意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「暗号資産の今」です。
世界的に市場拡大。セキュリティには今後の課題も
暗号資産の取引市場はここ数年で倍増しています。日本暗号資産ビジネス協会の昨年の資料によると、ビットコインの1日の取引量は2023年に約56兆円だったのが、翌年は約107兆円、2025年には約123兆円にまで伸びました。他にもイーサリアムなど、さまざまな暗号資産が流通しており、上位10銘柄の時価総額は2023年に131兆7333億円だったのが2025年には407兆9135億円と、ものすごい勢いで拡大しています。
暗号資産はインターネットと親和性が高く、モバイルを使って数百円単位から投資を始められる手軽さから、デジタルネイティブ世代が多く参入。日本国内の口座数は2025年1月末で1213万、利用者預かり資産は5兆円を超えています。2020年は324万口座だったので、約4倍に。利用者の約45%は20〜30代の若年層です。
また、暗号資産はNFT化したり、企業や団体が独自のトークンを発行し、応援者に買ってもらうことで、資金を集めて更なる活動に回すというファンエコノミーにも応用できます。それを悪用したケースが高市早苗首相の名前を冠した「サナエトークン」です。暗号資産関係は、きちんとした市場形成やルール作りが十分になされていないので、国内では不祥事やトラブルがニュースになりがちですが、世界的に見れば市場は広がっているんですね。
そんな中、イーロン・マスク氏が、量子コンピューターの計算技術が進んで、ビットコインの運用を支えるブロックチェーンの暗号が解読される可能性があり、2029年がタイムリミットではと警告し、話題に。グーグルの量子研究部門が、暗号資産の基盤技術を解読するのに必要な計算資源が従来推定の約20分の1で済むという研究結果を受けての発言でした。イーサリアム財団は、量子コンピューターへの対応を最優先課題にし、2029年までにセキュリティのアップグレードを完了させる目標を公表しています。
暗号資産の盗難には北朝鮮が関わっていることがわかっています。投資金が第三国の兵器開発や、制裁を受けている国々の財政に使われてしまうというのも問題視されています。
五月女ケイ子解読員から一言

暗号資産。私にとってはまだまだ不思議な世界なのに、量子コンピューターに追われている話まで出てくると、SF映画の中の話みたいで想像力が止まりません。イラスト料が暗号資産で支払われるようになったりすれば、意識も変わるかもしれません。
解説員
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堀 潤
ほり・じゅん ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『堀潤 Live Junction』(TOKYO MX月~金曜20:00~21:00)が放送中。著書『災害とデマ』(集英社)が発売中。
解読員
Profile
五月女ケイ子
そおとめ・けいこ イラストレーター。楽しいグッズが買える、五月女百貨店が好評。細川徹との共著、ゆるくておバカな昔ばなし『桃太郎、エステへ行く』(東京ニュース通信社)が発売中。
anan 2498号(2026年6月3日発売)より






















