
最近目にする“ドパガキ”とは、ドーパミン中毒の若者を表した造語。SNSやショート動画など、スマホからの楽しい誘惑は現代人にとって避けては通れないもの。ドーパミンと上手に付き合って、思考力を上げるには?
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教えてくれた方
Profile
益田裕介
精神科医。1984年生まれ、岡山県出身。2018年に早稲田メンタルクリニックを開業。'19年よりYouTubeチャンネルを開始し、精神医療やメンタルヘルスの解説を行う。
不安からの忌避願望がドーパミン中毒を生む要因に
何かと話題のドーパミン。そもそもどんな働きをするもの?
「ドーパミンは報酬系と呼ばれる脳内回路で使われる神経伝達物質。音楽や運動などの刺激を受けた時や目標の達成時に分泌され、“楽しい・やりたい”という意欲的な感覚を生み出します」(精神科医・益田裕介さん)
ショート動画などドーパミン分泌を促すコンテンツを求める理由は、脳の仕組みにあるそう。
「脳は複数の部署が同時に動いており、報酬系が活性化すると不安の回路である扁桃体の存在が少し小さくなる。日常の空虚感や心に占める不安を減らしたい人ほど刺激を求めるのです」
近年問題視される中毒化の背景には、刺激に常時アクセスできるスマホやSNSの登場が。
「刺激に慣れると、些細な幸せやじっくり学ぶ楽しさを感じなくなります。ジャンクフードの過剰摂取で健康上のリスクが増すように、過剰なドーパミンの脳への影響にも注意が必要に」
ドーパミン中毒が思考力を下げるワケ
Why?
刺激のあるものを優先することで生じるのが、脳のリソース問題。「ゲームやSNSで脳が疲弊すると、勉強をしようとする意欲すら湧かなくなってしまいます。また、本来脳はぼーっとしている時間に思考力を高めます。インプットした情報は何もしない時間に処理されるため、いったん寝かせる時間が必要に。そうやって処理した情報を再度取り出し、角度を変えながら考えることが成長に繋がるのです。ドーパミン中毒による行動はその時間を奪うことになり、結果的に思考力を下げることに」。さらに、思考パターンにも影響が。「SNSやショート動画に慣れてしまうと結論ありきな短絡的思考が定着し、じっくりと掘り下げることができなくなる恐れも」
⚠️ 絶え間なく刺激を与えられるのに大きな達成感がなく、脳が疲弊してしまう。
⚠️ 脳が情報処理をするための“余白の時間”がなくなってしまう。
⚠️ タイパ重視で即レスが基本! 習慣化すると、短絡的な思考回路に
これってドーパミン中毒、赤信号? ドパ子さんの一日
何をしていても刺激を求めてしまう、ドパ子さんの一日に密着! チェック項目に一つでも当てはまれば、あなたもドーパミン中毒かも!?

ドーパミン中毒から脱出するためのTIPS
1. 生涯を通して楽しめる勉強を始める

益田さんが推奨するのは、“セロトニン的な楽しみ”。「セロトニンは心の安定に寄与する神経伝達物質。長い人生にはほのぼのとした楽しみを味わうセロトニン的な趣味が大切に。料理や語学のように、知識や経験をじっくり積み上げていくものに取り組みましょう」
2. 坐禅でデジタルデトックス

何をしていてもついスマホに手が伸びる…という人にぜひ試してほしいのが坐禅。「目を閉じて深呼吸することで自分の内面に向き合うことができますし、自然とデジタルデトックスも可能に。時間は自由ですが、5分も続かない場合は中毒度がかなり深刻かも」
3. スマホを置いて、友人や家族と会話を

SNS やゲームに時間を費やし、目の前にいる人を疎かにしていることも多いもの。「大勢と交流する方が刺激は大きいけれど、それだけでは疲弊する部分も。大切な人と過ごす時間は後から思い出として返ってくるので、なんてことはない穏やかな時間を満喫して」
4. 自然の中でリズム運動をしよう

セロトニンの分泌促進に有効なのが、ダンスや縄跳びなどのリズム運動。まずはハードル低めなウォーキングから始めてみては。「イヤホンなしで自然の中を歩くことで、風や花の香りのようにじんわりとした心地よさを感じる五感センサーが磨かれていくはず」
上手に付き合えば、こんなメリットも
- 何事にも“楽しい”を作り出してくれる
- 脳の大事な“やる気スイッチ”に!
- 即決が必要な時には効果抜群!
問題視されがちなドーパミンも使い方次第で思考のサポート役に。
「ドーパミンは、いわば“やる気スイッチ”。英語の勉強も音楽に乗せて単語を覚えると頭に入りやすいですよね。そういった工夫で報酬系を活性化させ“楽しい”という感覚を味わいながら学習を徐々に深める方法はアリだと思います。火事場の馬鹿力的なものでもあるので、即決が必要な場面ではドーパミンが有効な時も」
anan 2515号(2026年10月14日発売)より





























