フランス人がこよなく愛する国民的おやつ、フラン(フラン・パティシエ)。カスタードクリームなどを焼いた昔ながらの素朴なおやつだけど、近頃にわかに盛り上がりをみせている。パリの気鋭パティシエがさまざまなフレーバーのフランを出しているのも気になるな。そう思っていたら、日本にフラン・パティシエ専門店がオープンした。
「パリ中で食べ歩いたフランをヒントに、試作を重ねました」。『レピドール』などの名店で研鑽を積んだパティシエール・本田珠美さんが行き着いたフランは、フォルムからもう斬新! 通常、タルトっぽい姿のものが多いけれど、筒型パイを器にいろんなフレーバーのクリームが焼き込まれ、細やかに折り重なる層がなんとも美しい。イチゴやチョコなど季節替わりの味もそそるけれど、まずは王道のバニラを。「卵は長崎の養鶏場からの直送。中でもバニラのフランにだけは濃密な“赤玉”を使います。バニラは種はもちろん鞘も粉砕して混ぜる。香りがグッと深まるんです」。口にすると「パリパリパリ!」。多層パイが奏でる音はもう極上のASMR。一方、中はプルとろで、食感コントラストが気持ちいい。卵とバニラの優しいコクと香りに、発酵バターの芳しさ、それから生地の香ばしさ……と、幸せな香りがどんどん膨らむ。フランス人も羨む、よそゆきなフランがここにある。
ゆっくり火を入れ、究極のパリとろ食感に。手前から時計回りに、「フラン・パティシエ」バニラ¥900、いちごと柚子¥1,100、チョコ¥1,000。バニラ以外は季節替わり。3月からは土・日・祝日数量限定でグルテンフリーフランも登場予定。フランス伝統の三角ラッピング“パケモンテ”で可愛く包まれ、常温で持ち運べるから、ちょっとした手土産にもぴったり。
PAQUET MONTE 東京都渋谷区代々木5‐38‐13 TEL:なし 10:00~19:00(売り切れ次第終了) 不定休(インスタグラム@paquetmonte_tokyoで確認を)
チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
※『anan』2024年2月28日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・chico
(by anan編集部)