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「ゆるくつながる」居場所を求めて…箕輪厚介の今どきの“絆”

2019.11.6
家族、恋人、友人、仲間…。今の時代だからこそ大切にしたい絆のかたち。“絆”という言葉に、あなたは何を思うだろう。今やネットを介して広くつながることができる時代。関係性の捉え方や築き方も、変化している様子。それでもやはり人は絆を求めて、手を伸ばす。改めて、今の絆の在り方について考えます。

編集者の箕輪厚介さんに「今どきの絆」、心理学の専門家である晴香葉子さんに「絆のチカラ」について聞きました。

今どきの絆 1
職場や家庭など身近な環境にとどまらず、絆を求める場は柔軟に。

人とつながるうえで、今やSNSは欠かせないツールとなっている。その影響による絆の変化について、オンラインサロンの主宰など、ネットでの交流も活発な編集者の箕輪厚介さんはこう話す。

「ネットが普及する前は、会社とか家庭とか身近な環境で絆を築こうとしていたと思いますが、今はそのこだわりが薄れています。というのも、自分の好きなことをネットで深掘りするなどして、個々の興味が細分化しているなか、話題を共有できる人が身近にいるとは限りません。でも、話の合う相手は欲しいので、それをネット上で求める。SNSのやり取りだけで絆を感じる仲になることは、もはや普通にあります」

今どきの絆 2
利害関係のないところで、単純に価値観が合う人とつながりたい。

ネットによって交流範囲が広がるなかで、より重視されているのは、“価値観が合う人とつながること”なのだという。

「おそらくそれは居心地がいいからだと思います。たとえば僕が誰かと会う時に、相手が短パン、ビーサンでも何とも思わない。僕もそういうノリだからです。そんなふうに価値観が近い人といると、安心感がありますよね。互いに利害関係なく、ゆるくつながる。オンラインサロンしかり、そんな居場所が求められています。そしてこうした良好な環境で自分の好きなことに没頭し、それを世の中に役立てたいという人も増えている。仕事とは別のモチベーションが生まれる場です」(箕輪さん)

今どきの絆 3
ネットでの交流が、リアルな距離をぐっと近づける。

初めはネットだけのやり取りだったところから、リアルな絆に発展することも、今の時代、珍しくない。

「絆の作り方が、今と昔では変わってきています。昔は初対面の人といきなり会って、出身地や趣味を聞いたりしながら、自分と気が合うのか、どんな人なのかを探っていくわけですよね。でも今は、会う前にその人のSNSを見れば、だいたいそれが把握できる。それにネット上である程度会話をしておけば、実際に会った時は仲のいい状態でスタートできます。むしろデジタルネイティブ世代は、何も知らないまま会うのは怖いと思っている。まずはネットで、次にリアルでつながるのが今どきの形のような気がします」(箕輪さん)

絆のチカラ 1 
いつの時代も変わらず人が絆を求めるのは、それが本能だから。

そもそも人はなぜ、絆を求めるのだろう。心理学が専門の晴香葉子さんによると、人間が生まれ育つ過程と深い関わりがあるのだという。

「人は赤ちゃんの時に誰かに育ててもらえないと、生きていけません。つまり人生は、保育者と絆を結ぶところからスタートしています。そんな絆は保育者をベースとしながらも、成長とともに変化し、友達や学校の先生、やがて恋愛など、さまざまな環境で絆を求めるように。これは本能に基づく欲求で、あまり気づいていない人もいるかもしれませんが、誰の心にもあるものです。そして、個人差はありますが、相手と理解し合えている、信頼できると思えた時、絆を感じられます」

絆のチカラ 2
絆があれば、人はがんばれるし、強くもなれる。

絆は、私たちの心に、さまざまなプラスの作用をもたらしてくれる。

「たとえば人間関係で辛いことがあった時、一人でも親身になってくれる人がいれば乗り越えられる力が湧くし、『わかってくれる人がいるから大丈夫』と、打たれ強くもなります。また、スポーツなどのチームが、絆によって強くなるのも顕著な例。絆によって強くなるのも顕著な例。お互いに励まし合うのはもちろん、言葉にしなくても、チームメイトががんばっている姿を見れば、自分もがんばろうと思えるし、それによってチームが大きな力を発揮することだってあるでしょう。こうした大きなドラマに限らず、普段の生活でも、そこに絆があると思えるだけで、心の支えになるはずです」(晴香さん)

絆のチカラ 3
絆は多ければいいというわけではなく、その強さこそが大事。

では、親、友達、恋人、SNSなど、絆の数は多いほど心強い?

「たとえ絆を多く持っていたとしても、それが腐れ縁など自分にとって厄介な関係であれば、むしろストレスに感じてしまうことも。絆は質が大切で、絆を感じる時の心地よさや、心の支えになる強度がポイントです。絆にはさまざまなパターンがあり、その力強さやスタイルは異なります。たとえば家族や友人など毎日接する相手が心の支えになる場合もあれば、部活仲間など過去に助け合った記憶による絆もあります。また、直接面識がない相手の可能性もあり、好きなミュージシャンの音楽から勇気づけられ、心の支えになれば、それも一つの絆です」(晴香さん)

箕輪厚介さん 幻冬舎編集者。著名人の書籍編集を多数手がける一方、自身の発信力を生かしてオンラインサロン「箕輪編集室」を主宰するなど多方面で活躍。

晴香葉子さん 心理学・コミュニケーション学の専門家。文学修士。大学院博士課程単位取得。『小さなことに落ち込まない こころの使い方』(青春出版社)。

※『anan』2019年11月13日号より。イラスト・itabamoe 構成、文・保手濱奈美 ©Hero Images

(by anan編集部)

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