未来が見えない時代を生きる現代女性たちの新たなバイブル。
「<未中年>は、何年も前からラジオでは使っていました。40代になっていきなり中年になれるかというとそうではなく。脱皮までの成長痛みたいなものがあるんだなと思ったところから生まれた言葉です」と原作のジェーン・スーさん。
主人公の片山亜弥は、編プロに勤める40歳、既婚。ローン支払い中だが自分たち夫婦のマンションもあり、端から見れば十分幸せ。だが、亜弥の心にはむしろ砂を噛んでいるような味気なさが巣食っている。
「世間では40過ぎると人生が楽になると言われていて、自意識などの部分ではずいぶんと決着がつくようになりますが、その一方で、肉体は衰えるのに、社会や家庭での役割や、仕事では現場プラス管理職の責任がのしかかってきて、40代はとにかく忙しい。上の世代が教えてくれなかったので、私が代わりに声を大にして言いますが(笑)、そんな女性のてんやわんやの状況を詰めました」
も若い方が価値があるとされがちな社会では、その価値観に屈してしまうと自己肯定力は下がる一方です。周りからちやほやされない年齢ならばなお、自分を信じて奮い立たせていかなきゃいけない。自分を大切にしてあげることもそうだし、人や自分を信じることもそう。自分や他者を信用しない人は他者からも信用されないですから」
亜弥がそうした気づきを少しずつ得ていくさまに、読んでいるこちらも励まされること間違いなし。
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