「知りたくなかった怖い話」追いかけてくるチェーンメールの怪 #5

文・イラスト 犬養ヒロ — 2019.3.8
世の中には、科学では証明できないこともあるようです。憑依体質の漫画家・犬養ヒロさんが聞いてしまった【知りたくなかった怖い話】を紹介します。

【犬養ヒロの知りたくなかった怖い話】vol. 5

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チェーンメール

知りたくない度★★☆

(P.N タタリちゃん 女性 出版業)の体験談

昔、「不幸の手紙」というものがありましたが、それと同様に「チェーンメール」というものがあることを知っていますか?

最初の発信者はわからないが、どこからか回ってくる。

内容は、
「このメールを3日以内に3人の人に回さなければ、あなたは不幸になります」

これは、出版社で編集の仕事をする知人のIさんが新卒で入社した時に起こった話です。

ある日会社に行くと、自分宛に新着メールが届いていました。差出人の名前は、Iさんの名前。

はじめは、エラーで自分のメールが戻ってきたのかな? と思ったが、開封すると……、

「あなたは祟られました。災いが起こります」
「祟りから逃れたければ、3日以内に3人の人にこのメールを転送すること」

その時は、それほど気にすることもなく、きっと新手のスパムメールなんだろうと思い、すぐに削除しました。

その翌日のことです、同じように会社に出勤してPCを起動すると、また自分宛に自分の名前で新着メールが届いてました。

開封すると……。

「あなたは祟られました。災いが起こります」
「祟りから逃れたければ、2日以内に3人の人にこのメールを転送すること」

……と書かれていました。

2日も連続で届くと悪戯にしてはたちが悪い。ご丁寧に「あと残り2日」になってるし。会社のメールはセキュリティがしっかりしているはずなのになぜ……。

それでもIさんは「チェーンメールなんて、バカバカしい!」と、気にしないようにして、削除しました。

3日目会社に出勤して、「まさか、もう来ないだろう……」と、恐る恐るPCの電源を入れると……。

「あなたは祟られました。災いが起こります」
「祟りから逃れたければ、今日中に3人の人にこのメールを転送すること」

と書かれていました。

Iさんはゾッとしました。「今日中にって……気持ち悪い!」悪質にもほどがある。

「祟られる覚えなんかないんだよ、バーカ!」Iさんは心の中でそう言って、すぐさまメールを削除し、仕事をすることにしました。

Iさんの仕事は忙しいので、その日に片付かなかった仕事は、いつも自宅に持ち帰ります。その日も仕事を持ち帰ることになりました。

Iさんが帰宅してから、仕事をしようと自宅のノートパソコンを開けた時、夜の0時を過ぎていました。

ノートPCにメールの新着通知が届いていました。

見ると、自分の名前で自分宛のメールが届いています。まさか、あのチェーンメールが自宅のPCのメールにも……? 会社とは全然関係のない個人のメールアドレスなのに同じメールが……?

これはもうおかしい。チェーンメールが流行っているのか?

いったい誰の嫌がらせ……!?

怖々メールを開くと……。

いきなり! 画面一面が真っ赤になってPCが固まりました。

「何これ!? 気持ち悪い……!」
ゾッとしてすぐにPCを閉じました。もう仕事する気もすっかり失せて、とにかくベッドで布団を被って、何も考えずに寝ようと思いました。

その時です。

ピロローン♪

携帯にメールが届く音がしました。

こんな時間に誰からだろうと思ったら……Iさんは携帯を見て縮み上がりました。

あて先を見ると、自分からでした。

一体どうやって携帯に……!?

プライベートなアドレスは親しい人にしか教えていないのに。

震える手で、開封すると……本文は白紙で、何も書かれていませんでした。

Iさんが会社の出勤途中に車に跳ねられたのは、その翌日のことです。命に別状はありませんでしたが、全治1か月の怪我で入院しました。

Iさんは退院後、すぐに自宅のPCと携帯を処分して買い替え、それ以降おかしなことは起こっていないそうです。

Iさんは何かに祟られていたのでしょうか? 真相はわかりません。

Iさんの事故とあのメールが関係しているとは思いたくはないのですが……。

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