電話 編
出る時は明るい応対を、かける時は配慮を。
基本原則1. 電話応対は会社のことを知るチャンス!
会社の顔として電話応対するので、いつでも会社の代表として出る意識を。「電話に出ると、働いている会社がどのような顧客を抱えているか、社内の人がどんな仕事をしているのかが分かり、社内の事情をよく知れます。また、電話に出るのが苦手な人も多いので、率先して出るようにすると、社内での評価もグッと上がります」(ライフスタイリスト・北條久美子さん)
基本原則2. 明るく元気な声のトーンで好印象を狙おう。
電話は相手の顔が見えないので、声だけが頼り。「電話応対時の体勢や表情が、声や言い回しに影響するので、明るく元気に気持ちのよい応対を心がけて。電話での声は実際より低く聞こえるため、いつもより高い声で話すのがベター」。周りの話し声や雑音が筒抜けになっている場合もあるので、かける場合は静かな環境を選ぶことも大切。
基本原則3. 用件を聞き漏らさないようにメモ必須。
どこの会社から、誰宛てで、どんな用件の電話なのかを把握するために、メモは必ず用意すること。「相手の電話番号やメールアドレスを聞く機会も多くあります。電話に出る際は利き手とは逆の手で受話器を持ち、すぐにメモできるように準備しておきましょう。聞き間違いを防ぐために、相手が話した内容を復唱するのも有効です」
マナーの迷いにアンサー! Q&A
Q. 新社会人ですが電話が苦手。それでも電話は必要ですか?
A. リアルタイムで相手の状況を知りたい時は電話が一番。相手がメールを見ていなかったり見落としている可能性があるため、そんな時はメールで何度も連絡するより、「メールをお送りしたのでご確認いただけますか? 実は何時までにお返事いただきたく」と、電話で一度確認するのがベター。
Q. 言った・言わないのやりとりになるのが怖いです…。
A. 電話の後に、そのやりとりをまとめたメールを送っておくのがおすすめです。「先ほどの電話の件ですが、この内容で間違いないでしょうか?」など、シンプルな文面でよいので、送っておけば齟齬が生じず、トラブルを未然に防ぐことができます。
Q. 固定電話と携帯電話(社用電話)、どう使い分けるべき?
A. 初めて電話する場合やあまり面識のない相手ならば、固定電話にかけて、外出中など繋がらなかった場合に携帯電話にかけるのが基本。ただし相手が営業職などで外出が多く、携帯電話の番号を教えてもらっていたり、メールの署名に書いてあれば、最初から携帯電話にかけてOKです。社外の人から社内の人の携帯電話の番号を聞かれた際、勝手に教えるのはご法度なので注意。
Q. ランチ時や終業時刻後の電話は避けた方がいい?
A. 一般的にランチタイムにあたる12~13時ちょっと過ぎの時間帯は避けるべき。また終業時刻後は、緊急時以外はメールにして、返信をいただくようお願いするのがベター。こちら側がしっかり配慮すれば、相手側に気持ちよく仕事ができる人だと認識されて、今後のやりとりがしやすくなるでしょう。
Q. 何度電話しても外出中…。折り返しをもらうのは失礼?
A. これは緊急度と重要度によりますが、こちらから初めて電話した場合以外は、折り返し電話をお願いしても失礼にはあたりません。取り次ぎの方に自分の電話番号と、期限があるならいつまでに折り返しやメールでの返事をいただきたいかを伝えましょう。携帯電話なら留守電に折り返しをいただきたい旨を吹き込むのもありです。
Q. かけた相手が不在だった場合、そのまま切ってOK?
A. 不在着信だけが残っていると「どんな用件だったんだろう?」と相手が気にしてしまう可能性が。留守電かショートメッセージで「○○です。~の件でお電話しました。またご連絡します」と残すと好印象です。
北條久美子さん ライフスタイリスト。エイベックスグループホールディングスの人事部を経て、キャリアカウンセラーを取得し独立。年間約2500人にセミナーを行う。新著に『ビジネスマナーの解剖図鑑 第2版』(エクスナレッジ)。
※『anan』2024年4月24日号より。マンガ・日向山葵 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)