ウソをつかれた時に「どうして!」はNG 困ったときの言い回し術

2019.9.2
好相性になれる伝え方のコツとは? 日常生活にある気まずいシーンで、ふたりの関係を好転させる絶妙な言い回し術を徹底レクチャー。
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実践! シーン別言い回し術。

ウソをつかれた時→「すごくショック。どうしてウソついたのか教えて?」

ウソをつかれたことに腹を立てて、「どうして!」「なんで!」と責め立てるようなことを言いがち。「攻撃的なことを言っていると自分を見失います。誰にも止められず、どんどんエキサイトして、暴言を口にして大切な人を傷つけてしまう場合も。アドラー心理学で、怒りの感情のピークは長くて6秒と言われています。だからまずはその6秒をやり過ごしましょう。そして相手の話を聞いて、ショック、悲しい、困惑しているなど、どんな気持ちになったかを客観的に伝えること。そうすれば自分の感情を上手にコントロールできます」(“伝わるコミュニケーション”をテーマに講演を行う戸田久実さん)

ミスや失敗を報告された時→「しっかり確認しておくと、あとあとラクだよ」

起こってしまったことを責めてもあとのまつり。感情的になってもお互い不快な気持ちが残るだけ。「ダメ出しや注意されたことばかりに気を取られ、ミスや失敗したことは二の次に。相手のヤル気を損なうだけです。感情を爆発させるのではなく、『〇〇するといいよ』と、相手へのリクエストやアドバイスとして、その気にさせる伝え方にすると、相手の行動は改善されやすいです」(戸田さん)。それでも改善されず、何度も同じミスを繰り返したとしても、人格否定はしないこと。ミスをすることでどんな支障をきたしているかを伝えつつ、相手の事情にも耳を傾けて。

セクハラ発言をされた時→「それ他の人には絶対に言わない方がいいよ…」

セクハラ発言をする人は、冗談やコミュニケーションのひとつだと思っていて、それが相手を傷つける発言であること自体わかっていない人がほとんど。「だからそれがセクハラ発言だということを、言った本人に自覚させることが大事です。しっかりと伝えて食い止めないと、また同じ発言を他の人に繰り返して、被害が拡大する可能性が」(キャリアカウンセラー・関下昌代さん)。問題発言だと伝えることがお互いのため。相手のメンツをつぶさないためにも、大勢の前ではなく、ふたりきりになった時に注意した方が無難だし、理解を得やすい。言われたことに対して感情的にならずに、冷静な対応を。

答えにくい質問をされた時→「○○ちゃんはどうなの?」

答えにくい質問を平気でしてくる人には、同じ思いをさせて、聞くべきことではないことをわかってもらうことが大事。「そのためにも質問返しが有効です。聞かれたことをそのまま聞き返すんです。質問返しをしていれば、それ以上突っ込んでこなくなるでしょう」(戸田さん)。たとえば年収を聞かれ、質問を返しても、「○円だよ」とさらりと答えてきたら、「私も同じくらいかなー」などと言ってあいまいにするか、「へー」と言って、違う話題に切り替えてみること。相手の口車に乗って、ベラベラしゃべってしまうと、後々面倒なことになり、関係が悪化することも。

戸田久実さん アドット・コミュニケーション(株)代表取締役。アンガーマネジメントをベースとした、言葉がけに特化したコミュニケーション指導に定評がある。『〈イラスト&図解〉コミュニケーション大百科』(かんき出版)。

関下昌代さん キャリアカウンセラー。亜細亜大学で、ビジネスマナーやコミュニケーションの講師も務める。『先輩に可愛がられ、同僚に疎まれず、後輩に慕われる女子になる職場で幸せになる45 のコツ』(中央公論新社)。

※『anan』2019年9月4日号より。イラスト・徳丸ゆう 取材、文・鈴木恵美

(by anan編集部)

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