冬の間にこわばった体はさまざまな部分で「めぐり」が悪くなり、春不調に陥りがち。気になる症状とつながる内臓を5つにグループ分け。体を活性化させるツボ回しとストレッチで全身の流れをめぐらせれば、体も心も軽く! 今すぐ始めて不快症状をクリアにしよう。
Index
気・血・水のめぐりを促して内臓からすこやかに
便秘やむくみ、イライラや無気力といった、anan世代にも多い不調は、整体師の永井峻さんによると「内臓の機能低下とめぐりの停滞が主な原因」。ここでいう「めぐり」とは、体内の「気・血・水」の循環を指す。「気」は元気の源になるエネルギーのことで、「血」は全身に栄養を届ける血液、「水」は血液が届かない細部まで体を潤すリンパ液などのこと。
「現代人は運動不足や姿勢の乱れ、ストレスなどで内臓の働きが落ち、めぐりが滞りがち。その結果、自律神経が乱れ、全身の細胞が栄養不足になったり老廃物が溜まったりして不調につながるのです」
めぐりの改善には、「おなかのツボ回し」で気血水の量を増やし、ストレッチで流れを促すと効果的。
「ツボに指を当て、円を描くように押し込むことで、気血水の“予備タンク”であるツボをバランスよく刺激して、気血水の量を増やすことができます。ストレッチは『ほっ、ほっ』と息を吐き、筋肉を伸ばしたりゆるめたりするイメージで体を揺らしながら行うと、めぐりの効果が高まりますよ」
ツボ回しとストレッチでめぐり改善!
気血水の量を増やす、ツボ回し

① ツボに対して、3~6cmくらい指を押し込み、硬さを感じるところで止める。② 息を吐きながら1回転。10円玉サイズの円を描くように回す。※仰向けで膝を立てるとやりやすい。(目安:呼吸に合わせて30回)
気血水をめぐらせる、ストレッチ

「ほっ、ほっ」という呼吸に合わせてゆっさゆっさとゆらし伸ばす。※お風呂上がりや夜がおすすめ。(目安:左右各15回)
あなたにも覚えが!? 気血水が滞る原因
“気づまり”で気が止まる
周囲に気を遣いすぎたり、のびのび振る舞えなかったり、“気づまり”な状態が続くと、心や体が無意識に萎縮して気の流れが滞る。対人関係が苦手な人はこのケースが多い。
運動不足で流れが滞る
体を動かすことで、血液やリンパの流れが促進され、呼吸が深くなることで気はめぐる。運動は、体の中の気血水をめぐらせるポンプのような役割を果たすため、運動不足はめぐりの大敵。
姿勢が悪く、内臓が圧迫される
背中を丸めて椅子に座る姿勢が長く続くと、おなかが物理的に押しつぶされた状態に。これにより胃や腸などの内臓が圧迫されて動きが鈍くなり、主に血と水のめぐりが悪くなる。
頭の使いすぎで呼吸が浅くなる
パソコンやスマホに向かう時間が長い現代人は、脳が常にフル回転。頭に意識と血流が集中することで緊張モードになって呼吸が浅くなり、結果的に気のめぐりを滞らせてしまう。
あなたの不快を狙い撃ち。気になる部分から流してスッキリ!
中医学では、心や体に表れる不快な症状の多くは、内臓の働きの乱れから生じると考えられている。「私たちの内臓は単なる体の器官ではなく、筋肉や組織の働き、感情とも密接につながっています。心身の症状から、どの内臓にエラーが起きているかチェックできます。内臓を、役割から5つのグループに分けたのが下の図です。気になる症状に対応するグループのツボ回しとストレッチを実践してみましょう」
内臓の5つのグループ

① 胃グループ(胃、すい臓、小腸)、② 大腸グループ、③ 心臓グループ(心臓、肺)、④ 肝臓グループ、⑤ 腎臓グループ(腎臓、膀胱)
めぐりを後押しする春の養生アイデア

