さいたまスーパーアリーナではライブハウスやホールではできない、アリーナクラスのアーティストがいつもやる「ライブの定番」を僕流に真似ようと思ってライブ構成を考えました。アリーナでのライブといえば、センターステージとトロッコは欠かせないだろうと、僕も用意しました。でも、花道が平均台なみにめっちゃ細いとか、センターステージに飾ってあるのがお花…と思いきや“えのき”とか、トロッコで回っているときに歌う曲が誰も知らない新曲でお客さん全然ノれないとか…定番をなぞりながらあえて外す面白さを岡崎体育らしく演出したつもりです。
いつもの僕のライブでの定番というと、MCで「どこから来た?」と聞くことでしょうか。これは、はっきりいってマーケティングとしてやっていますね。とくにフェスなんかでは、どういう客層か統計をとるために必ず聞くようにしています。それによって急きょセトリを変えたりすることもあります。岡崎体育の今後の活動に活かせますから、これは大事な情報収集としてこれからも必ずやっていきたい。みなさんも、ライブで僕に聞かれたら正直に答えてくださいね。
それとタオルいじりも定番ですね。ライブでは、そのアーティストのタオルを持ってくるのが通例ですが、僕はめちゃくちゃ目がいいので違うミュージシャンのタオルがあると目に入ってくる。それをいじっていたのがいつしか定番となりました。最近は、ミュージシャンどころかプロ野球選手とかサンリオのキャラクター、ポムポムプリンのタオルまで持ってくる人がいます。そこで「おい、誰がポムポムプリンやねん!」と、客席とコミュニケーションするのが楽しいです。
あとは「次が最後の曲です」のタイミングで客席が「えー」となったときに発動する「ちょっと、それ」「どっちのえー!」というコールアンドレスポンス。これは最後の1曲と言うとお客さんは必ず「えー(残念)」となる。でも決まっていることだしアーティストは「うれしいけど、ごめんね」としか言えない。で、そのまま曲に入るとお客さんは「えー(残念)」という気持ちを引きずったまま、最後の曲になってしまいますよね。これはもったいない。そこでいったん、残念な気持ちをリセットしてくれるコールがあればと思い、生まれたもの。僕が始めたものですが、今ではマキシマム ザ ホルモンやヤバTも使ってくれています。
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※『anan』2019年11月6日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・村田真弓 文・梅原加奈
(by anan編集部)
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