岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「すぎやまこういち」です。
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誰もが知るRPGゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズの音楽を手がけたことで知られる、すぎやまこういち先生。先日、訃報に触れ、とても驚きました。たくさんの素晴らしい音楽を届けてくださり、感謝と敬意の念しかありません。心よりご冥福をお祈り申し上げます。すぎやま先生には、僕のラジオにコメントを寄せていただいたこともあり、その優しい声がいまも印象に残っています。『ドラゴンクエスト』ももちろん大好きです。『ドラクエIII』に関しては、全クリする様子を生配信したので、僕がプレイしていることをご存じの方もいるのではないでしょうか。VとVIに関しては、地元の友達のよっしーがプレイしているところをずっと見ていたので、ストーリーも音楽も全部頭の中に入っていますね。学生時代にはサントラ集をレンタルショップで借りて、MDに落として電車の中で聴いていました。ドラクエの世界に浸りながら通学していましたね。

音楽的にすごいなと思うのは、すぎやま先生は独自の音楽メソッドをお持ちなところ。それが「すぎやまメソッド」とか「すぎやま節」と呼ばれています。理論に基づいた音楽技法を多数、作曲に取り入れているんです。例えば、『ドラクエIV』のラスボスと対峙する時に流れる曲(「悪の化身」)は、不安感や緊張感を高めるために12音技法というテクニックを使っています。これはドからシまでの白鍵と黒鍵の12の音を全部使って主旋律を作曲するという技法です。全部の音を並べると、前回紹介した“調”の縛りを破ることになり、調性のない、どこか不安を感じさせるような不協和音の音楽が生まれます。それが、ゲームのゾクゾクとする緊迫した場面とめちゃくちゃマッチする、というわけです。

これ以外にもすぎやま先生が取り入れている技法はたくさんあります。しかも、それらを使って複雑な音楽を作るのではなく、誰の耳にも残り、誰しもが共感できる、とてもわかりやすくてシンプルな音楽を生み出しているところが素晴らしいです。僕も『ポケットモンスター』などで劇伴を手がけましたが、シンプルでいながらシーンに合った音楽を作るのは、実はとても難しいことです。それをすぎやま先生はゲーム音楽黎明期から最新作まで25年間ずっと手がけて、世界的に愛されるコンテンツのひとつになった。本当に、その偉業には憧れしかありません。

おかざきたいいく 約2年9か月ぶりとなる4枚目のオリジナルアルバム『FIGHT CLUB』が好評発売中。2022年1月から始まる連続ドラマ、TBS日曜劇場『DCU』(21:00~)に、ダイバーの森田七雄役で出演する。

※『anan』2021年12月15日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・村田真弓 文・梅原加奈

(by anan編集部)

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