篠塚大輝「グループの起爆剤として、大きな変化を起こしたい」

――最終審査で名前を呼ばれた時の気持ちを教えてください。
いろんな感情がありました。もちろん嬉しいんですけど、安堵もあったり。「よっしゃ頑張るぞ!」が一番正しい反応なんでしょうけど、これまで審査に通ってきた候補生で、ただ「よっしゃ!」となった人は、誰一人いないと思います。自分が呼ばれたことで、お世話になった人や仲のいい人が呼ばれなくなるかもしれない瞬間でもあるので。1人目でハッシー(橋本将生)が呼ばれた時は嬉しかったです。すごい人だから絶対選ばれると確信していましたけど。
――会場には候補生として一緒に切磋琢磨してきた方たちもいらっしゃってました。
(前田)大輔がいたので落ち着きました。すごい泣いちゃいましたけど。5次審査での(本多)大夢とハッシー、大輔との思い出は特別で。僕のダンスは大輔仕込みなので、大輔には集大成を見せたかった。本当にいろんな人に支えられてきましたし、その中に自分に想いを託してくれた候補生はたくさんいて、前日にも「おまえは行けるから、頑張ってくれ」という連絡をたくさんもらって。そういうメッセージを見て、最終審査では「篠塚、ここまで成長したんや」と思ってもらえるような、感謝を伝えるパフォーマンスをすることを意識しました。お客さんを前にしたパフォーマンスは初めてでしたけど、ここは応援コメントで自分を支えてくれた人たちへの恩返しだと思って、自分も楽しみながら、お客さんを楽しませようと思いました。
――メンバーに選ばれてからまだ数日ですが、気持ちの変化はありますか。
決まってから2~3時間後は不安が大きくなってきて。ダンスも歌も未経験だった人間が、どうこのグループに貢献できるのかという焦りもあったんです。でも、そんな僕をわざわざ入れて8人グループになることを決めたことに、3人の覚悟をすごく感じて。それこそ発表の時に、「しのを背負う」と言ってくださった。僕に実力以上の何かを感じて、何か大きな変化を起こそうとしてる。だからこそ、自惚れとかじゃなくて、自分がこのグループを今以上のステージに持っていく起爆剤になろうと思います。なので、少しも悩んでる暇はない。焦りはありますけど、プラスの焦りです。
――ダンスも歌も未経験からの挑戦は大変だったはずですが、今だから言える候補生との思い出はありますか。
ダンスの時にノートをつけているんですけど、4次審査の本番前日くらいにそれを稽古場に忘れたことがあって。届けてくれた(前田)大翔が、「君の努力は人を動かします」とノートに書いてくれていた。それを、審査本番前に気づいて、すごく嬉しくて。その言葉は今でも心の支えになっています。「しのはダンス下手だけど頑張ってるから、自分もちゃんと仕事する」みたいな視聴者の方からの声が多かったので、この言葉は僕のことを応援してくださる理由の一つにかかってるんじゃないかと。
――レッスンも大変でしたよね?
NOSUKE先生は僕たちのことを思って、鬼のように接してると思ってらっしゃるでしょうけど、全然優しさが勝っちゃってるんです。でも、未経験だからと甘やかすことなく、僕を信じてひたすら鍛えてくださったのが嬉しかったです。僕のダンスはまだまだですけど、NOSUKE先生のすべてを吸収したい。宮本(美季)先生も厳しい方ですけど、それ以上の優しさが出まくりで。基本のキを叩き込んでいただいて、本当に感謝しています。「泣くぐらい気持ちを入れろ。でも、一流のアーティストたちはその状態で号泣するんじゃなくて、しっかりパフォーマンスする」と宮本先生はおっしゃっていて。最終審査の「RUN」では、その言葉を自分なりに意識していました。ダンスを教えてくださったTeam“S”pecialのみなさんにもほんとにお世話になりましたし、パフォーマンス後に「本番でそういうのやってくるなんて感動した」と言ってくださることが多くて、励みになりました。ただ、僕の担当だった方はものすごく大変だったと思います。スタッフさんも、年齢も好みも違う候補生のためにいろんなお菓子を差し入れとして買ってきてくださったり。パフォーマンスにはその感謝も込めていました。以前は、なんでも頑張ればできると思っていましたけど、ダンスや歌はそうはいかない。すごく叩きのめされましたけど、なんとか食らいついて、メンタルが強くなりましたし、人間として成長できた。候補生にもアーティストとして尊敬できる人がたくさんいて。自分も精進しないとなと思います。
――これからはスキンケアも大切になりますね。
そうなんですよね。タイプロの特別編で「洗顔を始めました」と言っていたんですけど、3週間くらいでやめて、最終審査までしなかったんです。でも、これからは人に見られる仕事だということを意識して、高い洗顔料とか買っちゃいました。買っただけで満足しないようにしないとです。
PROFILE プロフィール
篠塚大輝(しのづか・たいき)
2002年7月9日生まれ、大阪府出身。未経験のダンスや歌に努力でくらいついていく姿勢は、菊池(風磨)に「timelesz projectを地で行っている」と言わしめた。
INFORMATION インフォメーション
『timelesz project‐AUDITION‐』
timeleszの3人が、共に歩む仲間を探す「timelesz project」にNetflixが密着し、世界独占配信中の番組。公式YouTubeチャンネルでは、オーディションの裏側『timelesz Behind The AUDITION』を公開しているほか、Instagram(@timelesz_project)やTikTokでも限定コンテンツが続々。
anan2438号(2025年3月12日発売)より