人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは、その名字の通り、ふわっと吹くさわやかな風のような存在感が魅力の俳優、風吹ジュンさん。今週から4回にわたってお話を伺います! さっそく第1回目をお届けします。
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〈自分〉を持つことで、混沌の20代をサバイブできた。

私が仕事を始めたばかりの20代の頃は、芸名の、いわゆる公の〈風吹ジュン〉という人格と本来の自分の間にあるギャップにとても葛藤していました。20代って自分をどう表現していいかがまだわからない時期なのに、周囲の人は「風吹ジュンはこういう人」とイメージを作り上げてくる。自分をしっかり持っていないと、他人が考える〈虚像の風吹ジュン〉に巻き込まれて、流されてしまい、結果、本当の自分が負けてしまうことになる。悩んだ末、当時の私が考えたのは、“公に合わせず自分優先でいこう”ということでした。

個であるというのは、孤独ですし、また全て自分で責任を取らなくてはいけないわけですから、大変でもあります。でも、何かが違うぞ、と感じたとき、自分の意思をしっかり持っていれば、意に反することを押し付けられたときに毅然と断ることもできる。私はそれができたから、今この年齢まで生き残れたんだろうと思っています。

頑なにならないために、風通しの良さはキープ。

20代を振り返って、もう一つ大事だなと思うのが、人でもなんでも、“出会いを拒絶しない”ということ。自分の意思を持つ、自分を確立する、というと、人の意見を聞かない、または情報に触れない、と思いがちですが、そういうことではないんです。むしろ、新しいものは積極的に取り入れていきたい。というのも、価値観や意思は揺れ動くものですし、年齢や時代に合わせて変化があって当たり前。だからこそ私は、風通しの良い人間でありたいと20代の頃からずっと思ってきました。その好奇心は、70代に入った今でもまったく変わりません。

ただ、そこで触れた意見や価値観を全て受け入れる必要はない、ということ。重要なのは、何を選び取るか。自分に必要なものを見極める力を磨いてくれるのは、経験しかないんですね。観察する目と聞く耳をしっかり持って、経験を積みましょう。そこで得たものが、将来のあなたの筋力になるんです。

ふぶき・じゅん 俳優。1952年生まれ、富山県出身。モデルを経て俳優デビュー。引きこもりの息子の母を演じるドラマ『連続ドラマW 0.5の男』(WOWOW)が5/28スタート。公開待機映画に『658km、陽子の旅』が。

ワンピース¥36,300(ナゴンスタンス TEL:03・6730・9191) イヤリング¥27,500(ドナテラ・ペリーニ/ドレスアンレーヴ TEL:03・5468・2118) 靴はスタイリスト私物

※『anan』2023年5月17日号より。写真・小川朋央 スタイリスト・岡本純子 ヘア&メイク・高松由佳

(by anan編集部)

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