心のこもった文章は、相手にも自然と伝わり、喜ばせるもの。背伸びをせず、自分らしい言葉で文章を綴り、さまざまな思いを届けましょう。「メッセージ上手」になるためコツをお届けします。
message

日々当たり前のように書いているメールでも、自分の気持ちをきちんと伝えたいと思うほど、身構えてしまいがち。まして、手書きの手紙となると、なおさら。とはいえ、その人らしさが垣間見える心のこもった文章は、より深く、魅力を伝えるもの。

「自分の思いを伝えるのはそもそも労力のいることですが、伝えなければコミュニケーションは始まりません。相手ときちんと向かい合うという意味でも、大人の女性としてためらわずにやっていきたいですね」(手紙文化振興協会代表理事・むらかみかずこ先生)

口頭ではなく、わざわざ文章にして伝えることのメリットは、頭の中を整理できること。

「たとえばお願いしていることに対して一向に返事が来なくて悶々としているとき、口頭で伝えようとすると、つい感情的になってしまったり、言葉が過剰になってしまいがちです。書いて言語化すると、悶々としている理由を冷静に整理できるので、遥かにスムーズに伝えられるのです。気持ちが相手にうまく伝わると、いい関係を築くことができ、その積み重ねが自信にもつながりますよ」

ポジティブなシーンもネガティブなシーンも、コツさえつかめば恐れることはありません!

この心を伝える6つのコツ

1、感謝を伝えるコツ

お礼を言われて、嫌な気持ちになる人はまずいないでしょう。

「『ありがとう』は相手だけでなく自分も幸せになる言葉です。なので何度使っても失礼になりませんが、その理由をプラスすると感謝の気持ちが際立って、さらに喜んでもらえると思います」

大げさな言い回しはかえって白けてしまうので、それよりも具体的な「ありがとう」を心がけて。

「感謝の気持ちは、間を置かずに伝えるのもポイントです。メールであれば、好意や親切を受けたその日か翌日に送りましょう」

ただしタイミングを逃したことを理由に、お礼をしないのは避けるべき。「本当はもっと早くお礼を言いたかったのですが」などと言葉を添えてフォローを。

2、謝るコツ

「お詫びというと反射的に怖いと思いがちですが、謝ること自体はネガティブな行為ではありません。むしろプラスに転じることもあるので、必要以上に恐れないことが心がまえとして大切です」

仕事でミスをしたときや、相手の怒りを買ってしまったようなとき、お詫びの文面で最も気をつけたいのは、潔さと誠実さ。

「申し訳ないという気持ちを素直に伝えることが、信頼につながります。ここで言い訳にも取れるようなことを少しでも書くと、かえって伝わらなくなってしまうので、謝るときは特に、短く、簡潔な文章を心がけましょう」

そして最後に、次につなげるような言葉を添えると、お互いに気持ちを切り替えることが。

3、お断りをするコツ

せっかくの依頼や提案を断るのは、心苦しいものです。スケジュールの都合などで物理的に難しく「どうしても断らざるを得ない」場合や、条件が見合わないので「できれば断りたい」場合などシチュエーションはさまざまですが、大切なのは次につながるような断り方をすること。

「本当は引き受けたいのに状況が許さない場合は、その気持ちを素直に伝えると相手も納得してくれるでしょう。『今月中は厳しいですが、来月なら大丈夫です』などと代替案を出すのも効果的です」

後者のように引き受ける意思がなくても、「無理です」「できません」と相手を拒絶するようなストレートな表現は、大人として配慮に欠けるので避けましょう。

4、感動を伝えるコツ

依頼していた仕事で素晴らしい成果をあげてもらったり、聞いたお話に感銘を受けたり…。感動の度合いが大きければ大きいほど、思いが先走って、適切な言葉が浮かばなかったりするもの。

「感動の場合は、基本的には感謝の表現と似ています。つまり、感動というのは、心が大きく刺激を受けて、動かされることですよね。その理由を具体的に言語化すると、リアルに伝わります」

自分の気持ちを的確に表現するには、感情を表す言葉のバリエーションが多いに越したことはありません。「嬉しい」にも、興奮で跳び上がるような気持ちや、じわじわとこみ上げてくる感覚など、いろんな種類があるので、臨場感のある表現をマスターして。

5、お願いごとをするコツ

仕事の依頼などで何かをお願いするときに使いたいのが、クッションになる言葉。「お手数をおかけしますが」「お忙しいところ恐れ入りますが」「ご面倒とは思いますが」などお決まりの言葉でも、あるかないかで読んだときの印象がガラリと変わります。

「さらに相手のモチベーションを高めて、快く応じてもらえるようにするには、『前回上手にやっていただいたので』や『○○さんは仕事が丁寧なので』というふうにさりげなく褒めつつ、なぜその人にお願いをしたいのか、具体的に理由を添えると効果的です」

いずれにしてもお願いごとをするときは、相手を尊重していることをアピールして。やる気をかき立てられるかどうかが鍵です。

6、気遣いを伝えるコツ

「自分のことを気にかけてくれている」と感じることができるのはしみじみと嬉しいものです。「お元気ですか」「お変わりありませんか」というシンプルな言葉でも、気持ちは十分に伝えることができます。一方で繊細な配慮が必要なのは、体調を崩している人や、何らかの理由で落ち込んでいるような人を励ますとき。

「相手の状況がどの程度深刻なのかわかりかねる場面も多いので、根掘り葉掘り問いたださず『よい一日になりますように』とか『気持ちよく朝を迎えられますように』などと幸せを願う言葉を軽やかに添えるのがスマートです」

読み手の気持ちがほんの少しでも楽になるようなフレーズを「あっさりと」入れるのがポイント。

むらかみかずこ 一般社団法人手紙文化振興協会代表理事。時代に合う手紙の書き方を提唱しながら、講師の育成も行う。著書に『「さらっと書いたのに心が伝わった!」という文章が作れる』(KADOKAWA)など。

※『anan』2019年5月29日号より。イラスト・micca 取材、文・兵藤育子

(by anan編集部)

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