意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「カマラ・ハリス米副大統領」です。

初の有色人種、女性副大統領の誕生。今後の活躍に期待。

Social

1月20日より、アメリカでは新大統領、ジョー・バイデン政権がスタート。副大統領に就任したのはカマラ・ハリスさんです。昨年11月の大統領選で、バイデンさんの勝利宣言にて「私が最初の女性の副大統領になるかもしれませんが、最後ではありません」とスピーチし、多くの女性たちを勇気づけました。副大統領の最大の職務は、任期中に大統領が死亡や辞任、免職した場合に昇格し、すべての大統領権限を担うこと。つまり、次期大統領になる可能性もあり、アメリカでは副大統領候補同士の討論会がテレビ放送されるほど、大事なポストなんです。

ハリスさんは黒人女性としては史上2人目の、南アジア系のアメリカ人としては初の上院議員。アフリカ系、南アジア系のアメリカ人としても、女性としても初めての副大統領になりました。父はジャマイカ人で経済学の研究者、母はインド人でガンの研究者です。二人は大学在学中に公民権運動に関する卒業研究を通じて知り合ったそうです。ハリスさんは小さいころから、妹とともに人種差別の抗議デモに参加しており、筋金入りのダイバーシティ論者なんですね。7歳のときに両親は離婚しますが、母は黒人女性であることに誇りを持つよう徹底的に伝えました。

カリフォルニア大学卒業後は検事として活躍。サンフランシスコの地方検事を2期務めました。任期中、有罪判決率が52%から67%に上がるという功績を残しています。主に性犯罪を中心に取り組んだそうです。

前回の大統領選で、ヒラリー・クリントンさんは“ガラスの天井”を破ることができませんでした。ヒラリーさんは白人で裕福なので、批判も受けやすかった。でも、ハリスさんは移民二世です。勝利宣言のスピーチでも19歳でインドからアメリカに渡った母のこと、また、これまであらゆる人種の公平と自由と正義のために戦い、犠牲を捧げてきた女性たちについて語りました。アメリカの分断を修復できるかどうかは、多様性の象徴のようなハリスさんが活躍できるかどうかにかかっています。自由主義を支えるのは多様性なのだということが証明できれば、アメリカの再生も見込めることでしょう。

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堀潤 ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が昨年公開された。

※『anan』2021年1月27日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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