読者&ファンの皆さんから質問!
ananのSNSで募集した質問に小島監督が回答します!
Q. コジプロが求めている人材とは?
A. 僕よりできる人。僕ができないことをできる人。
これはもう簡単ですよ、僕よりできる人です(即答)。この人すごいな! と思えるような人が来たら、“僕プラスその人”になり、一緒に高いところへ上がっていくことができるじゃないですか。基本的に、僕ができないことをできる人が好きで、ハリウッドの現場じゃないですが、衝突をしながらも憧れる…みたいな関係を望んでいます。それであれば、会社に来ないとか、遅刻が多いとかも全く怒りません。人間じゃなくても、半分怪獣でもいいです。
Q. 私は好きなことでもすぐ飽きてしまうのですが、小島監督の飽きない工夫があれば教えてください。
A. 飽きてしまうということは、本当に好きなことではないのかも?
まだ本当に好きなことに出合っていないのかな。僕は子どもの頃から飽き性だから、ゲームに出合えてラッキーな人生ですね。あの世に行ってからもゲームを作って、死者を楽しませられたらいいなと思っています。じゃんけんのような、片手だけでできる遊びを考えたいです。
Q. 小島作品に登場する女性は魅力的な人が多いですが、どんな女性に魅力を感じますか?
A. クレバーな人が好きです。
科学者とか、何かを研究している人が好きです。これで答えになっていますか…?(笑)
Q. 毎日これだけは欠かせないということはありますか?
A. SNS。朝起きてから寝るまでやってます。
毎日、「おはようございます。」とつぶやき、聴く曲を決めて写真を撮る。やっぱり違うなと思ったら、また10分くらいかかるので大変です(笑)。基本、僕は同じことをする人で、同じ喫茶店の同じ席に座ります。見方を変えると見え方も変わり、同じことをしていても人生は楽しいです。
Q. もし今10代だったならば、何をしたと思いますか?
A. 学校に行きたい。
勉強をしたいわけではないですが、キャンパスでいろいろなものを背負わされていない若者たちと遊びたい(笑)。
Q. 監督にとって、ゲームクリエイターとして一番大事なマインドとは?
A. 自分が納得するものを作ること。
というか、納得できないものは出せないので。そもそも、評価は時代により変わるもの。絵画は画家が亡くなってから100年後、200年後に評価されることがありますが、映画やゲームにおいても、作者が亡くなった後も作品はモノとして残り語り継がれていくわけです。自分が納得できるモノを作った後、何世紀か後に宇宙人が来て「最高じゃないか」と言われるかもしれませんから。“何かを残せる”というのはそういうことだと思っています。
Q. もし過去の人生の何かを変えられるとしたら、変えたいことはありますか?
A. ないです。
小さい後悔や分岐、みたいなものはありますけど、毎日、好きなBlu‐rayをポチれる人生なので、いいのかなと。
Q. 著書で孤独で闘っていたと拝読しました。孤独に打ち勝つためにできることはありますか?
A. 孤独な人を見つけること。
孤独な人はいっぱいいて、『DEATH STRANDING』でも、みんな孤独に配達をしているけれど一人じゃない、という繋がりを描きました。自分だけじゃないということがわかればいいな、と。そう、子どもの頃、“もしかして自分は病気なんじゃないか”と思うくらい孤独を感じていたのですが、映画『タクシードライバー』でアメリカ人が孤独を感じてテレビを蹴っている姿を見て。え、自分だけじゃないんだ! とすごく驚いたことを覚えています。
Q. 小島監督の人生のゴールとは?
A. ゴールはない。ループです。
ゴールを決めたらダメですよ。と言いつつ、ゴールが見えてきているのは感じているんですけど(笑)。マラソンの折り返し地点は確実に過ぎていますが、折り返すことは子どもに向かっていくことであり、僕はそれが嫌で。新しい風景を見たいので、後戻りをしないようにと思っています。
Q. 一番遊んだゲームはなんですか?
A. 『スーパーマリオブラザーズ』
ファミコンのやつです。授業をサボって遊んでいました(笑)。『ゼビウス』もやっていましたね。
こじま・ひでお 1963年生まれ、東京都出身。ゲームクリエイター、コジマプロダクション代表。主な作品にステルスゲームと呼ばれるジャンルを確立した『メタルギア』や『DEATH STRANDING』など。新作『DEATH STRANDING 2:ON THE BEACH』『OD』も控える。
※『anan』2024年10月23日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・井田正明 ヘア&メイク・青木理恵 取材、文・重信 綾
(by anan編集部)