春は、冬に溜め込んだものを排出する毒出しの季節。冷えで負担のかかった内臓をいたわりながら解毒を助ける、おかゆやスープを食事に取り入れ、ウォーキングなどで軽く汗をかくと、デトックスがよりスムーズに。春の到来を体に察知させ“解毒モード”に切り替えるために、日向ぼっこもおすすめ。
① 胃グループを流す!
こんな症状の人に…
□ 胃がもたれる。
□ 首コリがある。
消化器系の不調は、胃と首まわりに表れる
胃、すい臓、小腸は、食べたものの消化や吸収を担う臓器。これらの働きが乱れると、胃もたれや膨満感、吐き気に加え、消化器と関わりの深い首まわりのコリも生じやすくなる。
「胃と関連するツボを刺激して胃の働きを活性化させることで、すい臓や小腸にもいい影響が及びます。ストレッチでは、頭の重さを支える胸鎖乳突筋まわりを丁寧にほぐしていきましょう」
心のトラブル
- 悩みを消化できない
- もやもや
消化器の不快感が脳へ伝わると、不安が強まったり考えすぎに傾いたり、心の面でも物事をうまく“消化できない”状態に。
胃酸や胃液の分泌が活発に

量を増やすツボ回し/おへそから指2本分上、そこから左右に指2本分の場所。ツボに左右の手の中指を当て、抵抗を感じるくらいの深さ(3~6cmくらい)まで押し込み、10円玉大の円を描くように30回転マッサージする。
顔のむくみもやわらぐ

めぐらせストレッチ/片側の鎖骨に両手を重ねて置く。両手から鼻を遠くに離すように反対側の斜め上を見て、頭を後ろに倒す。首まわりを伸ばしてはゆるめるイメージでゆっさゆっさと頭をゆらして15回。伸ばすタイミングで「ほっ、ほっ」と息を吐くこと。反対側も同様にする。
② 大腸グループを流す!
こんな症状の人に…
□ 便秘や下痢などお通じに難あり。
□ 肌荒れが気になる。
便通の乱れでめぐりが停滞。肌荒れや腰痛にも
大腸は消化の仕上げや水分調整を行い、排便へとつなげる臓器。不調になると、下痢や便秘が起こりやすく、肌荒れや吹き出物も出やすくなる。また、大腸と同じ経絡(気血水の通り道)上にある太ももの裏に張りが出たり、腰痛になることも。
「便秘や下痢に有効なツボを刺激し、もも裏を伸ばします。もも裏がゆるむと、腰部の筋肉の負担や脚のだるさが軽減します」
心のトラブル
- 手放せない
- 後悔
排泄の臓器で手放す性質のある大腸に不調があると、ネガティブな感情を手放せなくなりやすい。過去にこだわりすぎる傾向も。
滞った気も流れ出す!

量を増やすツボ回し/おへそから指3本分下、そこから左右に指1本分の場所。ツボに左右の手の中指を当て、抵抗を感じるくらいの深さ(3~6cmくらい)まで押し込み、10円玉大の円を描くように30回転マッサージする。
座位が長いと凝りやすい

めぐらせストレッチ/仰向けになり、右の膝裏に手を当てて膝を胸に引き寄せる。足首を90度に起こして、右膝を軽く伸ばした状態で、手で膝を軽く引き寄せる。右脚のもも裏を伸ばしてはゆるめるイメージで、ゆっさゆっさと15回動かす。伸ばすタイミングで「ほっ、ほっ」と息を吐くこと。反対側も同様にする。
③ 心臓グループを流す!
こんな症状の人に…
□ 息が浅くなりがち。
□ 疲れやすい。
活力が不足した状態。まずは深呼吸から
血流と精神活動の要とされる心臓の働きが弱まると、動悸や不安、無気力などの症状が。また、肺の不調は呼吸を浅くし、息切れしやすくなる。「心臓や肺に不調がある人は、みぞおち付近やわきの下にこわばりが現れます。ツボ回しでみぞおち付近をほぐすことで呼吸がしやすくなり、ストレッチでわきの下を伸ばして前鋸筋をゆるめることで、めぐりが改善されます」
心のトラブル
- 楽しくない
- 無気力
心臓は感情・思考・記憶などをコントロールする臓器。機能が低下すると、無気力、集中力の低下、不安感などが表れやすい。
深い呼吸がしやすくなる

