デビュー20周年のEXILE AKIRA「今までのイメージをぶっ壊す覚悟で」。初のEP発売への思いや『HiGH&LOW』シリーズへの意欲などを語る

EXILEのパフォーマーとして、2016年にデビューしたEXILE AKIRAさん。今年20周年のアニバーサリー・イヤーを迎え、記念となるEP『URBAN SAVAGE』をドロップ。初めて歌に挑戦した思いや、そのきっかけとなった中国での経験とは? さらに、今年10周年の『HiGH&LOW』シリーズへの意欲などについても語っていただきました。

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    デビュー20年目で初めて歌唱に挑戦

    ── デビュー20周年おめでとうございます! 記念すべき節目のプロジェクトとして、ソロ名義のEPリリースに至った思いを教えてください。

    僕は20年前、日本武道館で初めてEXILEのステージに立ちました。その時から僕のことを気にかけてくださっている方など、これまでファンのみなさんには本当に長い間、応援していただいています。

    その感謝の気持ちをお伝えする方法として、ファンミーティングなどで過去を懐かしむのもいいのですが、新たに挑戦する姿をお見せするほうが自分らしく、それこそがみなさんへの感謝に繋がるのかなという思いがありまして。このタイミングで音楽活動をスタートさせることになりました。

    あと、もう一つ。2013年にHIROさんが勇退されましたが、それから10年ほどはEXILEという大きな母体の舵をしっかり取るべく、EXILEの活動に専念してきました。それがようやく落ち着いてきて、そろそろ自分のことにも時間を費やしていいのかなと2年前ぐらいから思い始めて…。その時期と20周年が重なって、音楽活動への挑戦を決意したというところもあります。

    ── 新たな挑戦が音楽活動とのことですが、AKIRAさんが歌をリリースされるのは初めてですよね? なぜ歌に挑戦しようと思ったのでしょうか?

    僕はEXILEのパフォーマーとしてデビューしましたが、当時は僕たちのようなダンス&ボーカルグループがまだ少なく、珍しく思われていたんです。でも今は、歌って踊るグループが、もはやスタンダードといえるほど。それは日本のみならず、世界的にも。

    そんな背景もあり、僕が個人で海外の活動をする時に求められるのは、ダンス&ボーカルグループのメンバーということから、歌唱の部分だったりするんですよね。僕はパフォーマーというオリジナルな存在にプライドを持ちつつも、いい意味でこれまでの自分を壊しながら新たに武器を増やしながら、さらなる新境地を開拓していこうかなと!

    今の世界のエンターテインメント界は、歌って踊れるのが当たり前。現地の番組に出演する時は、さらに司会ができて、芝居もできるなど多様性が求められます。そう実感していた頃、ちょうど2年ほど前でしたが、中国の「Call Me By Fire」(※1)というリアリティ音楽番組に出演させていただくことになったんです。

    アジアのスターが34人集まって、そのなかに僕も入れていただいたんですけど、14億人以上のトップに立つ人たちは、本当に何でもできる! たとえダンス経験がなくても、「踊れ」と言われたらノリで踊れてしまうような勢いもあり。それを目の当たりにして、いい意味でこれまでの我々の常識を覆されましたし、すごく刺激を受けました。

    年齢を重ねると、“自分を壊す”という経験もなかなかないじゃないですか。そんな貴重な機会を無駄にせず、次に繋げたいという気持ちの延長に、歌唱があったのだと思います。

    ※1 中国の動画配信サービスが制作しているサバイバル音楽リアリティ番組。アジアのさまざまな国や地域のスターが集結して、チームごとに歌やダンスを競い合う。大人気シリーズで、AKIRAさんはMIYAVIさんとともに2024年8月から配信された「Call Me By Fire 4」に出演した。

    守りに入らず、まだまだ攻めます!

    ── EP『URBAN SAVAGE』は、どのようなコンセプトで制作されたのでしょうか?

    今作では、僕がこれまで生きてきた人生や、20年間の活動のなかで作り上げてきたスタイルを凝縮するべきだと思ったんです。それはミクスチャーロックであり、ヒップホップでもあり。そのルーツに立ち返るような音楽性や世界観を大事にして、楽曲制作をさせていただきました。

    ── 4曲の収録曲には、タイのラッパーのF.HEROさんや、MIYAVIさん、JAY'EDさんも参加されています。この方々にフィーチャリングを依頼した理由を教えてください。

    F.HEROはタイのレジェンドラッパーで、LDHの後輩グループが東南アジアで活動をした時に、さまざまな方面から盛り上げようと貢献してくださった方です。ビジネスやプロデュース業にも長けていて、自分と近しい感覚もありました。そんな繋がりから、このタイミングで男の生きざまみたいなものを我々なりに提示してみたいと思い、お声かけさせていただきました。

