
作者の目から見た、「ヒーローもの」 としての『ブルーロック』について、原作&作画のお二人にお話を伺いました。
Profile
ノ村優介
のむら・ゆうすけ 漫画家。1987年生まれ、京都府出身。2008年第80回週刊少年マガジン新人漫画賞 特別奨励賞を受賞。'13年「砂人の皇」でデビュー。作画を手がけた作品に『ドリィ♡キルキル』が。
金城宗幸
かねしろ・むねゆき 漫画原作者。1987年生まれ、大阪府出身。2010年、漫画「第7位」で第72回赤塚賞佳作を受賞、'11年『神さまの言うとおり』で原作者デビュ ー(作画・藤村緋二)。
── まずは、実写映像をご覧になった感想をお聞かせください。
金城宗幸(以下、金城) スタイリッシュな映像がすばらしく、ヒーローものっぽい雰囲気に仕上がっていたので、そこがすごく嬉しかったです。スポーツというよりはアクション映画的な撮り方をしてくださっていて、さらにキャラクターの立ち姿もアクションシーンも、バトルアクション感が強い。キャストのみなさん一人一人がヒーローに見えて、かなり興奮しました。
ノ村優介(以下、ノ村) 僕らは原作で、実際に真似できそうなプレーを心がけて描いてはいますが、あくまで漫画の範囲で想定していて、実写になるなんてことは考えていなかったので、最初は正直「どうやるのか…?」という気持ちもゼロではなかったんです。でも拝見すると、キャラクターはみんなイキイキしていて、とにかく映像がかっこいい。漫画ともアニメとも違う、新しい『ブルーロック』になっていたので、めちゃくちゃ期待しかないです。
── この作品と“ヒーローもの”という概念の関係性とは?
金城 最初の段階では、アベンジャーズ的なバトルアクション漫画を作りたかったんです。それぞれキャラが立っていて、しかも異なる強さを持つヒーローたちが同じチームで敵と戦う、という構造の話を考えていました。この作品のテーマであるサッカーは、それぞれ強みが異なる選手が人でチームですよね。一般的には攻撃の選手がヒーロー視される傾向が強いですが、対のヒーローバトルとして考えたほうが絶対に面白い。全員がヒーローだと、物語が主体的になるしワクワクするじゃないですか。
ノ村 どのキャラも、何かを乗り越えたり覚醒してヒーローになる瞬間があり、そういった場面は何度描いてもワクワクします。ヒーロー誕生の瞬間が本当にたくさんありますから。
金城 確かに。僕的には、第話、第伍号棟(潔の所属グループ)の最終戦のラスト、潔と人が走り出す場面に誕生の瞬間を感じます。
ノ村 ヒーローにはイメージカラーがあることが多いですが、その色が各キャラの個性と長所、弱点と深く関わってくる。なので、登場人物ごとに固定の色を作ることは意識しています。色分けの系譜という構造は、ヒーローエンタメの影響を受けています。
── お二人とも、どんなヒーローエンタメが好きでしたか?
金城 僕は特撮ヒーロー、特に仮面ライダーならVが大好きでした。世代ではないのですが、ビデオ屋さんで借りて見ていました。
ノ村 僕は戦隊ものです。恐竜戦隊ジュウレンジャーと忍者戦隊カクレンジャーをテレビで見ていた世代です。
金城 僕もジュウレンジャー好きだった! でも、いわゆる赤キャラにはあんまり惹かれなかったんですよ。青とか黒が好きで(笑)。
ノ村 めっちゃわかります。僕もニンジャブラックのケイン・コスギさんが好きでしたから(笑)。
金城 ですよね! この作品は、赤じゃない色のヒーローを好きな側の哲学を持つ人が作ってる漫画であって、だからこそ支持してもらえているという感覚もあります。
── 実写化にあたり、譲れないと思った点はありますか?
ノ村 僕は、ヘアスタイルですね。ヒーローの色分けの系譜にも繋がるのですが、この作品は基本服装が全員ユニフォームなので、ビジュアル的には髪型と色がとても大事なんです。なのでヘアスタイルを整える時には写真を共有してもらい、「ここはもうちょっと長く、ここはもっと軽く」とか、結構細かくオーダーさせてもらいました。相当うるさかったと思います(笑)。
金城 僕は、(御影)玲王が凪をおんぶする場面。大男が大男をおんぶする姿を見たかったので、「絶対にやってください」と(笑)。
ノ村 なるほど(笑)。
金城 少し話は脱線しましたが(笑)、ヒーローが誕生する瞬間をスクリーンで楽しんでいただけたらと思います!
映画『ブルーロック』
information

世界中を熱狂させる革新的なサッカー漫画の実写化
累計発行部数6000万部突破の大人気漫画『ブルーロック』を実写映画化。日本をワールドカップ優勝に導くストライカーを育成するために立ち上げた“青い監獄(ブルーロック)”プロジェクトを舞台に、全国から集められた300人の高校生FWたちが生き残りとエゴをかけて熾烈なサバイバルを繰り広げる物語。8月7日(金)より全国公開。
anan 2503号(2026年7月8日発売)より
































