ついに物語がひとつの終幕に向かって大きく動き出す。舞台『刀剣乱舞』その先の物語へ

数々のメディアミックスが存在する『刀剣乱舞』の中でも、考察のしがいがあると人気の舞台『刀剣乱舞』。さまざまに伏線が張り巡らされ、作品を重ね明らかにされるほどにその深遠さに唸らされ、ハマっていくはず。

Index

    2016年に「虚伝(きょでん) 燃ゆる本能寺」からスタートした舞台『刀剣乱舞』(通称・刀ステ)。脚本・演出を手がけるのは、独自の世界観の構築で人気を博す演劇人・末満健一さん。初演から半年後、「虚伝」は一部キャストと演出・セリフを少し変えて再演したが、末満作品ファンからは、それが今後の伏線ではと噂されていた。それが回を重ねるごとに真実味を帯び、’18年の「悲伝(ひでん) 結いの目の不如帰(ほととぎす)」で、刀剣男士たちが同じ時間を円環している事実が判明。’21年の「无伝(むでん) 夕紅の士 -大坂夏の陣-」ではスクリーンに映し出された「悲伝」の“悲”の文字が“陽”に変わる演出で、「陽伝(ひでん)」の制作が示唆された。今回、満を持して、前後編の2部作での上演という大作として舞台に。そこで、第1作の「虚伝」から出演している三日月宗近役の鈴木拡樹さんと、山姥切国広役の荒牧慶彦さんにインタビュー。

    鈴木拡樹(三日月宗近役)「山姥切国広とどう対面するのか楽しみです」

    anan 2517号 舞台『刀剣乱舞』スペシャルエディション 表紙

    「悲伝」で本丸から姿を消した三日月宗近。末満さんからなんとなく聞いていたこともありますが、僕自身も知らない部分が多く、ここまでの展開を、いちファンとして期待と驚きを持って見守っていました。それでも、舞台上で山姥切国広をはじめ刀剣男士たちが三日月宗近のことを話していたり考えている瞬間は、どうしても感情移入してしまう部分がありましたし、「山姥切国広 単独行」で三日月宗近が出てきたのも嬉しくて。そこで感じた気持ちは、忘れずに持っておこうと思っていました。あの時から成長して力をつけた山姥切国広と再会できるのか、どう対面するのか、今から楽しみです。

    「虚伝」の初演時、三日月宗近の平安貴族のような優雅な佇まいと喋り方が舞台で間延びしてしまうことがあり、どこをどうすればキャラクターのイメージを崩さずテンポを上げられるかに苦心した記憶があります。原案ゲームのボイスで、自らを“じじい”と言うところにヒントをもらい、ちょっとトボけた感じに役作りをさせていただきました。お客様がそれを受け入れてくださったことで刀ステの三日月宗近が出来上がったと思いますので、ありがたいなと思っています。忘れられないのは、初日、初めて顕現のセリフを言う時の緊張具合。噛まないようにと祈っていました(笑)。

    三日月宗近として一番記憶に残っているのは、やはり「悲伝」です。彼だけが、記憶を持ち続けて同じ場面をループしていますから、新鮮なリアクションは初日だけで、それ以降は俯瞰するようにしていました。演じていて楽しかったですが、毎公演気が抜けなかったです。

    毎回、末満さんの描かれる物語が我々の予想もしない方向に転がっていくので、新作のたび、演じるこちらもワクワクしているんです。「陽伝」を皮切りに、ここまで張り巡らされてきた伏線が少しずつ回収されていくはずで、ここから楽しむターンなのかなと。十周年記念特別公演と銘打っていますし、ここまで支えてくれた審神者(さにわ)の皆様と一緒にお祝いできたらと思います。

    Profile

    鈴木拡樹

    すずき・ひろき 1985年6月4日生まれ、大阪府出身。舞台『最遊記歌劇伝』『舞台弱虫ペダル』などで注目を集める。近作にミュージカル『ゴースト』。来年2月開幕の舞台『学芸員 鎌目志万とダ・ヴィンチ・ノート』に出演。

    荒牧慶彦(山姥切国広役)「山姥切国広は一緒に歩んできた相棒的存在」

    anan 2517号 舞台『刀剣乱舞』スペシャルエディション バックカバー

    「虚伝」から始まった三日月宗近と山姥切国広の物語が、ようやく今回の「陽伝」に辿り着きます。「悲伝」で三日月宗近が円環に囚われ、そこから宿命を背負わされる形になり、山姥切国広としては、ずっとモヤモヤを抱え続けてきました。「山姥切国広 単独行」で、かなり刀ステの核心に迫るところが描かれ、今回、ようやく三日月宗近と対峙できる。感慨深いですし、いち刀ステファンとしても展開が楽しみです。

