もしかして俺のこと好き…? 男性がドキッと意識した「女性の言動」

文・三松真由美 — 2021.7.22
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、誕生日直前に彼がほしいと焦り始めた24歳女性。そこで、気になる彼の前で「彼氏ほしい」とつぶやいたところ…。三松先生が、彼を意識させるための超重要なポイントを教えてくれます!

祐子(24)口癖の「彼氏ほしい!」は‟余白レス”な言葉。彼氏を取り急ぎで作ろうなんて思うな

意識 振り向く ドキ セリフ 言動 

【レスなひとびと】vol. 125


あと3か月で誕生日。誕生日には、まわりの友達は、彼氏とリッチなホテルに泊まってお祝いしてもらっている。ケーキに花束、HAPPY BIRTHDAYのデコレーションされたベッド。それが、SNSで見る24歳女子のバースデー平均値。

今日は大学時代の仲良しグループでの飲み会だ。このメンバーには在学中から少しいいなと思っているヒロキがいる。芋っぽいところがあるけど、まあイケてるレベル。この際だからヒロキでいい。

「あ〜彼氏ほしいいいい!」みんな酔いが回っているし、許されるだろうと叫んでみた。もちろんヒロキを見ながら。ヒロキが気にかけてくれるといいんだけど…。その夜は何事もなく飲み会終了。

1か月後、また同じメンバーで飲み会。

「最近どうよ?」とお互いに聞き合っていると、ヒロキに気になる人がいることが発覚。えっ、先月まで全然出会いがないとか言ってたじゃん。内心焦りながら突っ込む。

「誰? 誰? どこの子?」

「会社の同僚。なんか気になる話し方するんだよね。なんか意味深な」

「どんな?」

「いや、なんか帰りの電車で一緒になったんだけど。しゃべってる時に『あーあ、もうちょっと素直になれたらな』とか言うんだ。なんかドキッとしたよ」

「なにそれ! もうそれいけるじゃん!」

(全くうまくいってほしくなんてないけど)

「どうなんだろ。なんか気になっちゃうよね。俺のこと好き? どういう意味? ってさ、なんか俺、モテ期かな」

「うかれんなよ」と周りにこづかれるヒロキを見て、祐子、フリーズ。

祐子だって「彼氏ほしい」とヒロキにそれとなく伝わるようにしていたつもりだったのに、作戦ミスか。

よーし、もう一度、と思って口に出す。

「あ〜私も彼氏ほしいいい」

返ってきたのはヒロキの想定外の反応。

「祐子、それホントに思ってる?」

「思ってるよ。もうすぐ25歳だし」と反撃。

と男性陣が次々に。

「ほらあ、誕生日用の彼氏じゃん」

「確かに俺も、クリスマス前とか思うわ。独り身寂しいって」

「わかる、かわいい彼女連れて街歩きたいよな」

「所詮、イベント済んだら終わる恋ってやつだよな」

えっ、そんな流れ? ヒロキに全く響いてなさそう。このままじゃ、職場の女に取られちゃう。なんで、私の彼氏ほしい気持ちを男の子たち、わかってくんないかなあ。


【三松さんからのコメント】

願いは口に出すと叶いやすいといいますね。私もたくさん叶えてきましたよ。「叫ぶ」と「叶う」の字も似ていますし。ところが、男性陣の前で「彼氏ほしい」と叫んだ祐子さん、願いが遠ざかってしまいました。「彼氏ほしい」だけは、口に出すだけでは叶うことはない。

さて、なぜでしょう。男性陣の発言にヒントがあります。

漠然とした「彼氏欲しい」は、「とりあえず体裁や見栄のために彼氏作っとくか」に受け取られることもあるのです。

祐子さんに邪悪な要望が完全になかったと言い切れない。バースデー前の微妙な時期。

「ステキな人に告ってほしい」「価値ある自分をみんなに知ってほしい」

そういう願望があることは、悪いことではない。素直でよろしい。ただ、SNSで披露するために彼氏がほしいのだと気づかれてしまうと「じゃあ俺が」と立候補しづらいじゃないか。

それに比べて、ヒロキさんの同僚女女性、ナイスですね。「素直になりたいな」なんて。「彼氏ほしい」のような狙い打ち度が全くない。「俺にその言葉を言うなんて、ハートの中ぜんぶ見せてくれてるのか」と思わせる上級ラブトーク。

何より、相手にアレコレ想像してもらえる‟余白”があります。この‟余白”が大事なのです。ヒロキさんはまんまと「あれってどういうこと?」「僕に気があるかも」とその後ずっと考える。つまり意識下にスルリと入り込んでいる。

祐子さんのように、とりあえず手近なところで彼氏作っとく、みたいな取ってつけたようなアクションはだめ。やるべきことは、理想の相手を具体的にイメージすること。

具体的な相手像が浮かべば、友人に「こんな人紹介して」と頼みやすくもなります。彼氏を作るための発言という点では同じですが、漠然とした「彼氏ほしい」よりもこちらのほうがずっと周囲に響く。自分の人生、よく考えてるなって思われる。

「夢を言葉にする前に、言葉の裏にある意味を問え。なんのためにこんなこと言ってんだと。自分の浅はかさに気づいたら撤回せよ」

意識 振り向く ドキ セリフ 言動 

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。


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