    MIYAVIとは長年交流がありますが、「Call Me By Fire」でも一緒で、約5か月間、10畳ぐらいの部屋に二人で暮らした仲。体調管理するためにサツマイモとブロッコリーを二人で分け合うなど(笑)、みなさんがこれまで見てきたEXILEのAKIRAと、MIYAVIのイカツいイメージとは正反対の生活を送っていたんです(笑)。

    MIYAVIも単身、アジアなど海外で勝負していて、番組収録期間中に「これからもお互い、どんどん切り開いていこう!」と背中を押してくれたことも、一歩踏み出すきっかけに。
    だから、MIYAVIにも絶対に参加してもらいたいと思ったんです。

    JAY'EDをフィーチャリングしている『SUN』は、EPのなかでも温かいファミリーソング。彼のことは大阪の下積み時代から知っていて、温かな声質がこの楽曲にぴったりだと思ったので、注入させてくださいとお願いしました。

    実は僕たち 4人には共通点があり、同世代ということも大きなポイント。F.HEROは1982年生まれですが、あとの3人は81年生まれなので、ほぼ同じ年。この世代から、タイムレスかつ色あせないものを目指して、国内外問わず攻めていこうという熱い思いで集結したメンバーです。

    等身大の思いを、ありのままに歌詞で表現

    ── 曲のカッコよさはもちろん、AKIRAさんは作詞もされているんですね。とてもパーソナル内容で、率直な肉声のように感じました。

    そうですね。やっぱり、より、リアルな自分のパーソナルなリリックや、等身大の想い、音楽性を打ち出すべきだと思ったんです。その反面、EXILEは僕の中ではある種絶対的なブランドでもあるので、掲げるテーマも大きいものが多いんです。

    例えば、今年3月に行った東京ドーム公演のタイトルは「“THE REASON” ~PERFECT YEAR Special~」で、“我々が存在する理由”でしたが、その理由とはみなさんに笑顔や希望を届けること。EXILEの楽曲は、そういうドームクラスとかアリーナで歌い上げることが似合うと思います。

    一方で、等身大の自分には、ポジティブな事だけではなく、思い出したくない過去やトラウマがある。EXILEになる前は、決して順風満帆ではありませんでしたから。そういったものから形成されている今の自分を、惜しみなく言葉で表現したい。

    そして成長した今、大人として、1人の男として発信できるメッセージもある。

    光と影を抱えながらもEXILEであり続けるし、いち個人としてもまだまだ挑戦し続け、メッセージを発信していく。その姿が、ファンのみなさんにとってAKIRAらしいと思っていただけたら嬉しいです。

    ── 今作を携えたツアーも予定されています。新曲でパフォーマンスもされるのでしょうか?

    いや、これパフォーマンスを全く考えてなかったんですよね(笑)。一心不乱にリリックを綴っただけなので。だからEPの4曲は、ド直球でマイクパフォーマンスのみになるんじゃないかと思います。そのほかにもライブで披露する新曲がいくつかあるんですけど、それは歌って踊る予定です!

    ツアーでは、僕の20年に欠かせないメンツを招集したいと思っています。レギュラーメンバーには、僕をスカウトしてくださった先輩のMAKIDAIさんを。今の僕が存在するのは、彼との出会いがあってこそ。何か一緒におもしろいことができるといいなと思っています。

    DOBERMAN INFINITYのP-CHOは、僕がEXILEになる前からの旧友で、実は下積み時代もすごく仲がよくて、一緒に切磋琢磨してきた間柄。今作でも楽曲制作に携わってくれているので、ぜひツアーにもと。

    新旧、縁のメンツと記念のライブができたらと、若いメンバーでは、僕が初めてプロデュースに携わらせていただいたTHE JET BOY BANGERZも参加予定です。それから、各公演の日替わりゲストにも注目してもらえたら。

    セットリストには、EPからの選曲や、それにはない新曲の初披露、そのほかにも考えていることがあります。今の僕を作り上げてきたのは、間違いなくEXILEでの経験です。なかでも僕が感じるEXILEの青春ソングがある。それを自分なりにエンターテインメントに昇華させて、ツアーの参加メンバーでやってみようと思っています。

    今こそ“自分らしさ”をぶっ壊したい

    ── そもそもAKIRAさんが今作で歌唱に挑戦しようと思ったのは、中国の番組「Call Me By Fire」への出演がきっかけとのことでした。なぜ出演しようと思われたのですか?

    当初、番組のプロデューサーさんには、「AKIRAさんはパフォーマーで、EXILE TRIBEではリーダーや演出を担当されているので、チームを引っ張る立場で頑張ってもらいたい」と言われていたんです。

    だから僕も、「歌わなくていいんですね?」と何度も確認しましたし、プロデューサーさんも「AKIRAさんはダンスだけでいい」と言っていて…。

    ところがですよ、初回に歌わされたんです(笑)。今思うと完全にフリですよね。「押すな、押すな」と言いながら、やっぱり押された!みたいな状態で(笑)。ただ、先ほども言ったように、周りは才能のある方ばかりだったので、自分に歌の経験がないからといって「やらない」という選択肢はない。

    番組では、毎回、自分をぶっ壊す作業の連続でした。京劇にも挑戦しましたが、白塗りをして女形を演じたのは初めてのこと。

    さらには、これまで携わったことのないジャンルの音楽やステージングでのアプローチ、歌唱はファンのみなさんが知る僕とは全く異なる姿だったので。失敗したらEXILE TRIBEにはもう戻れないかもしれない。それぐらいの覚悟で挑みました。

    ── なぜそこまで覚悟を決められたのでしょう?

