城崎の潔さや懸命さが役づくりの礎になっています。
「失踪に関して、僕の身の回りでは聞いたことがなかったということもあり、稀なケースかと思っていましたが、日本で年間約8万件以上と知って、これは他人事ではないなと。そこにスポットを当てたオリジナルドラマということで、オファーをいただいた時はどんなドラマになるんだろうと期待が高まりました」
町田さん演じる城崎は、捜査一課の腕利きの刑事だったが、その職を辞してまで自ら「失踪人捜索班」を結成したのは、恵子の失踪事件の捜査が突如打ち切られたからだ。
「それまで積み上げてきたキャリアをなげうって、リスクを負ってまで自分の人生のすべてをかける。状況にもよると思いますが、何か一つのことに対して僕はそこまでできるのか…。でも、その潔さや懸命さには共感するところがあります。確証はなくても、全力を尽くしていれば何かが掴めるかもしれない。そんな気持ちで役者の仕事と向き合ってきたので、城崎と似ている部分もあるのかなと思いながら、キャラクターを膨らませていきました」
小泉孝太郎さん演じる刑事時代の相棒だった捜査一課のエース・笹塚晋平とは、辞職後も密かにバディを継続。その関係性も本作の見どころだが、小泉さんとは2度目の共演とのことで、早々に息ぴったりの様子。
「孝太郎さんって、とても安心感のある方なんですよね。優しくて紳士的で、そのうえ冗談を言ってくれたりもする。孝太郎さんが車を運転して、僕が助手席にいるというシーンがあったんですけど、思わず『孝太郎さんが運転席に座っていると安心します』と言ったら、『そう?』と漫画のような満面の笑みを僕に向けてくれて。窓を閉め切った車内なのに、爽やかな風を感じました(笑)」
関係性といえば、「失踪人捜索社」のメンバーもそれぞれ個性的。ITオタクの清水(菅生新樹さん)、お人好しな探偵の仲根(片桐仁さん)、現役議員秘書の羽鳥(光石研さん)、詐欺師一歩手前の間宮(武田玲奈さん)と城崎の5人。
「最初にチームの空気を作ってくださったのは、片桐さん。メンバーがいる部屋に片桐さん演じる仲根が駆け込んでくるというシーンで、入り口の珠のれんに引っかかって前に進めなくなるというハプニングがありまして(笑)。あえなくNGとなりましたが、そこから場が和み、とてもいい雰囲気で撮影が進んでいます」
劇中では恵子や、ほかの依頼人からの失踪人の捜索や、登場人物同士のケミストリーが動き出したばかり。
「今作はサスペンスであり、ミステリー要素もあり、バディものであり、ヒューマンドラマもあり…。いろんな視点から楽しめる作品です。片桐さんは面白いですし(笑)、まずは見ていただけたらと思います」
PROFILE プロフィール
町田啓太さん
まちだ・けいた 1990年7月4日生まれ、群馬県出身。近年の主な出演作に、大河ドラマ『光る君へ』など。出演するNetflixシリーズ『グラスハート』が7月、W主演を務めるNetflix映画『10DANCE』が12月に世界独占配信。
INFORMATION インフォメーション

『失踪人捜索班 消えた真実』
警視庁捜査一課の刑事・城崎達彦(町田)は、笹塚晋平(小泉)と共に検挙率No.1のバディとして活躍していた。しかし、ある日、最愛の妻・恵子(泉)が突然失踪し、事件に巻き込まれたと確信した城崎は、自らの手で恵子を捜し出すため警視庁を辞職。失踪案件専門の探偵社である「失踪人捜索社」を結成する。毎週金曜21:00~、テレ東系にて放送中。Ⓒテレビ東京
anan 2443号(2025年4月16日発売)より