マスクの下でもお悩みが進行中。
「もともと日本語は表情筋を3割程度しか使わない言語なのですが、マスクをしていることで会話が減り、ますます顔の筋肉が使われない生活になってしまいました。その結果、口輪筋や舌筋が衰えて口呼吸になり、たるみやほうれい線まで出現。マスクを長時間していることで、口腔内の雑菌の増殖や口臭が気になる人も増えています」(石井さん)
衰えてしまった口輪筋や舌筋を鍛え直し、唾液の分泌を促進させることが大切。
「まずは10日間、続けてみてください。スキマ時間に少しずつトライして」
Q.なぜマスクをしていると、雑菌が増えやすくなるの?
A.ストレスや口内の乾燥で唾液の分泌が減るのが原因。
マスクをすることで呼吸がしにくくなり、知らないうちに口呼吸になっていることが。口で呼吸することで口内が乾燥して唾液が出にくくなると、雑菌の増加を招きます。
耳上部の前あたりにある小さなくぼみを、人差し指の腹で10秒押して離す、を繰り返す。こうすることで耳下腺(じかせん)が刺激され、唾液の分泌が促される。ここから出るサラサラした唾液は、口の中を自浄する働きがあるほか、成長ホルモンのパロチンを含み、美肌効果も。
Q.顔がむくんでたるみも加速。マスクを外すのが怖いです。
A.顔の下半身が運動不足! 意識的に動かして鍛えよう。
マスク生活で、顔や口元の筋肉を動かさなくなってくると、筋肉にリンパ液を押し流す働きが弱まり、筋肉も衰えます。表情筋、舌筋をすべて動かせる顔トレを行って。
「は」と言いながら大きく口を開ける。「に」と口を横に開け、歯をしっかり見せて口角も上げる。両頬をくっつけるように口をすぼめて「ふ」、口角を横に引いて「え」、舌を口の中で丸めて巻き舌で「ろ」と言う。スキマ時間に元気よく行い、1日1回でもOK!
Q.口呼吸になっているせいか、口臭を感じることが多いです。
A.“落ちベロ”になってない? 舌の筋肉を鍛えましょう。
舌先が下の歯についている人は、舌筋が衰えて口が開き、口呼吸になるので口臭の原因に。舌先が上顎に収まっていると口も閉じ、舌がこすれて表面の汚れも解消できるので口臭予防にも。
舌先を上顎につけた状態から「れ(RE)」と思い切り声を出しながら、舌をまっすぐ長く、前に突き出す。英語の「R」の発音のように、舌を使うことを意識する。
舌を巻くように引っ込めながら「ろ(RO)」と発声する。このとき、舌先が上顎に触れるように意識し、なるべく大げさに口を動かす。10セット行う。
Q.マスクのせいか、唇が乾くスパンが短くなりました。
A.口呼吸に唇の血行不良…口輪筋の強化が必須!
人と話す機会が減ったことで、口の開閉運動も減少。口輪筋が衰えていることが一因です。それにより、次第に唇も血行不良となり、乾燥しやすい状態に。口を囲う筋肉を鍛えましょう。
1.口を閉じて、両頬を思い切り吸い込んで、唇をとがらせて小鳥のくちばしの形にする。唇を上下に「ぴよぴよ」と上下に開け閉めする。10回行う。
2.大きく深呼吸して両頬を「ぷー」と勢いよく膨らませる。1回行う。口輪筋への刺激で唇の血流もアップし、うるうる唇に。口内も刺激されるので、唾液も分泌。
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石井さとこさん 歯科医師。女優やモデルなどからの信頼も厚い口もと美容スペシャリスト。近著に『マスクしたまま30秒!! マスク老け撃退顔トレ』(集英社)。
※『anan』2021年11月10日号より。写真・小笠原真紀(モデル) スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) モデル・松木育未(LIGHT management) 取材、文・岡井美絹子
(by anan編集部)