噛み締め癖を自覚し、コリを蓄積させないで。
ストレスの多い毎日を送っていると、無意識に食いしばってしまいがち。また、朝起きた時に顎が疲れている人は、睡眠中に歯ぎしりや食いしばりをしているはず。
「ストレスを溜め込みやすい人ほど、側頭筋が硬いです。噛み締め癖があると咬筋がこわばり、側頭筋にも影響を及ぼします。酷使されてこわばった筋肉は弾力を失うもの。その結果、耳の後ろを含めたフェイスライン全体がたるんできます。噛み締め癖は左右どちらかにテンションをかける人も多く、フェイスラインが歪んだり、エラが張って顔が大きく見えてしまう人もいます」(ヘッドセラピスト・山本幸恵さん)
睡眠中は難しいけど、日中はできるだけ顎をゆるめ、食いしばりの回数を減らしたい。また、筋肉や筋膜のこわばりを加速させないため、こまめにほぐすことが肝心。
「側頭筋や咬筋が柔らかくなれば顎がゆるみ、頭蓋骨はもちろん、筋膜を通じて股関節の動きにまで影響を及ぼします。噛み合わせの悪さからくる噛み締めは治療が必要ですが、日々意識してほぐし、筋膜をゆるめていくことも重要です」(歯科医師・五十嵐俊彦さん)
食いしばりや歯ぎしりが、顔のたるみや歪みを生む。
頬に手を当てて奥歯を噛み締めるとぷくっと膨れる部分が咬筋。側頭筋の中でも、歯をカチカチ噛み合わせると動くあたりが重要なポイント。噛み締める時間が長いほど咬筋と側頭筋が硬直&疲弊する。
疲れ顔の負の連鎖
咬筋がこわばる。
+
側頭筋がこわばって弾力を失う。
↓
フェイスラインがたるむ!
ストレス疲れ顔コリほぐし:顎の筋肉にアプローチ
噛み締め癖で意外と凝るのが顎の筋肉。
「顎は副交感神経とも深い関係があるので、顎まわりの筋肉が緊張すると、自律神経のバランスにも影響を及ぼします。ほぐせば心も整うでしょう」(山本さん)
ここをほぐす!
使うのはココ!
両手の親指だけ立て、指の腹を使う。爪を立てないよう注意して。
1、机などに両肘をついて、両手の親指の腹で顎の先端の骨の内側をグーッと押す。頭の重さを親指にのせるイメージで5秒。
2、指1本分外側にずらしながら、エラまで3か所同様に押す。気になる箇所は少し長めに押すといい。
3、“R”の発音をするように舌を軽く丸め、そのまま首をゆっくり後ろに倒す。倒した状態で5秒キープ。
◎舌を軽く丸めて首を後ろに倒すと、顎の筋肉のストレッチになる。実際は口を閉じて行う。
山本幸恵さん ヘッドセラピスト。15年前にヘッドスパ専門サロンをスタート。体の不調にも働きかける、独自開発の深頭筋マッサージ(R)を、これまで3万人以上に施している。https://www.yukie-head.com
五十嵐俊彦さん 歯科医師。「飯田橋内科歯科クリニック」勤務。噛み合わせの調整による心身への様々な効果を研究。マウスピース製作にも力を入れ、トップアスリートのパフォーマンスアップにも貢献。
キャミソール¥1,490(Gap/Gap新宿フラッグス店 TEL:03・5360・7800)
※『anan』2021年6月9日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) モデル・メイ・パクディ 取材、文・板倉ミキコ
(by anan編集部)