あのチャッキーが蘇った! 令和版はAI駆使し怖さ倍増!?

エンタメ
2019.07.25
ブードゥ教の呪術を用いて人形に魂を移した連続殺人鬼が、生身の体を手に入れるために殺人を重ねるという設定で社会現象を巻き起こした『チャイルド・プレイ』(1988年)。同作はその後、7作品の大ヒットシリーズとなり、チャッキー人形はいまやハロウィン・コスプレの定番となりました。この映画がきっかけで、人形がトラウマとなった人も少なくないはず。そんなチャッキーが令和に大復活を遂げました!

遊び心あふれるトイ“ホラー”ストーリー。

childplay

主人公は、引っ越しをして友だちがいない少年アンディ。母親カレンは女手ひとつで彼を養うために量販店で働きづめ。友だちと遊ぶこともなく、いつもひとりぼっちでゲームばかりしているアンディを心配したカレンは、勤め先に返品された不良品の「バディ人形」を彼にプレゼントします。はじめこそ、「バディ人形」の奇妙な言動に戸惑っていたアンディですが、やがて「バディ人形」の虜となっていきます。

チャッキーの服装は’88年版と同じ、青いオーバーオールにマルチボーダー柄のトップス。商品名が’88年版の「グッドガイ人形」から、「バディ人形」に変更されていますが、これにはワケが。’88年版の人形デザインの元ネタとされているのが、玩具メーカー・ハズブロが販売していた「マイ・バディ人形」なのです。商品名だけでなく、今作のチャッキーは内面的にも大きな違いが。’88年版のチャッキーは自分のエゴのために殺人を犯しますが、今回は、持ち主アンディへの愛ゆえに暴走を重ねていきます。実はこの設定も’88年版の初期プロット(構想段階のあらすじ)と同じ。’88年版の精神に敬意を払いながら、現代版にリブートしているのです。

今作のチャッキーは、最先端テクノロジー企業カスラン社が手掛けたAI技術を搭載。電化製品を自在に操り、人間の言動を学習してどんどん賢く進化していきます。ある日、チャッキーは、アンディや彼の友だちと一緒にホラー映画の名作『悪魔のいけにえ』を観賞。アンディたちがゲラゲラと笑う姿を見て、チャッキーは残酷な殺人シーンを彼を喜ばせるものだと勘違い。アンディを傷つける相手を見つけるやいなや、『悪魔のいけにえ』を即マネして、制裁を加えてしまいます。チャッキーの凶行を知ったアンディは当然ながらドン引き。ところが、アンディがチャッキーと距離を置こうとすればするほど、彼は暴走。アンディの身近な人々を恐怖に陥れていきます。

孤独にさいなまれ、チャッキーのトリコになっていく少年アンディの心を繊細に表現したのは、ガブリエル・ベイトマン。ホラー・ドラマ『アウトキャスト』では悪霊に憑りつかれた少年に扮し、生きたゴキブリを食べる衝撃シーンを披露して話題を呼んだ美少年で、『アナベル 死霊館の人形』や『ライト/オフ』などの大ヒットホラー映画にも重要な役で出演しています。チャッキーの声を熱演したのは、『スター・ウォーズ』シリーズのルーク・スカイウォーカー役でおなじみのマーク・ハミル。『スター・ウォーズ』ネタで笑わせてくれるほか、彼が歌うバディ・ソングの破壊力が半端ない!

観終わった後は、きっと頭の中で無限ループしてしまうはず。くれぐれも人形のそばでは歌わないように…。

『チャイルド・プレイ』 ホラー映画史に残る大ヒット作『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』の製作陣が手掛けた『チャイルド・プレイ』のリブート。本国では『トイ・ストーリー4』と同日に公開された。全国公開中。©2019 Orion Releasing LLC. All Rights Reserved.CHILD'S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.

※『anan』2019年7月31日号より。文・田嶋真理

(by anan編集部)

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