【女の友情意識調査】友達になりたい1位は…“食や酒の好みが一緒”の人?

ライフスタイル
2021.07.17
ゆるっと繋がりつつ、困ったときには支え合う。そんな女ともだち、何人いますか? 仕事、結婚、出産…それぞれの道を歩むうちに距離もできがち。今からでも、増やせるもの? 改めて、女の友情について、考えます。テキストレーター・はらだ有彩さんにお聞きしました。

幸せであってほしいと願う、そう思う相手は“友達”です。

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本来人間関係とは、関わっている“個”と“個”のものであるべきだと思います。でもなぜか女同士の関係は、直接的に彼女たちに関わっていない“第三者”によって、色を付けられ、勝手に消費されるところがありました。例えば、確かにその女子二人はいがみ合っているかもしれないけれど、本来それは、「私」と「お前」という当事者だけが認識すればいいこと。他人が、“ほら、女の敵は女だ”とか、“ライフステージが変わると女の友情は終わる”とか、わざわざ踏み込んできて、外部から勝手に色付けしてくるという現実や、そもそもそれって失礼じゃない? ということに、気づきや違和感を持つ女性たちが少しずつ増えているような気がします。その結果、ここ5年くらいの間で、女ともだちの形は、かなり変わってきたのではないでしょうか。

女ともだちは、しょっちゅう会って、何でも話せて、つらいときにはすぐ駆けつけてくれる存在。そう、それも友達だし、一方で物理的に会えないけれどSNSで近況を確認し、「今こんなこと考えてるんだね」と相手の存在を感じる。それも友達。私は、以前は“会う”など物理的なコミュニケーションが持てる相手を友達と思っていましたが、コロナ禍になって以降は、“私が相手を思う気持ちがあれば、その相手は友達”という定義に変わりました。会いたいし、喋りたいけれど、それができないならば、遠くから彼女のSNSを見て、彼女を思い、「幸あれ」と気持ちを飛ばす。幸せでいてほしいなと願うだけの友情があっても、いいのではないかな、と思います。友達の形は1つじゃないし、自分にとって〈これ“も”友達〉と思える形がたくさん持てると、人生が豊かになる気がします。“幸あれ”の気持ちを持てる相手=友達と思ったら、すごく友達が増えました(笑)。

長い間私たちは、いわゆる“男女の番(つがい)”で戸籍を作り、家族を築き増やしていく、その選択肢しかないと思って生きてきました。でも少しずつ、“そうではない人生の過ごし方”が増えてきている気がします。友達と二人で住んだり、何人かで共同生活をしたり。実際、そんな生活を綴ったエッセイが、韓国や日本で続々出版されています。恋だろうが結婚だろうが友情だろうが、一緒にいて楽しい相手と一緒に暮らしたっていいじゃない、という軽やかさ。かつて女の友情は、結局長続きしないし、戻れないエモな青春の一コマにすぎない、だからこそ美しいと思われていました。でも〈最強の二人〉という友人関係がずっと続いていく、そんな選択肢があってもいいと、いろんな人が思い始めているんだと思います。“女性同士の関係は、エターナルじゃないよ”という世間からの色付けに対し、“もう私たちは、その価値観に合わせて生きていく必要はないのでは?”と思い、『女ともだち』というエッセイを書きました。相手のことを好きで、“幸せであってほしい”と思うなら、その人はあなたにとって友達だと思います。

大人の女の友情意識調査。

人付き合いが大きく変わったこの一年。いま女性たちの“友達事情”はどうなってる? 20~40代女性に意見を聞いてみました!
◎2021年6月、20~40代女性120人が回答。

Q. ここ一年で女ともだちが…

変わらない…68%、増えた…15%、減った…9%、関係が途切れていた人と復活…8%

Q. どういう縁の友達と離れましたか?
かつての同級生…42%、飲み会で知り合った…34%、地元の友人…8%、会社…8%、その他…8%

同級生との友情は脆い…。また、飲み会での出会いも同様。
数は少なかったけれど、“減った”と回答した人に聞いてみると、学生時代の友達と疎遠になった人が多かった模様。同じ場所と時間を共有していた、という共通項しかないと、なかなか友情は続きづらいものなのか? となると会社友人との繋がりも危うい…?

Q. コロナ禍前後で、女ともだちとの関係性は変わりましたか?

YES…57%、NO…43%

どう変わったか聞いてみると…。
「気軽に会えない中で、それでも連絡したい、会いたいと思う友達が厳選された気がする」(27歳・ネイリスト)。「あまり乗り気がしないのに会っていた友達と会わなくて済むようになり、プレッシャーから解放され、幸せ!」(31歳・通信)。「昔より、LINEやインスタのDMでの近況報告が増えた気がする。仲良しの人とはより密に」(30歳・デザイナー)。「上辺だけの友達が減って、清々しいです」(29歳・金融)

半数以上が付き合い方に変化が起きていた。
変化があったと感じた人がやや優勢。前の質問で、「友達が減った」と答えた人はそれほど多くなかったので、人数の増減よりも、付き合いの内容や距離感に変化が起きたものと推測されます。起こった変化が、良い方向であることを願います…。

Q. 大人になってから女ともだちは作れると思いますか?

YES…91%、わからない…7%、NO…2%

9割の人がYESと回答! 友人関係はまだまだ広がる。
「大人になると友達がなかなかできない」というのは、都市伝説だったのかもしれません。おそらくみなさん、新しいいい出会いに恵まれ、素敵な女ともだちライフを送っているに違いない。「作れない…」と嘆く人、大丈夫です。これから素敵な出会いがきっとあります。

Q. 友達になりたいのは、どんな人?(複数回答)

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食や酒の好みが一緒…50人、特に理由はないけれど、何だか気が合う…47人、独身、子供がいるなど、生活環境が似ている…46人、スポーツ、ファッションなどの趣味が同じ…37人、同じ仕事をしている…33人、推しが同じ…32人、近くに住んでいる…31人、年齢が近い…25人、同じ学校に通っていた…10人、距離の取り方が近い…1人、共通の知り合いがいる…1人、誰とでも友達になれると思う…1人

美味しいものを共有できる。そんな人と友達になりたい!
“食や酒の好みが一緒”が1位! 美味しいものを一緒に食べる、その時間を共有できるというのは大きな要素の模様。今どきっぽいと思うのが、“推しが同じ”という要素。いわゆる“同担拒否”でなければ、むしろ同じ人を応援することで仲が深まるとは、平和!

はらだ・ありさ テキスト、イラストを手がけるテキストレーター。近著にエンタメ作品の中の女の友情を評した『女ともだち―ガール・ミーツ・ガールから始まる物語』(大和書房)が。

※『anan』2021年7月21日号より。イラスト・いとうひでみ

(by anan編集部)

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