汗臭、吹き出物、むくみスッキリ!…「老廃物を流す」簡単な方法 #67

文・大久保愛 — 2020.7.29
蒸し暑く、どんよりとした天気が続いています。汗が臭ったり、体のむくみや吹き出物が気になりませんか。漢方薬剤師の大久保愛先生によると、これらは体に老廃物が溜まっている合図なのだそう。そこで、大久保愛先生が簡単にデトックスできる方法を教えてくれます!

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 67

体に老廃物をためこんではいませんか?

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折り畳み傘が手放せない日が続きますね。ジメジメした気候は、じわじわと地味なダメージを与えてきます。朝から胃が重たく食欲がなかったり、膨満感を感じたり、むくみがいつもよりひどかったり、吹き出物ができたり、汗が臭かったり、太りやすくなったり…と、強くデトックスの必要性を感じそうです。

だからといって、食事制限をしてダイエットをしたり、ファスティングをして胃腸を休ませ栄養摂取を制限して過ごすことは、これから先の夏バテを加速させ不調を増やしてしまうかもしれません。そこで、今週は梅雨に弱りやすい、消化の働きをサポートしながら、体にたまる老廃物の排泄を促し体を内側からキレイにする食薬習慣を紹介します。

自然の変化が体調に影響している

漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 1か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

今週は、体を内側からキレイにする食薬習慣

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例年より外出する機会は減っているものの、外に出ていたタイミングでちょっと速足をして止まると汗がどばっと出ますよね。洋服に染みついた汗は、いつの間にか悪臭を放ち周囲を困らせるものになっているかもしれません。運動の習慣がある人の汗は爽やかですが、梅雨空の中うつうつと過ごしていた人の汗はちょっと違いますよね。

今、汗のニオイやむくみや吹き出物などで体の中に毒素がたまっているように感じる人。これを漢方では『湿熱』がたまっている状態と考えますが、いつまでもためこみ続けていてはいけません。汗が増えて皮脂分泌の増える本格的な夏に向けて体の内側から整えていきましょう。このままでは、夏になるにつれて悩みは増していくばかりです。

そこで、今週は夏本番直前に梅雨で弱った胃腸を整え、体を内側からキレイにしていく食薬習慣を紹介します。今週食べると良いのは、【モロヘイヤのお浸しショウガ醤油を添えて】です。

今週食べるとよい食材・メニュー:モロヘイヤのお浸しショウガ醤油を添えて

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古代エジプトの時代から、どんな病気でも治るという伝説を持つ栄養価の高いモロヘイヤと漢方薬でも使われる生姜を使って、胃腸の粘膜を強化しながら、老廃物の排泄を促し夏を目前に体の中からキレイになりましょう。

食べるとよい食材:モロヘイヤ

モロヘイヤには、『湿熱』を排泄する働きがあります。まず、モロヘイヤといえばネバネバしていますが、このネバネバが梅雨に弱りやすい胃腸の粘膜を強化して消化を助けてくれます。そして、抗酸化作用のあるβカロテン、ビタミンC、ビタミンEも多く含んでいます。βカロテンは脂溶性なので、アマニオイルかオリーブオイルなどと一緒に摂ると、より効果的です。また、食べきれない時にはサッとゆでて冷凍保存しておくと便利です。

食べるとよい食材:生姜

『湿熱』を取り除くには、生の生姜がおすすめです。生の生姜には、ジンゲロールという成分が含まれていて消化の働きを助けたり、体にこもった熱を取り除き体温調節したり、夏風邪や吹き出物を抑える殺菌作用や抗炎症作用などがあります。また、生姜を温めて食べると体を芯から温めるショウガオールという成分が増えます。状況に応じて調理方法を選びましょう。

おすすめの食べ方は、モロヘイヤのお浸しを作り、鰹節と刻んだ梅干しと生姜醤油で和えて食べる方法です。ニオイや吹き出物やむくみなどは、見た目に良くないものばかりです。ですが、これは体からの合図だと考え、運動や睡眠、入浴などの習慣と合わせて食事の習慣も一緒に見直してみましょうね。

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大久保 愛 先生
アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。
昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。

https://aika-inc.co.jp/

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著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
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