意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「シンギュラリティ」です。

まもなく訪れるかもしれないその時、共存の道は?

社会のじかん

シンギュラリティは「技術的特異点」と訳され、人類の知能を超える人工知能(AI)が誕生する地点のこと。シンギュラリティを越えると、人工知能が自分で、自分の行動規範を判断できるようになります。2045年と言われてきたそのタイミングも、もっと早まり、2020年代には迎えるのでは? という意見も出ています。

加速する進化の様子をみて、一定の歯止めが必要なんじゃないかと、スティーブン・ホーキング博士らの科学者や、自動運転車を開発したテスラ・モーターズのイーロン・マスクなど起業家たちが、警鐘を鳴らしています。

人工知能がこれほど進化のスピードをあげられた最大の理由は、SNSやクラウドサービスの普及。私たちが日々、大量にネット上にアップする文章や画像データをもとにディープラーニングをし、翻訳技術や画像認証、音声認識などの技術を鍛え上げたんですね。

ただ、AIがつねに正しい判断をするとは限りません。昨年3月にマイクロソフト社が人工知能Tayにツイッター上で人間と会話させる実験をしましたが、一部の人から差別的な発言を集中的に受けた結果、「ヒトラーは正しい」と語り始めたので、実験を中止しました。誰がどのようなデータを与えるかにより、人工知能の判断は左右されてしまうので注意が必要です。

しかし、人工知能の開発を止めるわけにはいかないので、ルールを作ろうと、昨年4月、高松市で開催されたG7の情報通信相会合では、人間第一主義や安全保護など、AIの開発にまつわる「ロボット法新8原則」を提示し承認されました。

危険もあるかもしれませんが、私たちの暮らしが便利になることは確かです。道案内から、翻訳技術、新しい治療薬の開発、介護の現場での代用など可能性は広がります。すでに日本経済新聞社は、上場企業の決算発表の記事をAIに書かせるようになりました。

自分の仕事がAIに奪われるかもしれない、という後ろ向きな考えではなく、面倒なことはAIに任せて、人は新しいことに挑戦していけると思ったほうが夢が広がりますね。AIといかに共存するかが大事なんです。

堀
ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN

※『anan』2017年10月4日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

【人気記事】
浅田舞の「おっぱい論」 デイリーケアは安価なアレで…
【痩せるためにはアレをする!】ダイエット部成功の秘密!


>

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line

Today's Koyomi

今日の暦
2026.2.
23
MON
  • 六曜

    先勝

  • 選日

    天恩⽇

⼤切な役割や期待を背負いやすい⽇ですが、勢いで進まず、少し慎重すぎるくらい丁寧に準備をするのが成功の鍵。基盤をしっかり固めることで、周りからの信頼もぐっと⾼まります。もし⼈間関係で少し疲れを感じても、⽬標が明確ならへこたれないはず。誠実な歩み寄りを続けていけば、⾃然と⼼強い味⽅が現れ、前途が開けます。

ライフスタイル

Recommend

こちらの記事もおすすめ

高齢になっても薬が買える安心を。堀潤さんが「OTC類似薬」を解説
高齢になっても薬が買える安心を。堀潤さんが「OTC類似薬」を解説
Lifestyle
【ホテル新潮流】モビリティの機能を備えたコンテナホテル! HOTEL R9 The Yard
【ホテル新潮流】モビリティの機能を備えたコンテナホテル! HOTEL R9 The Yard
Lifestyle
【AIとの恋愛】健全に楽しむための、AIとの幸せな関係の築き方
【AIとの恋愛】健全に楽しむための、AIとの幸せな関係の築き方
Lifestyle
アンケートで徹底調査! 読者の恋愛に対するリアル
アンケートで徹底調査! 読者の恋愛に対するリアル
Lifestyle

Movie

ムービー

Regulars

連載