量を増やすツボ回し/おへそから指8本分上、そこから左右に指2本分の場所。ツボに左右の手の中指を当て、抵抗を感じるくらいの深さ(3~6cmくらい)まで押し込み、10円玉大の円を描くように30回転マッサージする。
視線は天井へ向ける

めぐらせストレッチ/① 右腕を高く上げて肘を曲げ、右手で背中を軽くタッチする。左手で右肘を掴んで引く。② 体を左に倒し、視線は天井へ。右わきの下を伸ばしてはゆるめるイメージで、ゆっさゆっさと15回動かす。伸ばすタイミングで「ほっ、ほっ」と息を吐くこと。反対側も同様にする。
④ 肝臓グループを流す!
こんな症状の人に…
□ 体がこわばる。
□ 頭痛が頻繁に起こる。
「血」の消耗により全身が栄養不足に
代謝や解毒に加え、血液やエネルギーの貯蔵と調整を担う肝臓が弱ると、血の不足や質の低下、気の滞りが生じ、体のこわばりや眼精疲労、頭痛などが表れる。
「肝臓の解毒機能を促すツボを刺激し、気血水の量と質を整えます。肝臓の乱れは、胸まわりや、肩甲骨付近がこわばりやすいのも特徴です。胸と腕の付け根をマッサージしたり、肩甲骨まわりを動かしてよくほぐしましょう」
心のトラブル
- イライラしやすい
- 集中できない
肝臓は気の流れを整える働きが強いため、このグループが乱れると、イライラや緊張、情緒不安定など、メンタル面に揺らぎが。
解毒機能を回復させる!

量を増やすツボ回し/おへそから指5本分上、そこから左右に指1本分の場所。ツボに左右の手の中指を当て、抵抗を感じるくらいの深さ(3~6cmくらい)まで押し込み、10円玉大の円を描くように30回転マッサージする。
胸まわりの伸び感を意識

めぐらせストレッチ/① うつ伏せになり、右手は肩と同じ高さに伸ばしてから、肘を90度に曲げる。左側に顔を向け、左手は肩の横につく。② 左手で床を押しながら、体を起こす。右胸を伸ばしてはゆるめるイメージで、ゆっさゆっさと15回動かす。伸ばすタイミングで、「ほっ、ほっ」と息を吐くこと。反対側も同様にする。
⑤ 腎臓グループを流す!
こんな症状の人に…
□ 全身が重だるい。
□ 髪や爪のコンディションが悪い。
溜まった老廃物が不調のもと。尿トラブルにも注意
血液をろ過して老廃物を排出し水分や塩分を調整して尿をつくる腎臓と、ペアで働く膀胱。両者の機能が落ちると、体内の老廃物処理やホルモンバランスが乱れ、全身の重だるさ、おなかの張り、腰痛、髪や爪の質の低下として表れる。「水分調整を助けるツボを刺激し下腹部の血流を促して、むくみや腰痛の緩和を。脚の付け根を伸ばし、大腰筋をゆるめればさらにめぐりが整います」
心のトラブル
- 意志が弱くなる
- 過度の緊張
「志」を司り「恐れ」に影響されやすい腎臓。機能低下により、意志が弱くなり、過度の緊張や不安を感じやすくなる。
おなかの張り、食欲不振にも効く

量を増やすツボ回し/おへそから指3本分下の場所。ツボに両手の中指を当て、抵抗を感じるくらいの深さ(3~6cmくらい)まで押し込み、10円玉大の円を描くように30回転マッサージする。
反り腰や猫背も改善

めぐらせストレッチ/① 四つ這いになり、左膝は股関節の下にくるようにし、手は肩幅より広めに床につける。右膝を真っすぐ前に出して立てる。② 左足を後ろに引き、おへそを床に近づけて脚の付け根を伸ばす。伸ばしてはゆるめるイメージでゆっさゆっさと15回動かす。伸ばすタイミングで「ほっ、ほっ」と息を吐くこと。反対側も同様にする。
教えてくれた方
Profile
永井 峻
ながい・たかし 楽ゆる整体&スクール代表。内臓とめぐりのケアで自律神経を回復させ、体質を改善させる施術と指導を行っている。『からだめぐる おなかのツボ回し』(ワニブックス)など著書多数。
anan 2490号(2026年4月1日発売)より




















