
ケース5:結婚も悪くない、けど執着心がないんです。
結婚願望は一応ありますが、「婚活」は自分らしくないって思うんです。私は家庭環境の影響で、昔から自立心が超旺盛。社会的にも不況世代ゆえ、一生一人でも困らないように総合職を選びました。子供は欲しいって思うけど、今の職場は産休・育休の前例がないので結婚して母親になるっていう具体的なイメージがわかなくて。それも「婚活」しない理由の一つになっているのかも。
ケース6:2020年までには結婚したい。でもコミュ障で婚活は面倒。
彼氏いない歴5年ながら、婚活は年1程度。趣味のカフェ巡りが楽しいし、初対面の人と話すのもニガテ。何より、そういう場で無理して探すのは何か違う気が…。とはいえ、実家に帰省するたびに親の老いを感じ、花嫁姿を見せて親孝行したいと思う気持ちは強くなる一方。世の中的にも生涯未婚は風当たりが強そうなので、即離婚でもいいから30歳を迎える2020年までに嫁ぐのが目標です。最近、元彼と再会し、復縁に向けて試験期間中。ダメだったら婚活の頻度を上げなきゃいけないのかな…。
ケース7:恋人あり! でも“棚ぼた”女子な理由。
結婚願望が強かった私と自由人な彼。結婚したいアピールをしても、かわされちゃう。そんな中、体調不良で彼が仕事を辞めてしまい、私が働いて彼が主夫になるスタイルをとることに。職場で未婚なのは私1人だし、親も安心させたいからこれを機に結婚して扶養家族にならないかって提案しているのですが、今現在、回答なし。結局、結婚<彼が好き、なんですよね。今、交際12年目です。
ケース8:合コン乱れ打ち期を経て恋愛・結婚こじれモードに突入。
28歳の時、結婚ラッシュに焦りを感じ、週7で合コン。連戦連敗でダメージをくらい続けるもついに恋人が! しかし彼の海外赴任が決定。友人は「結婚のチャンス」と言うけれど「私となんて結婚したいはずがない」と一方的に別れを宣言(友人たちからは非難殺到でしたが…)。会社はいまだに男社会で独身の女性役職者は超少数派、という時代錯誤な環境。だから結婚はしたい。でも今さら合コンに行く気も起こらないし、紹介は後が面倒。32歳で恋愛の成功体験0、本当は自信ないんです…。
自分を見極めることで婚活のあり方も明確に。
婚活に前のめりなガチ派と、行動しない棚ぼた派。ともに結婚を希望しながらも、行動が二極化する背景とは? 婚活アドバイザーの水野真由美さんは、「趣味の多様化やSNSの普及で孤独感が緩和され、パートナーの存在が必須だと感じない女性が増えています。一方で、社会に対する不安や未婚率の高さを理由に早期から婚活を始めるパターンも」と分析。
ガチ派のケース1のように計画的に行動することで、出産後の社会復帰が早くなるというメリットも。そのため、キャリア志向の女性の間では早期結婚希望者が増加中なのだそう。
「ケース2は自身を“ツボ型”と称していますが、婚活はむしろ間口を広げることが重要。受け身の姿勢にとどまらず自分からもアプローチをすると結果もすぐわかるので、ハードルの下げどころが見えてくるはず。ケース3や4は婚活に対して非常に前向きではあるものの、行き当たりばったりで自分の中で本当に納得がいく結論が出せない状況ですね。まずは自分がどう生きたいのかを明確にした上で相手に求める条件を絞っていかないと、30代の婚活は迷走化する恐れが」
棚ぼた派には、「棚ぼた的な出会いで結婚する確率は、結婚全体の4%程度にすぎません」とクギを刺す水野さん。
「ケース6や8は、複雑なコミュニケーションや恋愛の煩わしい面を避けたいように見受けられます。結婚するしないにかかわらず、人と繋がる力は孤独では生きづらい老後に向けてますます必要になります。その点を踏まえ、婚活の必要性を再検討してみては。とはいえ、人生のあり方は人それぞれ。強い意志や覚悟さえあれば、ケース5や7のような自分らしい生活を追求することも、選択肢のひとつだと思います」
水野真由美さん 婚活アドバイザー。ラブライフバランス研究所代表。個性を引き出し婚活に活かすカウンセリングを2000人以上に実施。お見合い支援や講演も行う。https://loveba.jp/
※『anan』2019年1月2・9日号より。イラスト・死後くん 取材、文・真島絵麻里
(by anan編集部)