双方の魅力がより際立つ、漫画と浮世絵の異色コラボ展。
ますむらひろし≪凱風快晴(冨嶽三十六景)≫2009年発表 ©ますむら・ひろし
「きっかけは私が20年以上描いてきた雑誌の表紙のネタに困って、本棚にあった北斎の画集を手に取ったことでした。パラパラとページをめくる中、これを少し直せば“アタゴオル化”できるんじゃないかと思う浮世絵があって。そこから少しずつ北斎画のアタゴオル化に取り組むようになりました」(ますむらさん)
実際に模写してみると、とんでもない先人の才能に悩まされ、七転八倒の日々を送ることになったとか。
「通常の遠近法では考えられない北斎独自の視点やアングル、デフォルメがあるんです。それが私にはなかなか腑に落ちなくて。けれど、実際手を動かして、これこそが北斎画最大の魅力になっているとわかった時は『見たまま描いてちゃ、絵じゃねえだろ!』と北斎に言われている気がしましたね」
そんな浮世絵の巨人に尊敬の念を込め、“自然との共存”を描いたというアタゴオル×北斎作品。本展ではその作品を、本物の北斎画と比較しながら楽しめる点が魅力だ。また今回のために描き下ろした新作(下)をはじめ、「アタゴオル」シリーズの漫画原稿やイラスト作品など140点もの作品が登場する。漫画ファンの期待も裏切らない内容だ。
ますむらひろし≪漁師図≫ 2018年発表 ©ますむら・ひろし
すみだ北斎美術館 東京都墨田区亀沢2-7-2 開催中~8月26日(日) 9時30分~17時30分(入館は17時まで) 月曜休 一般1000円ほか TEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)
ますむらひろし 1952年、山形県生まれ。‘73年『霧にむせぶ夜』で第5回手塚賞準入選。‘97 年には『アタゴオル玉手箱』で日本漫画家協会賞大賞受賞。
※『anan』2018年8月8日号より。インタビュー、文・山田貴美子
(by anan編集部)
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