今身につけたい“価値観”は? 「何を経験してきたか、ではなく…」

2019.6.28
新たな時流も乗りこなし、活躍できる自分であるために。それには、この先どんな時代になるのかを把握しておくことが重要に。そこで、マーケティングアナリスト・原田曜平さん、テレビプロデューサー・松本彩夏さんが、時代に適応するべく、養いたい価値観を紹介。
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“自分の好き”を見つけておく。

SNSなどネットを中心に、一人で始められることハードルが下がっている時代。人生の選択肢は、多様に広がっている。「ひと昔前は大手企業に入れたら勝ち、というムードもありましたが、今はネットを通じて、そうじゃなくてもカッコイイ人の成功例が、山ほどあります。もはや王道のレールという概念がない時代。いろんな生き方がでるぶん、迷いも出ると思います。そんな時は一度立ち止まって、自分がどんな人間なのか、改めて研究し尽くしてみるのはすごく大事だと思います」(松本さん)

そんな松本さんが、ドキュメンタリー番組でたくさんの女性を取材する中でも「強い」と感じるのは、“好き”を人生に組み込めている人。

「とにかく“好き”の気持ちだけで突っ走っていて、その気持ちが強いから、色々なことがついてくる。熱量さえあれば動く物事は案外多い。“好き”を趣味で終わらせず、人生に組み込むところまで考えられた人はとても強いと思います」

何を経験してきたか、ではなく何を考えてきたか。

「人材採用の面接をしていて感じるのは、『世界何か国を旅しました』など、実績を挙げる人が多いこと。そういう数字ってわかりやすい自己PRなのかもしれませんが、私はそれより、その人が“何を考えてきたか”が知りたいんです。たとえば映画にしても観た本数より、たとえ1本でも、そこから何を受け取ったか、それを知りたい。そこにこそ人柄や魅力が表れると思うんです」(松本さん)

人間の仕事をロボットが代替していくような時代にこそ、こうした“人間らしい”魅力はより大切になるだろう。それに画一的な主張ではなく、自分の言葉で表現できる人のほうが、時代の変化に対応し得る柔軟さを持っているともいえそうだ。

「私はそれを、いかに人に伝えるかも大切だと思っていて。トーク番組の収録をしていて思うのは、話し方が上手な人はエピソードが面白いのはもちろん、そこから自分自身がどんな考えを導いたか、もう一歩踏み込んで話をしてくださいます。その一歩は大きいと思います」

“超バランス能力”を意識する。

これからの時代のマジョリティとなる若者たちが求めているのは、単なるバランス能力ではなく、「超バランス能力」。

「たとえば、『社長は目指さなくても、管理職くらいにはなりたい』『仕事だけではなく、家族と過ごしたり、趣味を楽しんだりしたい』と、何事においても適度なラインを望んでいます。それはきっと、そういうスタンスでいることが、彼らにとって合理的だからでしょう。確かに、下手に突出して波風を立てるより、いろんな人とうまく付き合ったほうがラクではあります。それに彼らが評価基準として重きを置いているのは、SNSのフォロワー数しかり、友達の多さ。過激なコメントでカリスマ的な人気を得る人もいますが、それは一部の成功例で、一般の人がやるにはなかなかハードルが高い。だから、ことさら敵をつくらず、多くの人とつながっていられる超バランス能力が、支持されるんです。これからは、こうした感覚を意識すると、時流に乗りやすくなると思います」(原田さん)

原田曜平さん マーケティングアナリスト。「さとり世代」「マイルドヤンキー」の名づけ親。『若者わからん! ―「ミレニアル世代」はこう動かせ―』(ワニブックスPLUS新書)など著書多数。

松本彩夏さん テレビプロデューサー。『ボクらの時代』『セブンルール』(共にフジテレビ系)、『テラスハウス』(Netflix・フジテレビ)など人気番組を手掛けている。2016年、放送ウーマン賞受賞。

※『anan』2019年7月3日号より。イラスト・朝野ペコ 取材、文・保手濱奈美

(by anan編集部)

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