“音楽と宇宙”をテーマにした全世界デビューアルバム。
「僕の親戚に山崎直子さんという宇宙飛行士の方がいることもあって、小さい頃から宇宙への興味がありました。大人になってからも数学と物理学が好きで研究の世界にいたこともあり、科学的なバックグラウンドを創作活動に反映させる方法を模索していた中で、今回のアルバムのテーマを見つけました」
自身が作曲した3つのノクターンは「PRE RAIN(雨の中に)」「AFTER DAWN(夜明け)」「ONCE IN A BLUE MOON(蒼月)」と名付けられ、旅先で見た空をイメージしているそう。
「3つのノクターンはそれぞれ、韓国の冬のどんよりとした寒空や、時差ボケで眠れなかった日の朝焼けや、フランスのプロヴァンス地方で見た綺麗な星空をイメージして作曲しました。僕は飛行機に乗ることも多いので、窓の外の空が音楽のモチーフになることも多いんですよね」
角野さんのピアノの音色は幾通りもの色彩や奥行きを持ち、まるで絵画のように楽曲が立体的に表現される。今作におけるラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」がまさにそれで、あえてアップライトピアノでレコーディングしたという。
「普段はグランドピアノを使うことが多いですが、アップライトピアノを使うことで自分とピアノだけの親密さを表現することができます。コンサートでは会場の一番奥まで音を響かせるように弾きますが、レコーディングならではの密室的なピアノの音を体験してもらえるんじゃないかな。このアルバムは夜の静けさの中で聴いてもらうのもいいですし、自然の音と調和するサウンドになっているので、風や雨といった周りの音と一緒に聴いて楽しんでもらうのもおすすめです」
来年1月にはドイツやスイスを周り、2月には国内ツアーと、更なる飛躍が期待できそう。
「時差ボケを治すタイミングがないんですが(笑)。いろんな街に行くことが僕の活動のインスピレーションになっています」
YouTube動画
“Cateen かてぃん”名義のYouTubeチャンネルも登録者数140万人超えの人気ぶり。トイピアノやピアニカを使った超絶技巧アレンジなど探究心に満ちている。
「7 levels of“Twinkle Twinkle Little Star”(きらきら星変奏曲)」
誰もが知っている「きらきら星変奏曲」が華麗なるアレンジにより7段階でレベルアップしていく。「大きな反響をいただいて、今ではいろんなコンサートのアンコールで弾く曲の一つです」
「One Last Kiss‐宇多田ヒカル(Hikaru Utada)Piano」
切ない名曲を、歌の旋律も楽器の伴奏も全てピアノひとつで表現し尽くす珠玉のカバー。「ポップスをアレンジして弾くときは、自分が好きな曲を、その魅力が伝わるように弾いています」
「24の調によるトルコ行進曲変奏曲」
「トルコ行進曲」が角野さんの確かな音楽理論と緻密なスキルにより鮮やかに転調し続ける。「最初は即興で弾いてみたものを24の調にしてみました。またこういう挑戦をしてみたいですね」
PROFILE プロフィール
角野隼斗
すみの・はやと 1995年生まれ、千葉県出身。2018年、東京大学大学院在学中にピティナピアノコンペティション特級グランプリ受賞。6人組シティソウルバンド、Penthouseのメンバーとしても活躍中。
INFORMATION インフォメーション
『HUMAN UNIVERSE』
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