旬のものに紐づけて覚えられている人は素敵。
先輩であるスパイクの松浦(志穂)さんは山形県出身ですが、毎年夏になると、だだちゃ豆を贈ってくれるんです。私の誕生日があるのでプレゼントにということもあるのですが、旬のものをいただけることって、やっぱり嬉しいですよね。味が濃くて本当に美味しいし、ありがとうございますという気持ちになります。松浦さんは、私の一期上の先輩で、養成所の時にお世話をしてくださった人。それからずっと面倒を見てくれている人から、毎年贈り物をいただけているという状況もすごく嬉しいものです。ざるいっぱいのだだちゃ豆がテーブルに乗っている姿を見るだけで幸せになれます。松浦さんはだだちゃ豆へのこだわりが強く、“届いたら冷蔵庫に入れずにすぐに茹でる”とか、茹で方や食べ方の指導もしっかりとしてくれるのですが、そうしたやりとりも含めて楽しい。すべてセットで“夏が来たな”と思わせてくれます。私はテレビやスーパーでだだちゃ豆を見ると松浦さんのことを思い出すのですが、旬のもので思い出させてくれる人ってすごく魅力的ですよね。私の母は新米を贈りたがるし、実家の近所には“さくらんぼの奥さん”という、毎年必ずさくらんぼを一箱くださる方がいて(笑)、よく覚えています。
旬の美味しいものを贈れるようになるためには、まず、地元のことを愛し、よく知ることが欠かせないと思います。松浦さんはいつも一級品のだだちゃ豆を贈ってくださるのですが、いろいろなものを食べてみて、一番美味しいと思ったものを選んでくれているのではないでしょうか。そんなふうに食べ比べをしたりと手間をかけることが、喜んでもらうためにはとても大事なことのように思います。ご贔屓の農園を見つけてみるのも楽しそうです!
よこさわ・なつこ 芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。婚活で培ったテクニックをまとめた著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。昨年10月に第二子を出産。
※『anan』2022年10月19日号より。写真・中島慶子 イラスト・別府麻衣 文・重信 綾
(by anan編集部)