ディーン・フジオカ、蒔田彩珠には「すごくいいタイミングで演じてもらえた」

エンタメ
2022.02.08
ディーン・フジオカさんが企画・プロデュース・主演を務める映画『Pure Japanese』は、海外でも活動するなかで自身が感じた「日本人とは何か?」という問いを追求した作品。そのディーンさんが演じるのは、日本文化に傾倒し、“日光大江戸村”でアクション俳優として働く立石。その立石が、蒔田彩珠さん演じる女子高生・アユミとの出会いをきっかけに、秘めていた狂気を爆発させるというバイオレンスアクションムービーだ。

“純粋な日本人”とは何か? を問うバイオレンスアクションムービー。

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ディーン:今回“日本”をテーマにした作品を作ろうと思ったとき、日本の文化的側面を描くのに“暴力”っていう切り口が一番シンプルでわかりやすいと思ったんです。それに、日本には長きにわたり積み上げてきたアクションのレガシーがあるのに、需要が減ってきていたことを10年前に日本で仕事をし始めてから知って、古民家再生ではないですが…日本アクションが持つ様式美の力を発揮できる機会がもっと増えればいいのに、という思いもずっと抱いていました。本作を企画する上で、自分なりのやり方でアクション・スタントという存在に光を当てる、というミッションが、今作を製作するひとつの原動力になったと思います。

蒔田:私自身、こういう血が出るような作品に今まで出たことがなかったんです。だから台本をいただいた時点では、どんな作品になるかまったく想像がつかなかったです。

ディーン:彩珠が出てくれて本当によかった。撮影は…1年半くらい前だったけど、当時は今とはまたちょっと雰囲気が違って、アユミというキャラクターに必要なあどけなさというか、女子高生の無邪気さが残ってた。でも去年NHKで会ったらもう大人になっていたから…(笑)。映画にはあのときの絶妙なバランス感が必要だったから…すごくいいタイミングで演じてもらえたんだなと。

蒔田:ディーンさんは作品に対する愛情が深くて。撮影前の練習のときから、作品をより良くしようとされているのがわかって、その姿勢がかっこいいなと思ってました。アユミは結構冷めているキャラクターだったから、逆に気持ちを外に出すシーンでの感情の表現っていうのが難しくて。私と監督が「これだ!」ってものを見つけるまでに何回もテイクを重ねたのに、ディーンさんが毎回変わらないテンションで芝居に付き合ってくださって。寄り添ってくださるのを感じて、頑張ろうって思えたんですよね。

ディーン:そこはやっぱり言い出しっぺなわけだから…。

蒔田:思い切ってやれたのも、ディーンさんや監督がいてくれて、委ねられる現場だったからだと思います。

ディーン:それも彩珠へのプロの俳優としての信頼が前提にあってこそ。だって(血まみれで笑う蒔田さんのスチールを指して)この笑顔ができちゃうんだよ。素晴らしいね。

蒔田:ディーンさんは、撮影の間もずっとトレーニングされているし食事も「それだけ?」みたいな感じで、こんなにストイックにやられるんだって驚きました。

ディーン:パーソナルトレーナーの方についてもらって、腕立てしたりダンベルやったり、ひたすら剣術の練習したりしてたからね。

蒔田:でも撮影現場にカフェカーが来てくれたときは、すごくはしゃいでましたよね(笑)。

ディーン:あのときはコーヒーたくさん飲んだね。じつは今回の映画、編集の段階でもいろいろ試行錯誤しているんだよね。撮影が終わってから、日本語がわからない人や日本に興味ない人にはどう見えるかを考えながら、何度も編集し直して、その都度脚本も直してるから、最初の段階からは、構成がかなり変わっていると思うんだけど?

蒔田:たしかに、完成した作品を観たら、最初に脚本を読んだときに感じた印象からは全然想像もつかない作品になってました(笑)。

ディーン:正直、なんの予備知識もなく観ると、良い意味で「一体何を目撃してしまったんだ?」「こんな劇場体験してしまったら、これからどうすればいいの?」っていうショックを受けると思う。だからぜひ行き場のない気持ちにならないよう、パンフレットや公式サイトでこの作品のトリセツみたいなものに軽く目を通してからご覧になっていただけたら、作品の中心にスッと辿り着けるんじゃないかと思います。

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映画『Pure Japanese』 監督/松永大司 脚本/小林達夫 企画・プロデュース/ディーン・フジオカ 出演/ディーン・フジオカ、蒔田彩珠、渡辺哲、金子大地、村上淳、嶋田久作ほか 現在公開中。©2021「PURE JAPANESE」製作委員会

でぃーん・ふじおか 2004年に香港でモデルとしてデビュー。その後、俳優、ミュージシャンとして、台湾、ジャカルタ、日本と活動拠点を広げながら活躍。ニューアルバム『Transmute』が好評発売中。
コート¥72,900 ジャケット¥63,800 パンツ¥42,900(以上m's braque) シャツ¥19,800(Scully) 以上sekond showroom TEL:03・3794・9822 シューズ¥29,700(tabito/TEENY RANCH TEL:03・6812・9341)

まきた・あじゅ 2002年8月7日生まれ、神奈川県出身。’20年公開の映画『朝が来る』で日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。近作にドラマ『おかえりモネ』、映画『99.9‐刑事専門弁護士‐ THE MOVIE』など。

※『anan』2022年2月9日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・渡辺慎也(Koa Hole inc/ディーンさん) 小蔵昌子(蒔田さん) ヘア&メイク・森 智聖(ディーンさん) 草場妙子(蒔田さん) 取材、文・望月リサ

(by anan編集部)

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