岡田将生「多くの人に作品を見ていただけたことが何よりも嬉しかったです」 飛躍の一年を振り返る。

エンタメ
2024.11.10

『1122 いいふうふ』『虎に翼』『ラストマイル』…今年は話題作への出演が続いた岡田将生さん。年々俳優としての魅力が増す岡田さんの仕事、そして体との向き合い方とは。

岡田将生~真人間でいるために。

あえてモノクロでスタートした今回の撮影。背後に浮かび上がる2つの影で、人間の隠れた一面を表現してくれた俳優の岡田将生さん。今月公開の映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』では、そんな裏の顔を巧みに操る天才詐欺師・氷室を演じている。韓国ドラマが原作となるこの作品は、内野聖陽さん演じる実直な公務員・熊沢が詐欺師の氷室とタッグを組むという斬新な設定が魅力。

「詐欺師同士が協力するお話は見たことがありますが、そこに公務員が加わる点が新鮮に感じて。オリジナルのドラマを見たらすごく作り込まれた話で、素敵だなと思いました」

キレ者の氷室は腕利きの詐欺師たちを召喚し、最強のチームを結成。狡猾な脱税王から10億円を徴収する計画を企てる。

「一人でもやっていけそうな氷室が、チームで動く選択をすることが最初は不思議で。あまり内面を見せないけれど、意外と人との繋がりを求めていたりする部分が魅力的でした。考えてみると、作品作りも基本的にチームでの作業じゃないですか。僕自身も周りの皆さんに助けられながらキャラクターを作っていく部分があるので、お芝居をしながら氷室との共通点に気づく部分がありました」

曲者揃いな詐欺師の面々を演じるのは、真矢ミキさん、後藤剛範さん、森川葵さんといった実力派俳優たち。

「本当に素敵な役者さんが揃っていて、一人ひとりのキャラクターがものすごく魅力的なんです。現場で皆さんと話しながら役柄を作り上げていったので、その熱意や空気感のようなものがシーンに表れていると思います」

その一人である上川周作さんとは、NHK連続テレビ小説『虎に翼』で義理の兄弟役に。

「上川くんは考えていることを現場で肉体に落とし込みながら表現される俳優さんで、つい目で追ってしまう存在。映画の撮影中も、いろんなお話をしました。上川くんは朝ドラに緊張すると言っていたので、『本当に家族のようなチームになると思うから、心配しなくて大丈夫だよ』と話したりもしました」

今作をはじめ、『虎に翼』や映画『ラストマイル』など、話題作への出演が続いている岡田さん。撮影が続く多忙な日々を乗り切るために取り入れているものがあるという。

「食事が日々の活力で、特に好きなのはラム肉。体に合っているのか、体力がすごく回復するんです。休みの日にラムを食べに行ったり、スーパーで買ってきて塩胡椒で焼いて食べたりして、健康を維持しています」

現在35歳。年齢とともに、体に対する意識の変化を感じる部分もあるのだとか。

「焼き肉に行く機会も減ったし、タレが重く感じるようになりました(笑)。ただ、若さは維持したいけれど、年齢に抗うつもりはないんです。そのまま衰えていくのではなく、体に起きたことを受け入れて“疲れが取れないなら、睡眠時間を増やそう”とか対策を考えるのが案外楽しくて。で、朝起きたら『調子はどうかな?』と体に確認する。昔は体調が悪いことを隠したりしていたけれど、今は共演者やスタッフの方に素直に言うようにしています。“今日どうした?”と思わせるのも悪いので、自分の状態を知ってもらうことも大切なのではないかな」

特集にちなみ、体のために取り入れていることを尋ねると「ストレッチですね」と回答。

「ストレッチをして頭の中を整理してから寝るようにしています。寝る前に30分ストレッチをすることで、体だけでなく頭も柔らかくなる気が。音楽を聴いたりセリフを読んだりしながら体を伸ばしていると、頭の中が空っぽになるんです」

多彩な役柄を演じ、忙しく駆け抜けた2024年。さらなる飛躍を果たした一年を改めて振り返り、どう感じているのだろうか。

「自分の中で、去年と今年は頑張る年にしようと決めていたんです。疲れはあるけれど充実していたし、多くの人に作品を見ていただけたことが何よりも嬉しかったですね。最近はメリハリを意識していて、去年、今年の分、来年は自分のための時間に。毎日がむしゃらに働くことが正解ではなく、精神的にも肉体的にもまずは自分を知ることが大切な気がしているので、時間を有意義に使いたいと思っています」

では、この充実した一年で得た一番の気づきとは?

「一緒にお仕事をした人が本当にいい方々で、やっぱり人間性が大事だと再確認。自分も、この人とまた一緒に仕事をしたいと思っていただけるような人間でありたいと改めて思いました。それと同時に、自分のままでいることの大切さも感じるように。周りに合わせすぎて疲れてしまった時期もあったので、周りを見つつも自分のペースを守ることを心がけています。今でもキャパ超えすることがあったりもしますが、経験を重ねて力の抜き方を覚えたことで20代の頃とは違う気がします」

PROFILE プロフィール

岡田将生

おかだ・まさき 1989年8月15日生まれ、東京都出身。2006年に俳優デビューし、映画『ラストマイル』など多くの話題作に出演。映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』が11月22日に公開。

カーディガン¥50,600 シャツ¥29,000 パンツ¥49,000 ベルト¥11,000(以上ヒューベント/アルファPR TEL:03・5413・3546) ネクタイ¥11,000(エンジニアド ガーメンツ TEL:03・6419・1798) シューズ¥99,000(パラブーツ TEL:03・5766・6688)

写真・樽木優美子 スタイリスト・大石裕介(DerGLANZ) ヘア&メイク・小林麗子(dot inc.) 取材、文・真島絵麻里

anan 2421号(2024年11月6日発売)より

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No.2421掲載2024年11月06日発売

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