生理がある限り、月経困難症になったり、そこから婦人科系の疾患につながることも。年齢が上がるほどリスクも高まるので、定期検診は絶対に受けておきたいもの。20代から先の女性の人生でよく耳にする5つの検診について解説します。
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【検診】年齢に合わせて体のチェックを忘れずに

情報が溢れる現代、婦人科検診に関する情報もありすぎて、正直、何を受けていいのかわからない!
「なにか病気や症状がないことが前提ですが、まずは自分が住んでいる自治体が行う“基本的な定期検診”を受けましょう。ほとんどの自治体の場合、20歳以上は〈子宮頸がん検診〉、40歳を越えると〈乳がん検診〉を無料で実施してくれます。地域によっては〈HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染検査〉も一緒に受けられたりも。もし付いていなければ、追加したいのがエコー検査。子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣腫瘍は、内診では小さいものは見逃されますが、エコーでみると初期でも発見できる。生理が重い人は病気のリスクも高いので、自治体の検査に含まれていなければ、婦人科で定期的に受けてください」(産婦人科専門医・内田美穂先生)
子宮頸がん検診
20歳を越えたら、定期検診を忘れずに。
20歳以上の女性が定期的に受けることが推奨されている検診。検査の方法は、問診と、子宮の入り口部分の子宮頸部の細胞を専用ブラシで採取して、顕微鏡で調べる細胞診を行います。検診結果は1か月以内に受け取ることができ、“要精密検査”になった場合は、より詳しい検査を行います。子宮頸がんは自覚症状がほとんどなく、気づかぬうちに進行していることも多い。検診を通し、早期発見・早期治療をすることが大切です。
子宮・卵巣のエコー(超音波)検査
子宮筋腫や卵巣の異常はこれで早期に発見しましょう。
卵巣腫瘍や子宮筋腫、子宮内膜症といった疾患は、膣に指を入れて行う内診では、腫瘍がよほど大きくならないと発見できないそう。そうなる前に見つけるには、定期的なエコー(超音波)検査が一番。子宮や卵巣の状態を画像で見ながら、筋腫や内膜の異常がないか、卵巣に腫瘍がないかを確認。基本は膣内にプローブ(エコーを送り反射を捉える装置)を挿入し確認するか、お腹の上からプローブで内部をみる方法の2種類が。
HPV検査
ありふれたウイルスですが、まれにがん化もあるので検査を。
HPVとは「ヒトパピローマウイルス」のことで、子宮頸がんなどの原因となるウイルス。子宮頸部の細胞を採取し、感染の有無を調べるので、自治体によっては子宮頸がん検診と同時に行うところも。ただこのウイルスはとてもありふれたもので感染自体は珍しくなく、ほとんどは自然と体外に排出されます。がん化する高リスク型はその一部。ただ高リスク型の感染を放置するのは危険なので、子宮頸がん検診時に受けるとよい。
乳がん検診
基本は40歳を越えてから。2年に一度、マンモでチェック。
30歳後半から60代前半にかけて発症のピークを迎える乳がん。多くの自治体では、40歳以上の女性に2年に一度乳がん検診を実施しています。検査の方法は、問診とマンモグラフィー。ただ初潮年齢が早まっていたり、出産経験がない女性が増えていることもあり、20~30代で発症することも。定期検診は40歳以降ですが、それ以前にも検診を受けたり、お風呂に入ったときに自分の乳房を触り、しこりがないかチェックしてみて。
子宮体がん検診
若いうちは基本的には不要。不安な症状があったら婦人科へ。
子宮体がんとは、子宮の奥側にある“子宮体部”の内膜にできるがんのこと。20代から発症が確認できる子宮頸がんに比べると、こちらは40代以降に徐々に増加し、50~60代に発症のピークを迎えるといわれる病気なので、20~30代の無症状の女性は検診不要。ちなみに検査法は、子宮の中に直接器具を挿入して細胞を採取するので、なかなか痛いという噂…。でも若い世代で不正性器出血がある場合は、婦人科で相談を。
お話を伺った方
Profile
産婦人科専門医・内田美穂先生
うちだ・みほ 医師含めすべてのスタッフが女性という「フィデスレディースクリニック田町」院長。大学病院などを経て現職。事前の費用開示など、丁寧な診察には信頼が。
anan2458号(2025年8月6日発売)より
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MAGAZINE マガジン

No.2458掲載
愛とSEX
2025年08月06日発売
平成景気のさなかの 1989 年。「女性ファッション誌」として、当時の女性の目線での SEX を特集。そのセンセーショナルな内容は、表紙を飾った金子國義さんのファッショナブルなイラストレーションと共に圧倒的支持を得ました。メンタル、フィジカル、メディカル、さまざまな視点から、愛と SEX をテーマに、時代の気分や社会状況なども反映させて特集してきました。現在も年間 50 冊以上の特集を刊行するanan の中で、一年を通じて最大部数を誇る名物企画。毎年、表紙とグラビアにご登場いただく方は、社会現象ともいうべき話題に。愛のある幸せな「SEX」を、年に 1 度、特集し続けています。