写真・石沢義人 取材、文・音部美穂 イラスト・山口 歩
妊活 妊活中の女性に寄り添う グッズが続々とリリース。
【ananフェムケア連載】これからの妊娠&出産
精液の流出を低減する子宮口カップ
ファーティリリーカップ
子宮の入り口での精液保持を目的とした、オランダ発のフェムケアアイテム。柔らかい医療用シリコーンを使用しているので、心身へのダメージが少なく、装着も簡単。半年間は再利用可。
¥4,950(フェルマータストア info@hellofermata.com)
卵巣年齢のセルフチェックキット
F check 卵巣年齢チェックキット
卵子の数の目安となる卵巣予備能が何歳相当かを表す卵巣年齢を、自宅で簡単に検査できる日本初の検査キット。0.1㎖以下の血液をポストへ投函すると、約2週間で結果が届く。
¥21,978(エフトリートメント https://fcheck.f-treatment.co.jp/)
膣内の菌とその割合を分析
Ubu Check kit
妊娠や感染症と重要な関わりがある膣内や子宮内の細菌を、自宅で検査できるキット。採取キットに含まれている綿棒を使い、膣内を20秒程度かき混ぜ保存液に。あとは、返送用封筒に入れて送るだけ。
¥26,400(メデリ https://ubu-offi cial.com)
睡眠中に温度リズムを計測
わたしの温度
専用のナイトブラに、デバイスをつけて就寝。寝ている間に自動で温度リズムを計測してくれるので、妊活中に毎日定刻に体温を測る煩わしさから解放されます。
デバイス+専用ナイトブラ1着¥19,250(トッパンフォームズ☎0120・626・194)
産後ケア 母乳もれなどの悩みを 防ぐ次世代グッズ。
自分のレベルに合わせて調整できる膣トレアイテム
ケーゲルベル
産後2年以上、尿もれに悩まされるケースもあるそう。尿もれの原因は、出産による骨盤底筋のゆるみ。膣周辺のインナーマッスルを鍛えることで、改善が可能。膣内に本体パーツを挿入し、重りで調節を。
¥12,980(フェルマータストア)
母乳もれを吸収するワイヤレスブラ
吸水ブラレット
従来の授乳ブラはそれ自体に吸水機能がなく、母乳パッドをつけないと、母乳がにじみ出てしまうことも。そんな悩みを解消する、吸水機能付きのブラが発売。授乳中も。母乳もれを心配することなく過ごせます。
¥5,900(リネ contact@rine.co.jp)
メンテック 男性側の悩みを解決するアイテムの市場も拡大中。
TENGA MEN’S LOUPE
スマホのカメラに550倍のレンズルーペを装着するだけで、精子の動きをチェックできるセルフ検査キット。自宅で精子状態の観察を行うことで、カップルが体の状態を共有しやすいというメリットも。
¥1,650(テンガ ヘルスケア☎0800・170・7831)
仕方のないことだと諦めずまずは悩みを周囲と共有。
「我慢することが当たり前と思い込んでいると、妊活中や産後に感じる悩みも、仕方ないと諦めてしまう人が多い。ですが、悩みを改善できる多様なアイテムがあることを知ってほしい」
そう語るのは、フェムテック専門オンラインストアを展開するfermataの中村寛子さん。例えば、妊活中、セックス後に精液が流れ出ないように逆立ちをしたり、腰を浮かせるなど頑張っている人もいるのだ。
「でもファーティリリーカップのような子宮口カップをセックス後に装着することで、精液の流出を低減することができる。疲れている体にとっては、逆立ちは大きな負担…。そういった負担を減らすのがフェムケアアイテムの役割でもあります」
最近では男性向けのセルフケアアイテム〝メンテック〞製品も登場。
「クリニックで精子検査をするのはハードルが高いという男性でも、精子チェッカーを使えば、簡単に自分の精子の状態を知ることができます」
モヤモヤを解決してくれる妊娠・出産に関するフェムケアアイテムは、私たちの声によって、今後日本でも増えていくそう。
「多くの人が悩みを発信すれば、ニーズに沿ったアイテムが開発されていく「多くの人が悩みを発信すれば、ニーズに沿ったアイテムが開発されていくでしょう。仕方のないことだと思い込まず、モヤモヤを周囲と共有したりSNSで発信することで、より快適な未来が広がると思います」
妊活や産後の悩みをアイテムで解消することが、今後は〝当たり前〞になっていくかもしれない。
お話を伺った方 中村寛子さん
フェルマータ代表取締役兼CCO。国内フェムテック市場のパイオニアとして、オンラインストアや東京・六本木に実店舗を展開する他、フェムテック関連のコミュニティ運営やリサーチ等に尽力している。
コレも知っておきたい! 私たちの妊娠・出産を取り巻くリアルDATA
女性の50歳時未婚率
14.1%※国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料(2019)」
不妊治療をしたことがある夫婦の割合
18.2%※国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査(2015年)」
1人の女性が生涯に産む子供の数
1973年 2.14人
2019年 1.36人※厚生労働省「人口動態統計(確定数)」(2019年)
育休取得率
女性 81.6% 男性 12.65%※厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査」
選択肢が増えたからこそ早くから考えておく必要が。
結婚をし、子供を持つのが当たり前という時代ではない昨今。今後も子供を持たない夫婦や、単身の女性は増えていきそう。家事・育児は女性側への比重が大きい場合がまだまだ多く、そのことで結婚や出産に躊躇してしまう女性も少なくないもの。一方で晩婚化が進み、不妊治療を受けるカップルが年々増加しているのも事実。選択肢が増えた今だからこそ、自分の気持ちに早くから向き合うことが必要に。
※『anan』2021年11月17日号より。