    10年という長い時間、同じ役を演じるって、この刀ステ以外ないんです。僕自身、刀ステの現場で役者として育てられた部分もあり、近侍として成長していく山姥切国広の物語と自分自身が重なって、一緒に歩んできた相棒のような存在です。本科ではない写しであるがゆえに内向的な部分もあるけれど、確たる芯は持っていて、己の強さを信じている。そこが好きですし、無愛想だけれどお茶目な部分もありますし、マントも気に入っています。最初こそ慣れなくて苦労しましたが、どう動いたらきれいに翻るのか、マントさばきを研究してからは楽しくて仕方ない。だから「単独行」で“極(きわめ)”になって、なくなってしまったのが寂しかったです。じつは、殺陣も成長段階によって変えているんです。当初は鞘を挿して一刀で戦っていたのですが、途中から鞘と刀の二刀になり刀を回す剣舞のような立ち回りをしていました。それを極から一刀に戻し、直線的で力強い立ち回りに変えています。これは完全に僕のこだわりだったんですが、作品の世界観の中で何ができるのか、試行錯誤できるのは面白いです。

    僕は、末満さんが描く重厚な物語が好きだし、照明の使い方も素晴らしく、演出家として尊敬しています。稽古場で、客席からどう見えるんだろうと心配していたシーンも、いざ劇場入りして照明が入ると違和感がなく、マジックみたいに鮮やかに場面転換が行われたり、天才ですよね。今回の「陽伝」は、その末満さんを筆頭にカンパニー全員が総力を結集して挑む集大成になりますのでぜひ勇姿を見届けてほしいです。

    Profile

    荒牧慶彦

    あらまき・よしひこ 1990年2月5日生まれ、東京都出身。ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンでデビュー。近作に、『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』。近年は剣劇『三國志演技』シリーズなど、舞台の企画も手がける。

    Information

    十周年記念特別公演 舞台『刀剣乱舞』 陽伝 月と太陽と星々よ

    原案/「刀剣乱舞ONLINE」より(DMM GAMES/NITRO PLUS) 脚本・演出/末満健一 出演/鈴木拡樹、荒牧慶彦、松田昇大、北村諒、東啓介、松田凌、和田琢磨、蒼木陣、後藤大、和田雅成、玉城裕規、染谷俊之、梅津瑞樹ほか

    • 公演情報

    【プレビュー公演】11月10日(火) 明治座

    【東京公演】11月11日(水)~29日(日) 明治座

    【大阪公演】12月6日(日)~23日(水) 新歌舞伎座

    【東京凱旋公演】12月29日(火)~31日(木) SGC HALL ARIAKE

    前売りチケットは全公演完売(当日券あり、詳細は公演HPにて)

    • ライブ配信(動画配信サービスDMM TV)

    【東京公演・スイッチング映像配信】11月11日(水) 前編12:30公演/後編18:00公演

    【東京凱旋公演・全景映像配信信】12月30日(水) 前編12:30公演/後編18:00公演

    【大千秋楽公演・スイッチング映像配信】12月31日(木) 前編12:30公演/後編18:00公演

    各公演単体:全景映像配信2500円、スイッチング映像配信3800円 前後編セット:全景映像配信5000円、スイッチング映像配信7600円 12/30・31前後編4公演セット:1万2000円 すべて見逃し配信付き

    • 大千秋楽公演ライブビューイング

    12月31日(木) 前編12:30~/後編18:00~ 各公演3800円 https://theater-ods.toho.co.jp/toukenranbu_lv202612/

    鈴木拡樹さん演じる三日月宗近が表紙を飾る、anan 2517号スペシャルエディションは…

    2026年10月28日(水)発売の『anan』(2517号)は「骨トレでカラダ調整 2026」特集。そのスペシャルエディション表紙に、今年10周年を迎えた舞台『刀剣乱舞』より鈴木拡樹さん演じる三日月宗近が登場。そしてバックカバーは、荒牧慶彦さん演じる山姥切国広が飾ります。

    さらに中面では、十周年記念特別公演に出演する13振りの刀剣男士たちのスペシャルグラビアと特別付録も実現した、超豪華永久保存版をお届けします。

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    構成、取材、文・望月リサ
    ⒸNITRO PLUS・EXNOA LLC/舞台『刀剣乱舞』製作委員会

    anan 2517号(2026年10月28日発売)より
    Check!

    No.2517掲載

    骨トレでカラダ調整 2026

    2026年10月28日発売

    今の時期からコツコツと鍛えたり、整えることで、健康な骨づくりにつながっていく──。体の土台となる背骨のコンディショニングや足首の骨格を整える関節整体、カルシウムやタンパク質を摂る骨育ごはんレシピなど、骨がよろこぶTO DOリストなどを紹介。

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