2022年に起きた変化といえば、コロナ禍での行動規制がようやくなくなり、外国人観光客の受け入れが再開。街に活気が戻ってきたと感じている人も少なくないはず。その流れから見えてくる、2023年の消費動向とは?
「まずは対面でのイベントがさらに増えると予想されます。また、超高層複合施設やエンタメ施設が続々オープン予定。人出が多くなり、目に見える形で賑わいを感じるようになるのではないでしょうか」(マーケッター・牛窪恵さん)
外出先は、円安の影響もあり、海外よりも国内が活況の様相。
「NHKの大河ドラマの舞台になる場所は、毎回注目度が高まる傾向にありますが、2023年は松本潤さん主演の『どうする家康』で、静岡県が舞台の一つです。静岡はもともと富士山があることから国内外の観光客に人気のエリア。さらに静岡市には【1】『どうする家康 静岡 大河ドラマ館』が新たにオープンするなど、周辺観光の整備も進んでいるため、旅行先候補の上位にあがってくるかもしれませんね」(牛窪さん)
都内にも、ニューオープンのお出かけスポットが目白押し!
「3月には『東京ミッドタウン八重洲』(2022年9月から一部先行オープン)が、4月には【2】『東急歌舞伎町タワー』が開業予定。これら超高層複合施設の特徴は、インバウンドだけでなく、多様な人に長く継続的に通ってもらえるようなテナントを入れていること。例えば『東京ミッドタウン八重洲』には、ラグジュアリーな『ブルガリ ホテル 東京』が入る一方、立ち食い寿司店や焼き鳥を扱う店など庶民的な飲食店も出店。さらに、公立の小学校も併設されているところが革新的です。また、『東急歌舞伎町タワー』には、ラグジュアリーなホテルをはじめ、映画館や劇場、ライブホールなどが入ります。こうした超高層複合施設のほかにも、夏には、としまえん跡地に【3】『ワーナー ブラザース スタジオツアー東京‐メイキング・オブ・ハリー・ポッター』が開業予定です」(牛窪さん)
コロナ禍で進化したリモートから、レジャーは対面に揺り戻し!? と思いきや、メタバース空間でのイベントも、ますます本格化しそうな兆しがあるとのこと。
「サンリオは1月に【4】『SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland』を開催。バーチャルサンリオピューロランド内に、アーティストやサンリオキャラクターが出演する音楽フェスになるようです。また、2~3月には【5】『東京マラソンバーチャルEXPO 2023』が開催。出展ブースの見学や、アトラクション体験などができるとのこと。ほかにも、百貨店とアーティストのバーチャルコラボイベントなど、リアルとメタバース両方での盛り上がりが期待できます」(牛窪さん)
【1】どうする家康 静岡 大河ドラマ館
静岡市の静岡浅間神社内に1月27日オープン。館内には、大河ドラマ『どうする家康』の衣装や小道具のほか、静岡市ならではの展示が楽しめる。静岡県静岡市葵区宮ケ崎町102 TEL:054・297・5111 9:00~18:00(最終入館17:30) 無休
【2】東急歌舞伎町タワー
地上48階、地下5階の超高層複合施設で、4月14日に開業予定。上層階にはグレードの異なる2つのホテルを擁し、映画館や劇場、ライブホール、アミューズメント施設などが集う。エントランス前にはイベントが行える広場も。東京都新宿区歌舞伎町1‐29‐1 ©東急株式会社、株式会社東急レクリエーション
【3】ワーナー ブラザース スタジオツアー東京‐メイキング・オブ・ハリー・ポッター
映画『ハリー・ポッター』や『ファンタスティック・ビースト』シリーズの製作の裏側が体験できるエンターテインメント施設で、2023年夏にオープン。映画に登場する大広間や、ホグワーツ特急が当時と同じクリエイターの手で制作されている。東京都豊島区向山3
‘Wizarding World’ and all related names, characters and indicia are trademarks of and ©Warner Bros. Entertainment Inc. ‐Wizarding World publishing rights ©J.K. Rowling.
【4】SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland
自分のアバターで参加できる、バーチャルサンリオピューロランド内の音楽イベント。出演アーティストは鈴木愛理やSKY-HIなど。開催期間は1月13~22日(音楽ライブは1月21、22日)。「VRChat」または「SPWN」にて有料配信。https://v-fes.sanrio.co.jp/ ©'22 SANRIO ©'22 SANRIO S/F・G 著作(株)サンリオ
【5】東京マラソンバーチャルEXPO 2023
仮想空間アプリ「REV WORLDS」の「東京マラソンEXPO会場駅」内で2月17日~3月17日に開催。出展ブースにある一部商品を実際に購入できるほか、本番のイメージトレーニング用にミニチュアランニングコースを走るなどさまざまな体験ができる。入場無料。©東京マラソン財団
牛窪 恵さん マーケッター、世代・トレンド評論家。トレンド、マーケティング関連の著書を多数執筆。NHK総合『サタデーウオッチ9』など、テレビのコメンテーターとしても活躍中。
※『anan』2022年12月28日‐2023年1月4日合併号より。イラスト・中島ミドリ 取材、文・保手濱奈美
(by anan編集部)