    40代にもなると、“自分らしさ”みたいなものが確立されてきますが、それは前向きなことのようで、自分らしさという檻に囚われているとも言える気がするんです。でも、“EXILE AKIRAっぽい”というイメージを壊していかないと、成長には繋がらないと思うから。

    壊して、壊して、最終的には何をしても“AKIRAらしいね!”と言われたい!!

    自分を壊す作業を中国での活動ぐらいから求め始め、そういえばデビュー当時はそういう精神でやってきたよな、俳優を始めた頃もそうだったよなと思い返して…。「Call Me By Fire」への出演は、そんな気持ちを改めて感じさせてもらえた機会だったと思います。

    琥珀の“謎の行方”は僕も気になります

    ── AKIRAさんといえば、ファンは俳優活動も期待していると思います。今後、何か予定はありますか?

    ご縁といいますか、自分を必要としていただける機会があれば、全力で頑張りたいと思います。

    今年は『HiGH&LOW』シリーズが10周年で、いろいろイベントもやっているので、また新たなエピソードが制作されるなら、個人的には復活したいと思っていますけど。

    ── 『HiGH&LOW』ファンは、琥珀さん(AKIRAさんの役名)の再登板を心待ちにしているのではないでしょうか。

    琥珀さん…(笑)。僕もそろそろやりたくなってきた気がします。

    これは願望ではありますが、琥珀のスピンオフができるといいなと思っているんです。例えば、アジアを巻き込んで琥珀が「あの時なにをやっていたのか」を描くとか。

    ── 映画『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』の冒頭で、飛行機から降りてきた(※2)のは、どこに行っていたんだろうとか…。

    実はあれ、僕も謎だったんですよ(笑)。それを回収するエピソードを自分で手掛けられたらいいですよね。

    ※2 映画『HiGH&LOW THE RED RAIN』(2016年公開)のラストで、琥珀は重要な情報が記録されたUSBメモリを安全な場所に移すために預かるが、それを持ってどこへ行ったのかわからないまま、続く『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』(2017年公開)の冒頭で琥珀が飛行機から降りてきたので、ファンの間ではその行方が長年の関心事となっている。

    ── そのほかにも、何かやりたいことはありますか? AKIRAさんは、台湾をはじめ海外でも大活躍されていますが、国境を越えて挑戦したいプロジェクトなどありましたら。

    海外のフェスとか、出てみたいですよね。タイをはじめ東南アジや中華圏はいろんなフェスがあるので、そういうところに出られたらいいなと思います。

    また、僕たちEXILE TRIBEは、各グループさまざまな国で1つ1つ種まきをするように活動を続けています。それが少しずつ広がって、何年後かにアジアを席巻するような存在に成長していたい。

    そのためには僕が出演するだけでなく、後輩たちの架け橋になれるような活動も、同時にしていきたいと思っています。

    Profile

    EXILE AKIRA

    エグザイル・アキラ EXILEの中心核としてグループを牽引。個人としても映画、ドラマ、舞台、グローバルファッションブランドのアンバサダーなどさまざまな分野で活躍。2017年からはアジア人初となるRalph Laurenアンバサダーに就任し、2019年の秋冬シーズンのキャンペーンにおいては、ついにブランドのメインとなり、グローバルモデル、アンバサダーとして世界の顔となった。2023年にはLDH TAIWAN愛夢悦のCEOに就任。2025年には日本を代表して出演した中国の大人気大型歌唱リアリティーエンターテインメント番組「Call Me By Fire」新シーズンにて、パフォーマンス優秀者に与えられる「滚烫家族」(ゴゥワンタンジャーズ)の称号を日本人として初めて獲得。日本国内のみならず、アジア、世界に向け、活動の場を広げている。

    2026年、デジタルEP『URBAN SAVAGE』を引っ提げ、7月10日のZepp Nambaを皮切りに「EXILE AKIRA 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE TOUR”URBAN SAVAGE”」を開催。スケジュールはHPをチェック。

    Infomation

    デジタルEP『URBAN SAVAGE』

    AKIRAのルーツでもあるミクスチャーロックやヒップホップをベースにした4曲を収録。今作ではすべての楽曲で作詞を手掛けている。収録曲は『SAVAGE』『Thrill Drive feat. F.HERO』『NEW WORLD feat.MIYAVI』『SUN feat.JAY’ED』。各種音楽ストリーミングサービスでも配信中。

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    写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・渡辺康裕 取材、文・保手濱奈美

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